Summary
- 空気清浄機からの臭いは、多くが湿気や汚れの蓄積によって発生します。
- 酸っぱい臭いやカビ臭は、加湿トレイや水タンク内の雑菌が原因です。
- 焦げ臭やホコリ臭がする場合は、フィルターの劣化を疑いましょう。
空気をきれいにするはずの空気清浄機から、酸っぱいような臭いやカビの匂いが出て驚いた経験はありませんか? 掃除をしても臭いが残るときは、フィルターや加湿トレイの内部に汚れがたまっている可能性があります。
この記事では、臭いの原因をタイプ別に整理し、家庭でできる安全な掃除法と、臭いをためない習慣づくりのコツを紹介します。
空気清浄機が臭うときの主な原因
まずは、「どんな臭いがするか」で原因を見極めることが大切です。酸っぱい臭い、カビ臭、生乾き臭など、臭いの特徴で原因が異なります。原因を整理して理解することで、ムダな掃除を減らし、的確に対処できますよ。
酸っぱい臭い・カビ臭の多くは湿気が原因
酸っぱい臭いやカビのような臭いがする場合、多くは加湿トレイやフィルター内に残った水分が原因です。湿気を含んだまま放置すると、内部で雑菌やカビが繁殖しやすくなります。特に加湿機能付きモデルは、水を扱う機会が多いため、臭いの発生源となりやすい傾向があります。
使用後は水タンクやトレイの水を必ず捨て、内部を乾かす時間を確保しましょう。乾燥が不十分なまま翌日も使うと、細菌が増えて酸っぱい臭いが出やすくなります。
衛生面を保つためにも、週に一度はトレイやフィルターをぬるま湯で軽くすすぎ、風通しのいい場所でしっかり乾燥させるのが理想です。少しの手間で、空気の清潔さが大きく変わるでしょう。
もしお部屋自体に湿気がこもりやすい場合は、換気計画や壁材の傷みが原因になっているケースもあります。建物の断熱・通気が不十分だと、家全体がカビや臭いの温床になることがあります。
長く続く湿気トラブルがある場合は、住まい自体の点検を検討すると、機器トラブルの再発を防ぎやすくなりますよ。

焦げ臭・ホコリ臭はフィルターの劣化
焦げたような臭いや、ホコリっぽいにおいが出るときは、脱臭フィルターの劣化や汚れの蓄積が考えられます。空気清浄機のフィルターは、目に見えない細かな粉じんや臭気成分を吸着して働いていますが、長期間使用するとその機能が飽和してしまいます。
吸い込み口や吹き出し口にホコリが付着していると、熱を持ったモーターに触れて焦げ臭を感じることもあります。そんなときは、一度電源を切り、柔らかいブラシや掃除機でホコリを取り除いてください。
脱臭フィルターの寿命はメーカーや使用環境によって異なりますが、取扱説明書に記載された交換目安を参考に、定期的に新しいものに交換するといいでしょう。フィルターを清潔に保つことが、空気清浄機の性能維持にもつながります。
フィルターの汚れが早く進むご家庭では、家の換気設備が十分に働いていない可能性もあります。特に築年数の経った住宅では、換気扇の性能低下やダクトの詰まりが見られることも。空気清浄機だけでなく、住まいの換気環境を整えることが臭い対策に直結します。
湿気や汚れの蓄積が臭いの原因。臭いの種類で対処法が変わります。
家庭でできる安全な掃除法
臭いの多くは、家庭にあるもので改善できます。重曹やクエン酸、中性洗剤を使った方法は、素材を傷めずに臭いを除くのに有効です。強い薬剤を避けることで、子どもやペットがいる家庭でも安心して行えます。
また、空気清浄機だけでなく、お部屋の壁紙や床材に臭いが染みついている場合、機器を掃除しても効果が薄いことがあります。消臭機能付きクロスや調湿建材(珪藻土・エコカラットなど)を使ったトータル対策も可能です。
重曹水で加湿トレイをつけ置き洗い
加湿トレイや水タンクから酸っぱい臭いがする場合、重曹が役立ちますよ。重曹には弱いアルカリ性の性質があり、酸性の汚れや雑菌のぬめりを中和して落とす効果があります。
使い方は簡単で、ぬるま湯1リットルに重曹大さじ1を溶かし、トレイを30分ほどつけ置きします。その後、やわらかい布でやさしく拭き取り、水で軽くすすいでください。
仕上げにしっかり乾燥させることが大切です。湿気が残ると再び雑菌が増えるため、日陰で自然乾燥させましょう。重曹は刺激が少ないため、プラスチックやゴム素材にも安心して使えます。強い洗剤を避けたい人にもおすすめです。

クエン酸スプレーで水垢とカルキ臭を除去
水道水のミネラル成分によってできる白い汚れや、水垢の付着にはクエン酸が効果的です。酸性のクエン酸は、アルカリ性の汚れを溶かし、カルキ臭の発生も防ぎます。
作り方は、水200ミリリットルにクエン酸小さじ1を混ぜるだけ。スプレーボトルに入れて、加湿トレイやタンクの内側に吹きかけ、数分置いてから布で拭き取りましょう。しつこい汚れは、キッチンペーパーを湿らせて数分間パックすると落ちやすくなります。金属部分に直接かけるとサビの原因になるため、注意が必要です。
掃除後はしっかり乾燥させ、部品を完全に戻す前に空気にさらす時間をつくると、臭い戻りを防げるでしょう。重曹とクエン酸を組み合わせて使うと、より衛生的な状態を保てます。
重曹やクエン酸を使えば、素材を傷めずに臭いをやさしく除去できます。
臭いを防ぐ日常メンテナンス
掃除をしても臭いが戻る場合は、普段の使い方や環境を見直すことが肝心です。内部に湿気やホコリを残さないことが、臭いをためない第一歩になります。日々のちょっとした工夫で、空気清浄機の快適さを長く保てるでしょう。
使い終わった後は送風で内部を乾燥
空気清浄機を使用したあと、すぐに電源を切るのではなく、数分間送風モードを続けてみてください。内部にこもった湿気を外に逃がすことで、カビや雑菌の繁殖を抑えられます。特に加湿機能付きのタイプは、トレイやフィルターの水分をそのままにしておくと臭いの原因になりやすいでしょう。
また、加湿タンクの水は毎回入れ替え、使い終わったらしっかり空にしておくと安心です。残り水が数日放置されると、目に見えない菌が増えることもあります。ほんの数分の乾燥時間をつくるだけで、臭いの再発を大きく減らせるでしょう。

フィルター掃除と置き場所の見直し
フィルターは、ホコリや臭気成分を吸着するうちに汚れがたまり、性能が低下していきます。月に一度はカバーを外し、掃除機の弱い吸引モードで軽くホコリを取り除きましょう。無理にブラシでこすらず、表面を優しくなでる程度で十分です。汚れがこびりついているときは、ぬるま湯で軽く洗って完全に乾かしてください。
もし空気清浄機を置くスペースが確保しにくい場合や、部屋の空気が循環しにくいと感じる場合は、家具配置や間取り自体の見直しが効果的なこともあります。
動線を邪魔せず空気の流れが確保できるレイアウト変更も、リフォームのプロに相談してみるのもひとつです。壁に近すぎたり、湿気のこもる部屋に設置すると、臭いが内部にこもりやすくなります。風通しのいい位置に置くことで、機械内部の空気循環が保たれ、臭いの発生を防げます。
もし同じような臭いトラブルが何度も起こる場合、空気清浄機だけでなく、住まい全体の湿気・換気・断熱状態に問題があることも珍しくありません。
壁内結露、換気不足、断熱材の劣化などを無料点検サービスがあるリフォーム会社もあるので相談してみることで、根本原因の特定につながりますよ。
最後に
POINT
- 空気清浄機の臭いは、湿気や汚れの蓄積が主な原因です。
- 酸っぱい臭い・カビ臭は、加湿トレイや水タンク内の雑菌が発生源です。
- 重曹やクエン酸を使えば、家庭でも安全に臭いを抑えることができます。
空気清浄機の臭いは、ほとんどが内部の湿気や汚れが原因です。重曹やクエン酸を使った簡単なケアでも、驚くほど快適に改善できます。掃除のたびに完璧を求めず、無理のない範囲で続けることが大切です。小まめな乾燥と点検を習慣化すれば、清潔で心地いい空気を保てます。
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監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box代表取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン
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