【目次】
ごあいさつ
こんにちは!佐藤えつこです。
10代から20代まで『プチセブン』や『CanCam』等でモデルをしていました。現在は20代の時に立ち上げたClaskyという小物ブランドのデザイン、その他に、最近ではバスブランドMAROAにも携わり、アラフォーになった今でも日々充実した楽しい毎日を過ごしています!
と、書くと順調にいっている、よくある元モデルのリア充日記でしょ?と思うかもしれませんが、実際の私はなかなかヘビーな日常を送っております。
30分おきに起こされて眠れない。外出できない。言葉が通じない、1〜2時間ごとにオムツ交換など…。
「育児?」
いえいえ、実の父の介護なんです。
「そんなの、まだ遠い話でしょ?」
私もそう思っていました。でも、その日は突然やってきました。当時私はまだ、35歳。
今は父の介護をしながら実家で一緒に暮らしています。同世代の友達の「ふつう」とは、ひと味違った毎日です。
子供のころから、父は困ったときにいつも私を助けてくるとても大きい存在でした。モデルをどうしようかと悩んでいたときも、独立してブランドを立ち上げたときも。迷っていると私をいつも助けてくれた頼れる父は、まるで別人のように変わってしまいました。。
心原性脳梗塞の後遺症である、重度の高次脳機能障害。全失語症。うつ病。過活動性膀胱。右手足の完全マヒ。なんだか重々しいですが、すべて父の現在進行形です。
この5年間は、お気楽に生きてきた私が「家族とは」「生きるとは」、を人生で初めて考える時間でもありました。
最近やっと、父のことや、本当の自分のことを人に話せるようになりました。これからはもっと伝えていきたいと思っています。アラフォー・元モデルのキラキラしてないリアルな日常が、今まさに苦しんでいる人の心を、そしていつか迎えるかもしれない介護の不安を、少しでも軽くできることを願って。連載エッセイ『うちのダディは脳梗塞』をスタートします。
イラスト/佐藤えつこ 構成/佐藤久美子
佐藤えつこ
1978年生まれ。14歳で、小学館『プチセブン』専属モデルに。「えっこ」のニックネームで多くのティーン読者から熱く支持される。20歳で『プチセブン』卒業後、『CanCam』モデルの傍らデザイン学校に通い、27歳でアクセサリー&小物ブランド「Clasky」を立ち上げ。現在もデザイナーとして活躍中。Twitterアカウントは@Kaigo_Diary