story3 勉強も婚活も自分に負荷をかけるほうがうまくいく
Profile
美和子さん(仮名・38歳) 既婚
職業/外資系広告代理店営業
趣味/ヨガ
住まい/東京都目黒区
STORY1:ふたまわり年上の役員に比べたら、同世代のビジネスマンは幼くて…
STORY2:MBAから結婚相談所へ…婚活はやっぱりプロがいい!?
「フツーっぽい」は魅力になる
美和子が合コンに見切りをつけて、母がすすめる結婚相談所に入会したのは、ビジネススクールに単科生として通い始めて2年目に入ったとき。35歳になっていた。
自分で決めた期限「3月末までに出会う」ために、お見合いパーティに参加し、相談所から紹介されたお見合い相手、計8人とも次々に会った。正直、この時点では将来の夫と本当に出会えているのか、確信はない。ただ、「デートしてもいい」と思えた男性は、ふたりいた。
「ひとりが、最初のパーティで話したヤスシ、建築会社勤務の38歳。初めて参加したパーティで、しかも最初に目の前に座った人でした。男性は15人いて、話せるのはひとり10分。ヤスシは愛想はよくないし、なんだか感じ悪い。でも、自己紹介で『人見知りするタイプ』だと言っていたので、まあそういう人なのね、と。終わってから気になった人の番号を書くんですが、私は確か5人書いたかな。ヤスシの番号も書いておきました。そこで男女ともに番号が一致したら、後日直接連絡を取り合うことができるんです。
ヤスシから連絡がきたのは、そのパーティから2日後でした。その前にも他の男性2人からメールが来ましたけど、失礼ながら、えっと誰だったっけ? という感じで。でもとりあえずデートはしました。しましたけど、うーん、張り切りすぎてるっていうか、ガツガツ来られて、引いちゃいました。だから、最後にデートしたヤスシの“フツーっぽい”ところが、逆に好感もてたんです。
もうひとり残った候補が、トモヤ。印刷会社勤務の36歳。相談所から紹介されたお見合いで、こちらもまたクセが少なめな“フツーくん”。あまり目を見ずに話す照れ屋さんです」
この婚活最終ラウンドにきて、美和子は意外な行動をとった。代理店営業の仕事量と責任が増え、結婚までのクロージングをやりながらも、ビジネススクールで本科生としてMBA取得を目ざすことを決めたのだ。また、さらに別の男性との結婚の可能性も捨てたくないから、ぎりぎりまでお見合いは続けた。
「ビジネススクールに通うのは時間的に大変だったけど、クラスメートが、MBAを取るまで頑張ろうよ、と言ってくれたことが大きかったかな。辞めたらもったいないと励ましてくれたし、私の勉強を助けてくれたり。婚活のことばかり考えていたら、煮詰まっていたかもしれないから、今となってはクラスメイトに感謝です」
トリプル生活でわかった、自分の優先順位
MBAの勉強と婚活を平行して頑張ったことで、「頑張らないことが許せない」美和子の気持ちが満たされた。と同時に、ある発見があった。
「MBAの授業がそのまま、すぐ仕事に生きるとか、結婚につながったとか、正直いってそれはありません。でも、忙しい仕事の中、早朝からマーケテイングの勉強をしてレポート書いて、間に合わないときは有給とって勉強して。そんな生活だと、仕事でもデートでもお見合いもで、ムダなことをしなくなる。考えが合理的になって、優先順位に迷わなくなる。そのときの私の優先順位は、婚活が第一。次に仕事とMBA。仕事とMBAに注力するためにも、第一の婚活に早く決着をつけようと強く思ったのも、事実です」
結婚したいだけでは、結婚はできない。どんどん湧き出る人生のそのほかの大事なことと並行しながら、自分に負荷をかけながら、突き進めていく合理性と自分の強さがカギになる。
「そして、私の仕事やMBAの勉強について、相手の男性がどんな反応を示すかも、大きな判断基準になりました。それがはっきりわかるまで、ちょっとズルいけど、ヤスシとトモヤのふたりとも結婚候補として残しておいて、LINEでのやり取りはずっとしていたんです」
ヤスシとトモヤの反応に差が出たのは、美和子の勉強が忙しいときと、海外出張のときだった。特に海外出張中のヤスシからのLINEの返事は、まさに模範解答だったのだ。(次回に続く)
南 ゆかり
フリーエディター・ライター。『Domani』2/3月号ではワーママ10人にインタビュー。十人十色の生き方、ぜひ読んでください! ほかに、 CanCam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。