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LIFESTYLE インタビュー

2020.05.24

元花組トップ娘役が退団後にしていたこととは…!?【仙名彩世さんインタビュー】

実力派のトップ娘役として花組で活躍してきた仙名彩世さん。前回の早霧せいなさんとの意外な繋がりを含め、気になることをうかがいます。

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早霧せいなさんと仙名彩世さんの意外な繋がり

心に迫る歌、しなやかでありながら揺るぎないダンス、感情が引き込まれるお芝居。圧倒的な実力と柔らかくも強い存在感でファンを魅了してきた、元花組トップ娘役の仙名彩世さん(愛称・ゆきちゃん)。首席入団できちんとしているという印象でしたが、コロコロと笑いながら話してくださる姿がかわいらしく、意外にもマイペース。インタビュー中は、独特な言い回しの「ゆきちゃんワード」も出てきました。

 

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前回ご登場いただいた早霧せいなさんとは同じ組に所属していたというわけではないですし(早霧さんは宙組→雪組、仙名さんは花組)、学年も離れていて(早霧さんは87期、仙名さんは94期)、男役と娘役。どんな繋がりなのですか?

仙名さん(以下敬称略):私の親しい同期が早霧さんと同じ宙組に所属をしていて、彼女からいつも早霧さんがどれだけ素晴らしい心を持っていらっしゃる方なのか聞いていました。そのつながりでお稽古場の廊下でお会いしたときなどにお話させていただいたり。

タカラヅカでは、卒業する時にお世話になった方や関わりがあった人に送る「白封筒」というものがあるんですね。卒業のご挨拶状なんですけど。それを、早霧さんがタカラヅカを卒業される際にくださって、そこに直筆で元気をいただける言葉があって…「心のある舞台が好きです、これからも応援しているから頑張って」と、それにものすごく感動したんです。これからどう進んでいこうかと自分の中でもがいていた時期だったので、その時にこのようなお手紙をいただいてとっても救われました。自分のいいところ思い出して、取り戻そうと前を向くことができました。

あとは、昨年、安寿ミラさんの『FEMALE』というコンサートに、共にゲストで出演させていただいた際、久しぶりにお会いしたのですが、美しかったですね。半端じゃないですね、あの透明感は! お心がとても素敵な方というのは、やはり私の中でずっと変わらないままありますし、早霧さんの舞台を拝見するととても清々しい気持ちになります。どこかでまたゆっくりお話させていただけたら嬉しいなと思っています。

退団後の生活、今後の目標

仙名さんは、『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』に出演、それから『ミス・サイゴン』への出演が決定と、今年本格的に始動された印象です。

(※『ミス・サイゴン』は公演中止)

仙名:昨年4月に退団してから11月に『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』(以下『シャボン玉』)のお稽古が始まるまでの半年くらい、舞台からはしばらく離れていましたね。(タカラヅカを)退団した後のことを在団中にはほとんど考えられなかったんです。私はきっとじっとしていられないだろうとは何となく予想していましたが。退団したら少し落ち着いて、「タカラヅカ生活、お疲れさまでした!」をしてから動き出そうと思っていました。実家でのんびり過ごしたり、今までなかなか会えなかった人に会いにいったり、自分なりにゆっくりと在団中にはできなかったことを少しずつ始めました。

車の運転も始めました。免許は持っていたのですが運転する機会がなくて、ペーパーのゴールドになってしまったから(笑)。家族を乗せてどこかに行けたらいいな、少しでも何か手伝いができたらなと思って、地元の、全然車が通らないような道を運転したりとか。ちょっとずつ新しいことを始めるのが楽しくて、そんなこんなしているうちにあっという間に時間が過ぎてしまっていたんです。

今までできなかったことをやりつつ、これから何をしようか考えられていたんですね。

仙名:そうですね。「どうなるんだろう…」というネガティブな気持ちではなく、「これから何があるんだろうな」と楽しみに考えていました。退団直後は、自分が何をしたいのかというのがはっきりとは見えていなかったので、初舞台となった『シャボン玉』のお稽古をしっかりとしつつ自分の方向性を見つけていこう、というキャンペーンをしていました(笑)。

そして稽古が進み、カンパニーのみなさんから良い刺激を受けるうちに、そろそろ本格的に動きたいという思いが徐々に生まれてきて…活動していくには自分ひとりでは何もできないなと思ったんですね。それからご縁があって今の事務所に所属させていただくことになりました。事務所の方々にはとても助けていただいていますし、素敵なご縁がたくさん広がっています。

お仕事に対してはどんな思いで臨んでいますか?

仙名:今この時にしかご一緒できない方々と創っている、ということを特に強く念頭に置きながら臨んでいますね。『シャボン玉』の千秋楽の日、カンパニーのみなさんとお別れした瞬間、今度いつ共演できるかわからないんだと、ものすごく寂しくなってしまったんです。在団中は同じ組内であれば基本的にずっと一緒だったので、これが初めてで。でもその分、また共演させていただけるように頑張ろう!という気持ちも生まれました。

それからは、限られた時間しか一緒にいられないみなさんと少しでも時間の共有をしたいなと思って、とにかくいろいろとお話させてもらっています。みなさんが、今までどんな経験をされてきて、ここにいらっしゃるのかすごく知りたいんですよね。そういったお話を聞くとワクワクして楽しくて。これからも共演者の方を知って学ばせていただき、常に新しいことを取り入れるのを怠らないようにしたいです。また、初めての現場に行くときはとってもエネルギーが必要なので、今は外出することもままならず公演を行うことも難しい状況ですが、新たに素敵な作品に出合えることを願って、エネルギーを満たしておきたいと思っています。

今後やってみたいことはありますか?

仙名:自分が旅行が好きだからなのですが、世の中が落ち着いて遠くへ行くことが叶うようになったら旅番組に出てみたいです。今まで行ったことのない新しいところに行ってみたいですね。でも、旅番組に限らずなんでも挑戦してみたい。気持ちを前向きに、今を過ごしていきたいです。


「ゆきちゃんワード」、わかりましたか? 実は何度か「○○キャンペーン」という言葉が出てきて、それを耳にするたびに心の中でこっそりクスッとしていました。しっかり者という印象だった仙名さんが、とってもチャーミングに感じた出来事です。

撮影/大靏 円(昭和基地) 文/淡路裕子

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女優

仙名彩世

せんなあやせ・12月3日生まれ、宮城県出身。2019年より“みやぎ絆大使”に就任。2008年に94期として宝塚歌劇団に首席入団、月組大劇場公演『ME AND MY GIRL』で初舞台を踏み、その後花組に配属。2013年花組バウホール公演『フォーエバー・ガーシュインー五線譜に描く夢ー』でバウ公演初ヒロイン。2015年シアタードラマシティ&日本青年館公演『風の次郎吉-大江戸夜飛翔-』で別箱Wヒロインを演じる。歌唱力の優れた人が担うエトワールは4度経験。2017年に花組トップ娘役に就任、大劇場公演『邪馬台国の風/Santé!!ー最高級ワインをあなたにー』でお披露目。2019年大劇場公演『CASANOVA』で退団。2020年『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』で本格的に舞台活動を再開。 
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