家事・育児分担について討論すべく集まったメンバーは
【ワーママ】
Tさん(39歳/メーカー/3歳の女の子・1歳の男の子。夫は不動産会社営業)
Yさん(41歳/研究職/3歳の男の子、夫は金融系)
Kさん(38歳/金融系/2歳の女の子・0歳の男の子、育休から復帰したばかり。夫はメーカー勤務で資格勉強中)
【ワーパパ】
Iさん(43歳/人材系/8歳・6歳の男の子、専門職の妻と結婚して9年)
Sさん(38歳/金融系/6歳・2歳の女の子、妻はネット系のベンチャー企業に勤務)
Mさん(40歳/メーカー/8歳の女の子・3歳の男の子、研究職の妻は大学時代の同級生)
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「俺、明日飲み会入っちゃった」のLINEにカチン!
妻Y:分担の不満はいろいろありますけど、いちばん不公平感が強いのは、保育園へのお迎えですね。会議で議論が活発になってきても、作業がノッてきても、決まった時間に職場を出なきゃいけないというのがプレッシャー。
妻K:確かに。朝は保育園に送ってくれるパパも多いけど、お迎えは圧倒的にママ比率が高いですね。
妻Y:夫がときどき「俺、今日は残業っぽい」とか「明日、飲み会入っちゃった」とかLINEしてくるんですけど、正直「は!?」って思います。そんなチョイスがあると思っていること自体が腹立たしい。「残業っぽい」とか「明日の飲み会」とか、私にはそんな選択肢はないんですもん。飲み会に誘われたら、少なくとも1週間以上前に夫に「この日は早く帰れますか?」とお伺いを立てて、OKなら参加できるけど、「帰れない」と言われたら無理。飲み会ひとつ参加するのだって、そういう段取りを踏んでるのに、それが伝わってないのかなー。
夫S:ご主人に、たまにでも早く帰ってきてもらうことはできないんですか?
妻Y:夫は勤務地が自宅から1時間半以上かかるので、定時に出てもお迎えの時間に間に合わないんですよ。今年から夫の会社に “時間休”の制度ができたので、前よりは頼みやすくなりました。
妻T:うちも、夫が保育園のお迎えに行くなんてありえない! 夫は働き方改革と無縁の男社会の会社に勤めていて、男性社員の奥さんはほぼ専業主婦。男性は終電まで残業してあたりまえ、みたいな世界なんです。たまに夜の9時前くらいに帰ってくると「頑張ってこんなに早く帰ってきた」という感覚みたい。
夫S:僕は今、週1~2回お迎えに行っていますが、そのぶんほかの日は深夜まで残業することになってしまったりして。
夫M:うちは毎日、奥さんがお迎えに行っていて僕は帰りが遅いので何もいえないんですが、毎日朝は僕が保育園に送りに行くために定時より30分遅く出社しているんです。毎日4~5件は打ち合わせがあるんですが、午前9時からの打ち合わせには間に合わなくて、こっちはこっちなりにフラストレーションがあるということもわかってもらいたいな。
妻K:Yさんはファミサポさん(注:ファミリーサポート。子育てなどの援助を受けたい人と行いたい人が会員となり助け合う市区町村運営の会員組織)を利用していましたよね? 保育園のお迎えはお願いしていないんですか?
妻Y:気にしすぎかもしれないですけど…、ほかの子の親御さんがちゃんと迎えに来ている中で、うちの子だけお迎えが親じゃなかったら、少し大きくなったときに「あのとき、本当はママに来てほしかったのに寂しかった」と思わないかな、とか気になってしまって。自分の中にも葛藤があります。
子どもの体調不良がいちばんのピンチ! 会社の無理解は夫にも…
妻K:子供の病気のときはどうしてます? うちの夫の会社も古い体質で…。以前、夫が長女の看病で会社を数日連続で休んだら、周囲からの風当たりが強かったらしいんです。子どもの体調不良で父親が会社を休むことにはまだ抵抗があるようで。
妻T:ひどい!
妻K:ですよね。でもそれ以来、夫は子どもが病気だからといって休みづらくなってしまったので…今はほとんど私が休んで看病しています。長女が0~1歳のときは年間で50日くらい休んでしまい、私の上司からも「ご主人は休めないの?」と言われてしまいました。なんとか5回に1回くらいは夫に休んでもらって、「今日は夫に休んでもらいました!」って、会社でアピールしたりしています。先日育休から職場復帰しましたが、ふたりめの子も体調をくずしがちなので…ちょっと心配。
夫I:うちの嫁はシフト制で働く専門職なので、急に休みをとるのが難しいんです。だから平日だったら僕と、義理の母とで何とかしのぐ感じ。
夫S:僕のところは夫婦ともに実家が遠いんですが、関西に住んでいる僕の母にも「平日はあまり予定を入れないでほしい」、つまりいつでも駆けつけてサポートしてほしい、とお願いしています。「今から新幹線に乗れる?」なんて電話することも。
妻Y:子供が0歳で職場復帰した直後はホントにつらかったな。ひと月の半分くらい、保育園から呼び出しがかかって、大げさじゃなく何度泣きながらお迎えに行ったことか。プロジェクトを進めるために段取っていたスケジュールがガラガラくずれて、「私、これからどうなるんだろう?」と思いました。疲れ果てて自分の食事をとる気力もなくなって、5~6kgやせましたよ。もう戻りましたけど(笑)。病児保育の利用を検討したこともありますが、ただでさえ子どもがナーバスになる病気のときに、慣れない環境で看てもらうのも気が引けて。
夫M:こればっかりは、子どもが成長して丈夫になるのを待つしかないかもしれませんね。最近はどうですか?
妻Y:確かに、この半年くらいは子どもの病気も減って、回復も早くなって、だいぶ落ち着いてきたかもしれません。先日も息子がロタウィルスに感染して私にも伝染ったんですが、夫と私がそれぞれ午前休、午後休をとってバトンタッチしてしのぎました。
構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)