正しいことをしているのに生きづらい
物事やルールにひたむきに向き合うことができる真面目さは、子どもにとって大きな美点です。
しかし、真面目で素直な子ほど、大人や先生の言う常識や規則を絶対のものと思い込んでしまうことがあります。そして、その価値基準から外れている他人や、時には自分を批判してしまうのです。
「正しいことをしているのに、他人と仲良くできない」という状態の理由が分からず、息苦しさを覚えてしまいます。
「なんとかなる」と思える場所を
繰り返しますが「真面目」はとても尊い長所です。昨今は友達のあいだでも面白い子に人気が集まりがちなことから「真面目過ぎる」と言われる子は、劣等感を抱いている可能性もあります。
どんな性格や行動でも、「過ぎた」ことが一度もない人なんていないでしょう。「真面目過ぎ」である経験があっても「この子は真面目過ぎる…」と抽象的なレッテルを貼る必要はありません。真面目過ぎて困るなら、場面ごとにどうすればよいかを考えることが大切です。
また、真面目過ぎる子は「良い子でいると褒められる」という経験を「良い子でないと認められない」と変換していることがあります。ですから、真面目すぎる子には、特に普段の姿に愛情を伝えて、素の自分でいることに安心できるよう心がけてあげましょう。
子どもからの反応は特になくても大丈夫。家庭にいるときだけでも「きちんとしていないと不安」な状態から、「ありのままの自分でいい」と思えるようになればいいのです。
すると「自分は大丈夫、なんとかなる」という自己肯定感や柔軟性が生まれてきます。そこからは真面目な子のことですから、ぐんぐんと活躍の場を広げて行けることでしょう。
「真面目過ぎる」を英語で表現すると
「真面目過ぎる」人は世界中にいます。英語で表現するとどうなるのでしょうか。
英語ではこんなとき「serious」を使います。「serious」は「真剣な」という意味もあるのですが、人に対して用いるときは「真面目過ぎ、気難しい」というニュアンスです。また、頭のかたい四角四面の人には、英語もそのまま「square(四角)」という単語を使います。
・He’s too serious and inflexible.
(彼は真面目過ぎて融通がきかない人だ)
・My father is square.
(うちのお父さんは頭がかたい)
▼あわせて読みたい
真面目過ぎるあなたにおすすめの本3選
今夜はリラックスして読書をしてみませんか?世の中には「真面目過ぎる」ことで悩んでいる人がたくさんおり、そんな人の助けとなるような本も出ています。「真面目過ぎる」あなたにちょっと視点の変わるおすすめ本をご紹介します。
『身勝手な世界に生きるまじめすぎる人たち
罪悪感を手放して毎日をラクにする方法』
著者は様々な人の話に耳を傾けてきた牧師であり心理療法士。「罪悪感を手放して毎日をラクにする方法」という副題のとおり、世の中になにか悪いことが起こると自分ごとのように罪悪感を持ってしまう真面目すぎる人へ向けて書かれた本です。
『マジメすぎて、苦しい人たち』
ストレスクリニックの院長が著した本書。「いい人」「真面目な人」ほど苦しくなる現代社会を、精神医学や適応障害などの観点から解説します。真面目過ぎて疲れてしまった人がどう生きるかの処方箋です。
『人に頼む技術 コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学』
真面目過ぎてやるべきことがいっぱいの人は、まず他人を頼ることを覚えたいもの。米国コロンビア大学の心理学博士が、最新科学をもとに必要なときに人に助けてもらう考え方やテクニックを解説している本です。
真面目過ぎる自分を認めてリラックスしよう
「真面目」は誇るべき美点です。自分は「真面目過ぎる」と真面目に思い詰めすぎると、しんどくなってしまうでしょう。「真面目過ぎる」ところも個性のひとつ。少し肩の力を抜いて、自分も他人も労わる気持ちをもつことができれば、毎日が少し明るくなるかもしれません。
イラスト/(C)Shutterstock.com
▼あわせて読みたい