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LIFESTYLE 夫婦

2020.04.25

コロナでやってきた不倫の潮時ー私にはマスク、くれないの?『あなたはどう思いますか?』

優しい夫と結婚したのに、ついモラハラ気味の男性を好きになってしまう…。『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、東京で働く女性の恋愛事情をレポート。甘い禁断の果実に潜むリスク…あなたはどう思いますか?

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沢木 文
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頼りがいがある浮気相手の方が好き

お話を伺ったのは…

長谷川美紀さん(仮名・42歳)。東京都出身・名門私立大学経済学部卒業、大手シンクタンク勤務(年収660万円)。2歳年上の夫(教育関連機関勤務・年収350万円)と結婚10年。足立区内の新築分譲マンション在住。子どもは8歳の娘。身長160cm、話題豊富で頭の回転が速い美女。父親を8歳のときに事故で無くしており、ファザコン傾向がある。とても世話焼き。

彼の期待に応えて、頑張りたい

美紀さんは、いつもモラハラ傾向がある男性を好きになってしまうという。

「彼の期待に応えたいと思って、頑張るタイプなんです。『オマエはだからダメなんだよ』と言われると、やる気が出るんですよね。小学校の頃から通っていた塾の先生が超スパルタな男性だったんです。その人が叱咤激励してくれたから、名門大学に入れたようなもので…その影響があるのかな」

その先生とは、大学入学後に交際をスタートする。

「付き合ったのは1年くらいでしたが、あれを超える恋愛はないですね。『オマエは俺の言うとおりにしていればいいんだ』といろんなことを教えてくれた。でも、叩かれると痛いし、最初は気持ちよかったアレも、ストレス解消をぶつけられるみたいにされると、やっぱり痛いんです。私が体に痣を作っているのを見た母が、警察に通報。大学以外家から出られなくなったときに、先生は別の女性を妊娠させてしまった。それで関係は終わりました」

モラハラから救ってくれた夫と結婚し、幸せな生活をおくる

その後も美紀さんは、似たような恋愛を繰り返す。

「ホントに私はダメな女だったので、そういうところを指摘して、正しく導いてくれる人を好きになってしまうんです。自信にあふれている人を見ると、ついフラフラッといってしまう。大学時代、社会人になってから…4人の男性と付き合いましたが、みんなモラハラタイプだった。結婚前に付き合っていたのは、料理人だったんですが、この人は手を上げるタイプで、ヨレヨレになりながら会社に行っていた行っていた。そのときに話を聞いて、助けてくれたのが夫だったのです」

穏やかな夫と結婚し、幸せな結婚生活は続いていく

結婚してから夫は転職し、穏やかな生活が始まる。

「家を決めるのも何をするのも『美紀ちゃんはどうしたい?』と聞いてくれる。それを最初は優しいと思いました。でも、結婚生活が続くうちに、彼は自分が決めたことで責任を取りたくないだけなんだということがわかってきた。生活は穏やかで幸せだけれど、物足りない。娘もすぐに授かったので、縁は深いんだと思いますよ。彼は育児にも協力的だし、家事もてきぱきとこなす。ただ男としては頼りない。自分の意志がないんです。会社員として無難で一人で起業などをするタイプではない。私は亡くなった父が自営業でバリバリ仕事をしていた人なので、主体性がない彼のことを男として見られなくなってしまった」

特にマンションを買うときの夫の優柔不断っぷりは美紀さんの心に残っており、それ以来6年間のレスが続いている。

私は悪いところを指摘してもらわないと成長できないから

マンションを買ったタイミングで、美紀さんは別の男性を好きになる。

「保育園の送り迎えの時に出会ったパパ友なんです。娘の保育園で知り合って、向こうが先に卒園してしまった。でもその後も保護者グループの付き合いはあって、みんなで飲み会をした時に『あなたと夕方話すのが癒しの時間だった』と言われて、キュンときてその日のうちに男女の関係に」

仲を深めるたびに、彼は美紀さんのダメなところを指摘する。

「『もっとやせた方がいい』『何をするにもタイミングが早すぎる』『話し方に品がない』など、いろんなことを指摘してくれる。彼と付き合っているこの3年間、彼のおかげで私は10キロもやせたし、服やメイクに気使うようになりました。会話セミナーやマナー教室など、それまで私が行かなかったところに行き、格段にいい女になったと思います。するとさらに彼は私を愛してくれるようになる。私は指摘されないと、自分の改善点がわからないんです」

「マスクはたくさんあるけど、あなたに上げる分はない」

美紀さんにそこまで言う彼は何者なのだろうか。

「普通の会社員です。大手企業に勤務しており、とても頼りがいがある男性です。部下が300人いて、人脈がものすごい豊富。日本中がマスク不足になったときに、彼の家にはマスクがたくさんあると言っていた。その時に『ウチに何枚かちょうだい』と言ったら『その図々しくて意地汚いところが、お前がダメなところなんだ』と教えていただきました。でも、すごいですよね。マスクが家にいっぱいあるんですよ。ウチの夫とは大違いです」

美紀さんの夫は、転職後、思うように結果が出せず、正社員から契約社員になり、年俸も半額になった。

「今回のリモートワークで、夫はクビになるんじゃないかなと思っています。そんなことになったら私は彼と絶対結婚したい。彼には奥さんがいますが、息子を産んで2年後に育児放棄して海外移住。彼と彼の母親が息子を育てていたのに、非常事態宣言がされたタイミングで帰国してきた。そしたら奥さんにデレデレになっているみたいで…。今まで彼がしたくなると呼び出してもらっていたのに、それがぱったりとなくなっちゃったんです」

彼が守るのは家族であり、私ではない

美紀さんは別れを決意する。

「もうだめだと思いました。やっぱり奥さんが好きなんだ…って。彼って、自分の家族至上主義なんですよ。でも私だって、彼の言うことを聞いて、めっちゃ尽くしたのにな…。もう2週間も会っていませんが、せめて今は貸した50万円を返してほしい。まあそれはいいとしても、マスクはやっぱり欲しかったですね」

彼との別れは、誰かに評価されることを拠り所にしている美紀さん自身の人生を変えるきっかけになるのかもしれない。美紀さんがこのまま家庭に戻るのか、夫を捨てて離婚するのか、それは誰にも分らないけれど。

写真/(C)Shutterstock.com

Writer&Editor

沢木 文

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。

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