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LIFESTYLE インタビュー

2019.05.24

宝塚歌劇団 元宙組娘役・伶美うららさん、退団後に語るあんなこと・こんなこと【スペシャルインタビュー vol.1】

 

大人気、宝塚歌劇団OGのリレー連載。鳳翔 大さんからバトンを受け継ぎ、今回は宙組を代表する娘役スターだった伶美うららさんが登場です!

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元宙組娘役・伶美うららさんスペシャルインタビュー vol.1

現役中は劇団イチと言われるほどの美しさと繊細な演技で、観客の視線と心を掴んだ伶美うららさん連載第一回目に登場していただいた愛希れいかさんを含めトップ娘役を3人を輩出、さらに次期トップスターに確定している礼 真琴さんをはじめ注目のスターぞろいの「95期」のひとりです。2017年11月に宝塚歌劇団を退団したあとも、現役時代と変わらない美しい姿を見せてくれるうららさん。しっとりした女性の役が多かったせいか落ち着いた印象ですが、実際のところは…?

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鳳翔 大さんとの関係

Domani編集部:この企画はリレー連載になっているんです。前回ご登場いただいた鳳翔 大さんよりうららさんをご紹介いただきました。鳳翔さんとのエピソードや裏話がございましたらぜひうかがいたいです。

伶美うららさん(以下敬称略):入団したときの初舞台が宙組で、そのまま宙組配属になりました。そのときに宙組にいらっしゃったのが鳳翔さんです。鳳翔さんは88期なので、私とは7期違い。すでに(入団7年目まである)新人公演も卒業されていたので、私たちからすると、普段なかなか話すことのできない「超」がつくほどの上級生なんです。にも関わらず、下級生の面倒をよく見てくださる方で、初舞台生にも化粧の仕方など色々なアドバイスをしてくださったんです。

Domani編集部:以前、鳳翔さんも「自分が下級生だったときに上級生が話してくださるのがすごくうれしかったから、私も自分から話しかけるようにしています。『下級生から聞きにいけばいいのに』って思われるかもしれないけど、下級生はなかなか行けないんですよ」とおっしゃっていました。

伶美:やっぱり7期の学年差があると、なかなか自分から話しかけるのは難しいですよね。お話するにしても、これをこんな順番で話して、と決めていかないと、上級生には時間を割いていただいているので失礼にあたりますので。鳳翔さんはとても気さくにお話してくださる方なので、私もそれがとてもうれしくてご縁が続いている感じです。

Domani編集部:素敵な上級生ですね!

伶美:ふふふ。鳳翔さんの男役さんとしての姿も素敵なんです。お稽古場では自分の出番前に、自分が出ていない場面を見学できるんです。私たち95期は初舞台公演の『Amour それは…』というショーでラインダンスをやったのですが、私たちが待機している時間に、男役さんがハットを投げるすごくカッコいい場面があったんですよ。鳳翔さんは初舞台生を意識しながらパッとハットを投げて、もう、私たちは「キャーーーー!!」って(笑)。常にお客さん目線を意識して男役を演じていらっしゃるのですが、下級生の私たちまで喜ばせてくださって、鳳翔さんの粋なサービスにハートをがっつり掴まれてました。

宝塚歌劇団との出合い

Domani編集部:うららさんは大阪出身ですが、小さい頃からタカラヅカになじみはあったんですか?

伶美:タカラヅカとの出合いは小学5年生のとき。母が花組さんの『ミケランジェロ/VIVA』という公演に連れて行ってくれたんです。お芝居(ミケランジェロ)の内容は少し難しくて詳細には覚えていないのですが、ショー(VIVA)がとにかく華やかで。 初めて見た大階段や、キラキラ輝くライト、スパンコールの衣装や羽根にもう圧倒されてしまったんです、まさに“夢の世界”。一瞬でタカラヅカに惹かれました。小学校5年生でも勉強とか毎日いろいろあるじゃないですか(笑)。でもタカラヅカを観て、「明日も頑張ろう!」と思えるエネルギーをもらえたんです。それから毎年夏休みにタカラヅカを観劇するようになりました。

Domani編集部:どんな公演をご覧になりましたか?

伶美:そうですね、中でも多かったのが宙組です。(うららさんが宙組だったということもあり、「へえぇー」とスタッフ感嘆の声)。宙組を観る機会が多かったせいかもしれませんが、和央(ようか)さんと花總(まり)さんのコンビがとっても好きで、自分が宙組配属になったのもうれしかったです。

Domani編集部:いつ頃から(宝塚)音楽学校の受験を意識するようになったのですか?

伶美:小学6年生から音楽学校が休みの日曜日に受講できる“宝塚コドモアテネ”という、子ども向けのスクールのようなものに通うことになったんです。タカラヅカが大好きな子とかバレエを何年も続けているような子が多く、そこでかなり刺激を受けてより強くタカラヅカを意識するようになりました。毎週日曜日が楽しみでたまらなかったんですよ。

Domani編集部:コドモアテネは普通のお稽古ごとと同じ感覚ですか? 入るための試験があったりとか?

伶美:私のときは特に試験はなかったです。小学校4年生〜中学校3年生までが通えて、更新は1年ごと。長く続けている子もいれば、1年で辞めていく子もいました。

Domani編集部:みなさんタカラヅカを目指す方や好きな方なんですね。

伶美:そうですね。「さっき○○さんを見たよ」とか「今度あの公演観にいくんだ」なんて話もよくしました。ここで本当に色々な影響を受けましたね。

Domani編集部:その頃に出会った方もいらっしゃるんですか?

伶美:今、花組にいる水美舞斗は、コドモアテネで同期で入団してからも同期でした。年齢的には私がひとつ上なんですが、コドモアテネのときから仲が良くて。もう長年のつきあいになりますね。

うららさんのA面・B面

Domani編集部:うららさんが卒業されるときに上田久美子先生が『歌劇』(宝塚歌劇団が発行するファンのための情報誌)に、「タカラヅカの娘役といえばピンクなどのイメージがあるが、伶美さんはシルバーをまとったような人だった」と書かれていたのがとっても印象に残っています。上田先生の作品もそうですけど、現役時代は、大人っぽくて少し影があるような、落ち着いた感じの役が多かったように思うのですが、実際のうららさんの性格とは相違がありましたか? 関西のご出身でいらっしゃるので、普段はめちゃめちゃ関西弁で話す、など。

伶美:私、関西出身なんですけどよく東京出身に思われることが多くて(一同「あぁー!」と納得)。関西出身の方と話したら、もちろん関西弁です(笑)。でもなんだか落ち着いているのは自分でも感じているし、周りからも「落ち着いているね」と言われることが多いので、きっとそうなんだろうな、と(笑)。役的にも、相手役(男役)さんよりも年上の女性という設定が多かったです。相手役さんが上級生の方ばかりだったので落ち着いてはできないんですけど(笑)、でも、自分の持っているよさを先生が引き出してくださったというのは感じています。

Domani編集部:なるほど! 私たちが舞台で受ける印象のままなんですね。関西弁チャキチャキだったら普段とのギャップがすごいなぁと思っていたんです(笑)。ちなみに、「私、落ち着いているな」というエピソードはありますか?

伶美:焦りたくないので、計画的なほうだと思います。現役の時は何ごとも時間が限られているので、お稽古に行くときは「役のことを考えたいから○時間前までにお稽古場に行くとすると、この時間までに髪をセットして、化粧も終わらせて、ランチはこの時間に食べよう」と、時間を逆算していきながら予定を決めていきます。決めないと不安になってしまうんです。焦った気持ちのままお稽古場に行きたくなくて。与えられた課題を自分の中でクリアして…って、もちろんみなさんそうだとは思うのですが、私は不器用なので完璧にクリアできないと落ち着かないんです。

Domani編集部:前日にお稽古の時間が決まったりすることもあるんですよね。

伶美:あります。前日の夜に時間変更なんてこともあります。

Domani編集部:行き当たりばったり、という過ごし方はされないのですか?

伶美:そうですね。お休みの日にしなきゃいけないことは携帯にメモするなりして、ひとつずつ片付けていきます。もうすぐ公演期間というときは、髪飾りなどのアクセサリー作りやカツラの調節に時間を割いたり。「このパーツがないから貴和製作所に買いに行かなきゃ」とか(笑)。タカラヅカの娘役は、(アクセサリーを)全部自分で作るんですよ。私はそういうことが好きなのもあって、楽しんでやっていましたね。宝塚周辺ではなかなか買えないので、大阪・梅田に出かけることも多かったです。ネットショッピングをすることもありますが、急に撮影用のお洋服が必要になるときなどは急いで出かけてぐるぐるいろんなところを回ったり。振り返ってみると、お休みの日もゆっくりする時間はあまりなかったかもしれませんね。卒業してからは、ボーッとする時間もできました。

同期の活躍

Domani編集部:卒業されてからタカラヅカは観に行かれていますか?

伶美:宙組の公演は必ず観に行きます。水美もそうですが、同期の活躍は楽しいですね。各組にいるので。なんか…銀橋の真ん中で歌っていたりすると「ああっ!(感嘆)」って思ったり。群舞のセンターで踊っていたり、ソロで歌っていたり、カゲコーラスしているとか、本当に感動します。

Domani編集部:同期の方は出会って13年ですか。

伶美:そうなんです。先日は同期の元宙組メンバーで集まって、ご飯をしました。本当に久しぶりで。宙組の現役はもう3人しか残っていないんですよね、男役ばかり。ご飯会では「最近何してる?」から始まり、「ここで働いてるよ」とか、「今度あの子が結婚するらしいよ」とかみんなそれぞれ境遇が違って。タカラヅカの話になると、昔の楽しかった思い出とか、今だから笑える話とか、同期だからこそできるのですごく楽しいですね。あと、とても刺激を受けます。そうやって頑張っているんだなって。


▲(左から)真みや涼子さん、涼華まやさん、朝央れんさん、伶美うららさん、彩花まりさん、実咲凜音さん (うららさんインスタグラムより)

実際にお会いしてその美しさに目がくらみましたが(笑)、うららさんご自身は気取ることなく笑顔でお話してくださり、和やかなインタビュー時間に。「なにごとも計画的」という姿勢も当日はどことなく垣間見られ、きちんとしていらっしゃるんだろうなと…まさに好感度の塊のような方でした!

次回は、うららさんが今ハマっている「美容」について熱く語っていただきます。お楽しみに!

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撮影/フカヤマノリユキ 文/淡路裕子

女優

伶美うらら

れいみうらら・5月30日生まれ、大阪府出身。愛称は「ゆうり」。2009年に95期として宝塚歌劇団に入団、娘役として宙組大劇場公演『薔薇に降る雨/Amour それは…』で初舞台を踏み、宙組に配属。2011年に大劇場公演『クラシコ・イタリアーノ』で新人公演初ヒロインを務める。その後、バウホール公演『ロバート・キャパ 魂の記録』、ドラマシティ/日本青年館公演『翼ある人びと』、バウホール公演『SANCTUARY』、全国ツアー『バレンシアの熱い花』と、新人公演以外でも多くのヒロインを経験。さらに、2012年に池田泉州銀行のイメージガールに就任。2017年大劇場公演『神々の土地/クラシカル ビジュー』にて退団。退団後はミュージカルやコンサートへの出演など、フリーとして活動中。インスタグラム▶︎@urara_reimi

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