もち粉の基本

そもそも、もち粉とはどのようなものなのでしょうか。もち粉で作る代表的なお菓子とあわせて解説します。
もち粉とは
もち粉とは、精白したもち米を水で洗い、水ひきして乾燥させた粉のこと。きめ細かく真っ白で、強い粘りを持っているのが特徴です。
もち米を100%使っているものだけをもち粉といい、うるち米などを使っている場合はもち粉とは呼びません。和菓子の求肥によく使われるため、求肥粉と呼ばれることもあります。
もち粉で作るお菓子
もち粉がよく使われるのは、もちもちした食感の和菓子です。大福や餅菓子では、もち粉が水分をしっかり抱え込むため、冷めても柔らかい食感を維持できます。
また、ケーキやパン生地を作る場合に少し加えると、もちっとした食感を出せるのです。もち粉はただの粉というより、食感と風味を生かすための材料として活躍します。
もち粉の代用品4選

もち粉を切らしてしまった場合も、一般家庭にありそうなもので代用が可能です。もち粉の代わりに使える主な代用品と、使い方のポイントを見ていきましょう。
白玉粉
白玉粉はもち米を原料とした米粉です。もち粉がもち米を乾燥させてから挽くのに対し、白玉粉は水に浸したもち米を水ごと挽き、沈殿物を乾かして作ります。
冷やしても固くなりにくく、もちもち感と歯切れの良さが両立した食感を楽しめます。ただし、もち粉より固くなりやすいため、大福の求肥などに使う場合は水分を多めにすると扱いやすいでしょう。
米粉
米を使った粉を総称して米粉と呼びます。つまり、もち粉や白玉粉も広い意味では米粉です。スーパーなどには「米粉」という商品が置かれており、成分がそれぞれ異なります。
もち粉の代わりに米粉を使う場合は、パッケージの成分表を見て、もち米の割合を確認する必要があります。もち米が多く使われている米粉なら、もち粉の代用品として使いやすいでしょう。
だんご粉
もち米とうるち米を配合して作られた粉がだんご粉で、だんごを作る際によく使われます。弾力と歯切れのバランスが良いのが特徴です。
だんご粉は汎用性が高く、もち粉の代用として使っても失敗しにくいでしょう。もち粉より固めに仕上がる傾向にあるので、水分を多めにして使うのがおすすめです。
道明寺粉
道明寺粉は、もち米を蒸した後に乾燥させ、すりつぶした粉のことです。もち米を原料としているため、もち粉の代用として使えます。
もち粉に比べ粒が大きいのが特徴で、つぶつぶ食感が残るため、関西風の桜餅などに向きます。完全な餅生地にならなくてもよい場合は、道明寺粉も代用品の選択肢に入れてみましょう。
もち粉の代用に関するよくある質問

続いて、もち粉の代用を考える際に生じやすい疑問と回答をまとめました。ひと通りチェックしておきましょう。
もち米からもち粉を自宅で作れる?
市販のもち粉が手に入らない場合は、もち米から自作することも可能です。時間や手間はかかりますが、ミルミキサーがあれば家庭でも細かい粉に仕上げられます。
ミルミキサーは乾燥した粒を粉状にする機器であり、コーヒー豆を挽くタイプが使いやすいでしょう。粉の粗さを調整できるため、柔らかい生地作りにも向いています。
<もち米からもち粉を作る手順>
1.もち米を洗って水に浸し、一晩吸水させる
2.水気を切ったら広げて十分に乾燥させる
3.完全に乾いたらミルミキサーで粉砕する
4.目の細かいふるいに通す
5.粗い粒は再度粉砕し、均一になるまで繰り返す
もち粉を自作する方法は、少量だけ必要なときや、好みの粒度に調整したいときにも役立ちます。自分で作るとできたての風味が楽しめますよ。
上新粉や小麦粉でも代用できる?
「自宅に上新粉や小麦粉があるので、もち粉の代用として使いたい」というケースもあるでしょう。しかし、上新粉や小麦粉は性質がもち粉と大きく異なるため、同じ食感を再現するのは困難です。
たとえば、うるち米が原料の上新粉は歯切れの良い仕上がりが特徴。だんごや柏餅には向きますが、ボソボソしやすく、もち粉のような強い粘りは出ません。
また、小麦粉はグルテンが多く、水分を加えると別の粘りが出てしまいます。ケーキやクッキーなどには便利でも、もち粉を使う和菓子には合わないのです。
上新粉と小麦粉のどちらも代用自体は可能ですが、もちもち食感の再現までは期待できません。仕上がりが変わっても構わない場合や、家にある材料で試してみたい場合に選ぶとよいでしょう。
まとめ

もちもちとした食感を出せるもち粉は、大福や餅菓子を作るときに欠かせない材料です。家にもち粉がない場合も、白玉粉・米粉・だんご粉・道明寺粉で代用できます。
また、もち米があるならミルミキサーを使って、もち粉を自作することも可能です。代用品を使う場合はそれぞれの特徴や使い方を理解し、水分量の加減などにも注意しながら和菓子作りを楽しみましょう。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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