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2021.04.10

【たその頭の中を大解剖!】愛される元タカラジェンヌ・天真みちるさんは今なにを愛してる?|vol.2

 

幸せすぎてマスクの下では毎日ニヤニヤ。
『エリザベート・スペシャル・ガラ・コンサート』お稽古場裏話

『エリザベート・スペシャル・ガラ・コンサート』のお稽古はいかがでしたか?

天真:正直言うと、毎日がウハウハです(笑)。今はお稽古場に水(夏希)さんと瀬奈(じゅん)さんがいらして、おふたりのトート(主演の役)が全然違うんですよ。楽譜の音ひとつひとつを緻密に組み立てていかれるのが水さん。例えば楽譜にないようなアドリブの音も計算され尽くされていて、水さんにしかできない歌い方をされるんです。ご自身でロジカルに考えられて表現されているから、きっと人に教えたり導いたりするのがとても上手だと思います。瀬奈さんは、前奏がかかったとたんにトートがバンッと降りてきて稽古場中を圧倒する感じ。ある意味、感覚や勘なんだと思うんですよね。私はこの先、たぶん(役替わりの)全トートとお稽古場でお会いすることができるので、元トップさんひとりひとりがどんなアプローチをされるかをみることができてめちゃくちゃ勉強になりますね。大袈裟ではなく、毎日震えるほどの感動をいただいています。全てのトートと関わった革命家(役)として、これは書き残してお伝えしたい。「稽古場日誌」みたいなものを書きたいですね。

今回、自分が在団中にはご一緒できなかった世代のスターさんとも関わることができ、「この方はこの時のトップさんの歌唱法を引き継いでいるのかな」とか「この方の感じだとお手本にしていたトップさんはあの方だったのかな」とかファン時代の答え合わせ的なこともできて、本当に楽しいんです。「このクロニクル、すごすぎる」と胸がいっぱいで。宝塚100周年の時にも思ったのですが、カッコよさに少しずつ違いがありながらも、ずっと守ってきた軸みたいのがある。その歴史は大河ドラマにできるほどだと思うんですよ。この感動をちゃんと人に伝えられるような表現力がほしいな。

そうそうたる出演者ですもんね。

天真:タカラヅカの『エリザベート』は想定外のことが起きても対応できるように、代役を立てるんです。代役でも完璧にして、稽古場では代役通しもあります。2014年の花組エリザの時のトートの代役が望海風斗さんで、フランツが鳳 真由さんだったんですよ。私はマックスの代役として一緒に演じていて、「この配役が日の目を見ないなんてもったいないな」と思っていました。

宇月 颯さんは2009年の月組エリザの新人公演でルキーニを演じられていて、ものすごくカッコよかったんです。そんなみなさんが今回観られるのはすごいこと。明日海さんのシシィも、「もぅ、どうしたらいいの…(嬉)」って感じですよね。…私、心臓もたないな。明日海さんにはキャストが発表された途端に怖いくらい長いメールを送っちゃいました(笑)。稽古場では、ファン時代に憧れていた稔幸さんが目の前に現れ、格好良すぎて、どうしたら良いかわかりませんでした。「マスクしていてよかったー」と思うくらいデレデレしちゃって。ツェップス役として歴代のトート閣下と握手する場面なんて、「握手していいんですかー!?」って気持ちで、昨日なんて握手する前に無意識に手を拭いちゃったし。歴代トートを演じてこられた方々なので、“最後のダンス”のシーンとか前奏が鳴った瞬間に即トートが降臨するんですよ。それを目の前で見られて「はうーーーー(身悶え)」みたいな(笑)。近年のツェップス役の方がまだみなさん在団中なので、私が全公演を独り占めしているんですよ。

私は今、とても幸せです…。幸せなので徳を積むためにいっぱい募金とかして…、慈善事業に力を入れて生きていきたいほどです(笑)。


「新しいカッコよさ」が生まれていることは、花組に14年間所属し、花男のひとりとして芸を磨いてきたからこその視点。そして、最後の方は壊れ気味の天真さんでした(笑)。『エリザベート・スペシャル・ガラ・コンサート』のお稽古がとてつもなく楽しくて、充実していていることが伝わってきたので、ほぼそのままの言葉で伝えさせていただきました!

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▶︎初書籍上梓!『こう見えて元タカラジェンヌです』を書いた天真みちるさんを直撃インタビュー|vol.1

撮影/石野千尋 文/淡路裕子

【Information】
『こう見えて元タカラジェンヌです』(3月31日発行 左右社刊/¥1,700+税)

清く正しく……おもしろく!? 100年以上の歴史を持ち「清く、正しく、美しく」をモットーに女性たちが歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、角刈りの車引き・モヒカンのチンピラ・麻薬密売人などクセの強いおじさん役で唯一無二の存在感を発揮した名コメディエンヌ「たそ」の姿があった…。一次敗退の翌年のタカラヅカ合格、先輩スターに囲まれ興奮の入団と次々にのしかかる試練、奇跡のSMAP×SMAP出演で「タンバリン芸人」になったエピソードなど、音楽学校入学から宝塚歌劇団卒業まで15年の月日をコミカルに描く。「宝塚に新ジャンルを築いた」と言われた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。
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クリエイター

天真みちる

てんまみちる/11月18日生まれ、神奈川県出身。2006年に92期生として宝塚歌劇団に入団し、宙組大劇場公演『NEVER SAY GOODBYE』で初舞台。男役として花組に配属され、老若男女幅広い役を演じる。また、タンバリン芸でも注目を集める。2018年10月花組大劇場公演『MESSIAH―異聞・天草四郎―/BEAUTIFUL GARDEN―百花繚乱―』退団し、11 月に株式会社ミキサーへ、企画・クリエイティブ・余興芸人として入社。現在はフリーで活動しており、朗読劇やイベントの企画・脚本・演出を手掛けるかたわら、自身もMCや余興芸人として出演している。4月開幕の『エリザベート・スペシャル・ガラ・コンサート』への出演が決定している。愛称は「たそ」。
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