命あるものすべてを最後まで愉しみ、そして自然に還す
東京・渋谷駅から徒歩7分、キャットストリートの裏手に位置するTRUNK(HOTEL)で、3月22日〜4月7日まで開催されている「Flower Compost ~ Plant the Circle of Nature ~ × SOCIALIZING FLOWER MARKET」。
これは、等身大の社会貢献「ソーシャライジング」を掲げているTRUNK(HOTEL)が主催する「SOCIALIZING FLOWER MARKET(ソーシャライジング フラワーマーケット)」とプランツディレクター/植物研究家であるMIKIKO KAMADA氏の初のコラボレーションによる、「フラワーコンポスト」の参加型アートインスタレーション。今回展示されている「フラワーコンポスト」の作品は「SOCIALIZING FLOWER MARKET」で発生した在庫のロスをはじめ、店頭に出すことのできなかったお花や装花に使われなかった茎や葉など、本来破棄されてしまう素材を利用して制作されたものです。
▲ TRUNK(HOTEL)のパブリックテラスで開催されている「SOCIALIZING FLOWER MARKET」に並ぶ花たちは、館内で行われるウェディングやイベント装飾で使用した通常では破棄されてしまう状態のよい花たち。これを来店する人の好みや花の大きさに合わせてブーケにし販売しています。(現在は不定期開催)
▲ そして今回は、購入した花がしおれたらこのフラワーコンポストの瓶の中に追加することで、循環のプロセスに参加することができるというもの。瓶の中身は最終的にTRUNK(HOTEL)の植栽の肥料となる予定です。
私も参加してきました!
〜 花を購入してからコンポストするまで 〜
マーケットでブーケを見繕ってもらいました
▲ 私がお願いしたのは立派な胡蝶蘭を中心とした組み合わせ。これで500円。マーケットには多くの人が列を成していました。
DAY 1
▲ 帰宅後、うちで飾っていたポピーと共に。こんなにたくさん種類の異なる花をひとつの花瓶に生けてみたのははじめてでした。
DAY 3
▲ 水を換えて、茎先を少し洗って切って、風通しのいいところに置いて。それぞれが最後の力を振り絞り咲き乱れています。
DAY 7
▲ コンポストにもって行く日の朝。胡蝶蘭とアランセラの生命力!
▲ 胡蝶蘭とアランセラ、そしてこの日までにしおれた花すべてを袋にまとめ、いざコンポストへ。
花をフラワーコンポストに投入
▲ 陰陽をイメージしてつくられた2色のフラワーコンポスト。ベースは微生物の活動を促進するための寒天培地。右の紅いほうにはビーツの色素が入っているのだそう。初日に見てから8日が経過、すでに多くの花が投入されていて、腐敗分解のほうも随分進んでいました。
▲ わが家に7日間飾った花たちをフラワーコンポスト内に。瓶の蓋を開けるとぷぅんと上がってきたのは、南国の果物が熟しきったようなにおい。「微生物となかよく、ゆっくりと肥料になってね!」
▲ 花の投入が終わったら、瓶内で変化がなくなるまで2〜3ヶ月放置。分解後はコンポストの基材に混ぜて堆肥化。最終的には、TRUNK(HOTEL)の植栽の肥料として活用予定なのだそう。そこからまた新しい命が生まれることに。
一連の流れを体験してみて思ったこと
1度目は装花として、2度目は観賞用として、3度目はアートとして、そして4度目は肥料として。まるで花の一生をを見れたような気持ちになりました。
今、「花」を暮らしに取り入れる人が増える中、生け終わった花をドライフラワー以外で活用したいと思っている人は多い気がします。
このフラワーコンポストのような取り組みが増え、日常に存在する「循環」を子どもも大人もより身近に感じることができるようになれば、それは人々の心を豊かにすることに繋がるのではないでしょうか。
次回後編では、この展示に至ったきっかけをこの参加型アートインスタレーションを手掛けたのMIKIKO KAMADA氏に伺います。
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official