初めての出産の後、一冊の育児書を渡したら
長女が産まれたばかりの頃、いくつかの育児書を読みました。こんなに小さな命をどうやって守ろう?どうしたら健やかに子どもを育てられるんだろう?初めての育児で不安だった私は、ある時カヨ子ばあちゃん(久保田カヨ子さん)の本に出会ったんです。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ。そして、ちゃんと夫にもわかってもらわなきゃ!
そう思って、その本を「読んでみて」と夫に渡しました。
結局、子どもといっぱい遊ぶのが一番ってことでしょ?
それから数日経って、「ちゃんと読んでるのかな?」と思っていた週末。ランチを食べながら夫はなんだか楽しそうに言いました。「「俺もカヨ子ばあちゃんの本も含めていくつかの育児書を読んでみたけど、結局、子どもといっぱい遊ぶのが一番ってことでしょ?」
そうかな?そうなのかな?他にもいっぱいやることがあると思うけど、それで大丈夫かな?その時はちょっと腑に落ちなかったんです。
子どもが大きくなるにつれてわかってきた夫の価値
でも少しずつ、その意味がわかってきました。
長女が4歳、長男が2歳になったくらいの頃からでしょうか。「君たちが家にいるとママお片づけ出来ないから。ほら、外に遊びに行くぞ〜」と週末は必ずふたりを連れ出すようになったんです。
公園ではバトミントンやサッカー、縄跳び、木登りやB B弾拾いや鬼ごっこ。海では蟹取りや貝殻拾い、魚とり。夫はどこに行くにも大きな鞄いっぱいに遊び道具をつめて持っていきます。そして日が暮れるまで帰ってこない。よっぽど遊びに夢中なようで、私が途中で合流しようと電話をしても全く気づいてくれません(笑)。
ある時、「何でこんなに遊ぶのが上手なの?」って聞いたら「小さい頃友達と一緒に遊ぶ時は自分がいつも何をするか考える役割だったんだよ」って。
創造力のある子どもたちに育ってくれていると思います
次男が産まれてからは、家族みんなで遊べるキャンプにハマっています。キャンプでは誰が一番大きな虫が捕まえられるかを競ったり(一番大きな虫を捕まえると100円もらえる特典付き!)、子ども達が自ら焚き火を土台から作ったり、缶蹴りをしたり、アーミーナイフで木を削って尖らしたり。最近は大人の力がなくても、自分たちで遊びを開発しているんです。ひとつの遊びに飽きてもまた次の遊びを見つける事ができる創造力は、夫がよく遊んでくれているからだと思うんです。
とはいえ長男は新3年生。ゲームにも興味津々です。せっかくキャンプに行っても、親の目を盗んでスマホゲームをやりたがっている様子が見え見え。キャンプは家族ぐるみでお付き合いのある子どものお友達家族と行くことがほとんどなので、友達と一緒に通信のゲームをしたいんだそうです。
パパチームは子どもの味方。「自然の中でゲームするのがまた楽しいんだよな〜」なんて言って、いとも簡単にスマホを渡そうとするものだから、ゲームをさせたくないママチームとのにらみ合いが止まらない!
それでも、どこか心の奥で「そのうちゲームにも飽きるだろうな」と安心していられるのは、夫が身をもって自然との付き合い方を教えてくれているから。
成長に応じて興味が変化するのは当たり前。ただ、いつまでもこうして育んだ創造力は消えないものだと思うんです。
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モデル
牧野紗弥
愛知県出身。小学館『Domani』を始め、数々のファッション誌で人気モデルとして抜群のセンスを発揮しながら、多方面で活躍中。キャンプやスキー、シュノーケリングなど、季節に合わせたイベントを企画し、3人の子供とアクティブに楽しむ一面も。今年は登山に挑戦する予定。自身の育児の経験や周囲の女性との交流の中で、どうしても女性の負担が大きくなってしまう状況について考えを深めつつ、家庭におけるジェンダー意識の改革のため、身を持って夫婦の在り方を模索中。