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WOMEN美しい女性には美しい物語がある。

2019.03.25

気に入った書店でないと買いたくない。紙の本でないと読みたくない【ストイック女子/はるかの場合2】

ハマってしまったら、もう誰にも止められない。自分の道を一直線に進むストイック女子のリアルドキュメント。ふたり目は、ワーママになっても「1日1冊」の読書習慣を貫くはるかのストーリー。(3回連載)

Text:
南 ゆかり(フリーエディター)
Tags:

story2 気に入った書店でないと買いたくない。紙の本でないと読みたくない

Profile
はるか(仮名) 41歳
職業/Webサービス会社・人事
住まい/埼玉県川口市の賃貸マンションで夫・子ども2人(3歳・0歳)と暮らす

story1 図書館通いで1日1冊読破。絵より文字が想像をふくらませる

本好きな人、こだわりのある人から、本を買いたい

「文字」を読むことが好き。国語の授業なら現代文でも古文でも、そして大学では一般教養の授業でも。はるかの文字好きは、子どものころから現在まで、「1日1冊本を読む」ことで満たされてきた。

「インターネットやSNSが生活の中に入ってきても、読むペースは変わりませんでした。自分が気になる人がすすめている本を知るのには、SNSがいいきっかけになる。そこで繋がっている人がまた別の本をすすめていたり、引用されていたり、新しい本を知ることもできます。ただ、何か調べたいときにはネットも使いますが、表面的な情報だけは、なんだか足りない。あるいは、情報の信ぴょう性も気になる。深く考えたい、自分が抱えている疑問に答えを出したい、というときには、やっぱり本が必要なのです」

時間ができたとき、何か考えたいとき、はるかは大型書店に行って、あえて目的をもたずに、ふらりふらりと歩く。歩くのにいいのは、職場近くの八重洲ブックセンター。気になるテーマを見つけたら、その周辺にある同じテーマのもの、同じ著者のものを連続してチェックしてみる。目的がないまま行ったとしても、自分の意識の下にあること、――たとえば今なら「学ぶ」とか「哲学」とか、目にとまるものが自分の関心ごとなんだと気づかされる。基準はあくまで、自分。アマゾンの★の数でも、レビューの内容でもない。『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』『あなたの人生の意味(上・下巻)』『武器になる哲学』『あいうえおのき』の5冊を購入した。

「月の書籍代は…あまり考えていませんが、1~2万円程度でしょうか。行くのは、大型書店なら品揃えが網羅されているところ。そうでなければ、マニアックな書店。たとえ目的の本が置いてあるとわかっていても、気に入った書店でないと買いたくないんです。たとえば最寄りの駅にある書店は便利だけど、ただ並べてあるだけ。本を好きだということが伝わってこないのはダメで、店頭の様子を見れば、店員さんが本を読んでいるか・いないかも察することができるんです。

好きなのは、池袋にある天狼院書店、品川駅のPAPER WALLなど。書店員さんの本への愛が感じられて、置き方や選び方にちゃんと意思があって、並び順にも理由があって。そういうところは、入った瞬間に好き! って思います。本1冊買うにしても、本が好きな店員さんとそうでない人は、反応が違います。やっぱり好きな人、こだわりのある人から買いたいですから」

本の入手元は、ネット5:書店4:図書館1

そんな大好きな書店めぐりの頻度は、子どもができてからずいぶん減ってしまった。そのぶん、目的が決まっている場合はネット書店やフリマアプリで探して買うことも増えた。

「ネットで本を買うことはあっても、電子書籍は読みません。やっぱり、紙の本を手にする感覚が好きだから。そして、1日1冊というペースは変わりません。子育てで読む時間そのものは減ったけれど、スピードはけっこう早いと思います。毎日1~2時間で1冊ずつ。人と比べたことがないからわからないですが、これを話すと驚かれるので、やっぱり早いのかな(笑)。

子どもができる前は、カフェや図書館に長居したこともありましたが、今は無理。子どもが寝ている時間を見はからって、1時間がやっとです。早く読むのに、特別なテクニックがあるわけでは、ありません。小説はジャンル問わず一字一句をしっかり追います。それに対して、ビジネス書や歴史もの、哲学書や実用書などは、縦書きのページの右上から左下までを斜めにざざっと読んでいく。やがて、大事なワードはコレかな?っていうのが、感覚的にわかってきて、そこが目に飛び込んでくる、という感じです」

はるかの読書好きが友人たちに広まってきて、「おすすめは何?」と聞かれることが増えた。それはいいのだが、はるかはいつも答えに困ってしまう。

「だって、私が楽しくても他人も面白いかどうかは、わからないでしょう。そもそも、私はどのジャンルも広く読むし、すごく得意なものや、絶対ダメなジャンルというのも、ありません。もし、手付かずのジャンルや知らない本があったら、読んでみたいし、知ってみたい。

でも、本をたくさん読んだからといって、物知りになったり賢くなったり、ということは全然なくて。むしろその逆で、本を読むほどに、知らないことがまだまだある! って痛感します。でも、その感覚をもてることがまた、うれしくて。

もちろん、難解で頭に入ってこない本もあります。それは、まだ理解するだけの土台が自分にないということだと受け止めて、家の本棚の片隅に置いておく。いつかまた、読みたくなるときのために」

質問してくる友人たちが期待するような、読んだことがすぐに役立つようなことは、実は少ない。もし自分がわかったような気になっていたら、ときどき出会う難解な本が、おごった自分をいさめてくれる。そして、すぐに役立つことばかりでないとわかっていながら、毎日毎日、ストイックに読書を続ける。即効性はなくても、自分の中に栄養を取り込んでいくように。(story3に続く)

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。ただいま、7月頭発売の書き下ろし新刊を準備中! ほかに『Domani』2/3月号のワーママ10人インタビュー、Oggi誌面「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」、 Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」なども掲載中。

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