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「おかげさまで」の意味と語源を解説?
「おかげさまで」は、感謝を意味する言葉です。語源は「神仏的な加護や助け」からきています。また漢字では「お陰様で」と表記。ここでは「おかげさまで」について、その意味と語源などを解説します。
■「おかげさまで」は感謝を意味する
「おかげさまで」は、ほかの人から助けや援助を受けたときに、感謝を伝える場合に使います。直接的に特定の誰かに伝えるのではなく、普段、自分の周りにいる人に「皆様のおかげで物事がうまくいきました」といったニュアンスで使うことも多いでしょう。
たとえば、ビジネスにおいて「おかげさまで、創業50周年を迎えました」という言葉は、特定の誰かではなく、50年という長い間に関わったすべての人に感謝を伝えているのです。
このように「おかげさまで」の対象は、特定の個人のこともあれば、もっと幅広い大人数のこともあり、使う場面で異なります。
■語源は「神仏的な加護や助け」から
「おかげさまで」は、「神仏的な加護や助けを受ける」という意味の「お陰」に「様」が付いた仏教的な言葉が語源です。
もともとは、「加護を与えてくれる神仏」への感謝を表していましたが、長い間に「他人からの助力や援助、恩恵」への感謝も意味するようになったのです。
現在では、挨拶代わりに気軽に使います。たとえばビジネスにおいても日常生活のなかでも、「お元気ですか?」に対して気軽に「おかげさまで」と返すことは珍しくありません。この場合は、「元気です。ありがとう」といった軽い意味を表しています。
■漢字では「お陰様で」と表記
「おかげさまで」は、漢字で書くと「お陰様で」または「御陰様で」のいずれかです。しかし、一般的には、ひらがなで表記されることが多いでしょう。
「おかげさまで」を使う3つの場面と例文
「おかげさまで」は、「人に何かをしてもらったとき」や「物事がうまく進んだとき」、また「挨拶の返事」として使います。この3つの場面での使い方と、例文をご紹介しましょう。
1. 人に何かをしてもらったときに使う
日常会話で「おかげさまで」を使うのは、人に何かをしてもらったときです。特別な配慮やお世話をしてもらったときに、感謝の気持ちを込めて「おかげさまで」と伝えます。
お世話になったときには「ありがとうございました」よりも、「おかげさまで、ありがとうございました」のほうが、「あなたのお陰です」というニュアンスが強くなります。人に何かをしてもらったときに「おかげさまで」を使う場合の例文をいくつか挙げましょう。
【例文】
・おかげさまで、一番下の娘が成人を迎えることができました。大変お世話になりました。
・おかげさまで、無事に退院することができました。
・おかげさまで、第一志望校に通りました。
2. 物事がうまく進んだときに使う
「おかげさまで」は、物事がうまく進んだときにも使います。特定の誰かにお世話になったわけではなく、日頃からの周囲のサポートに対して「おかげさまで」と使うことも多いでしょう。たとえば、プロスポーツ選手が優勝したときのインタビューでは必ずといっていいほど「おかげさまで、今回優勝することができました。ありがとうございました」とお礼を述べます。
本人の努力あっての優勝ですが、見えないところで応援してくれているファンや、普段から身の回りの世話をしてくれている人全般に対して「おかげさまで」と感謝を述べるのです。この場合も、「優勝」イコール「物事がうまく進んだ」ときの「おかげさまで」となるでしょう。
「おかげさまで」と感謝する姿は、謙虚で周りの人に好印象を与えます。ビジネスシーンでも、日頃から「おかげさまで」と感謝を伝えると良い印象を持ってもらえるでしょう。
【例文】
・おかげさまで、進めていたプロジェクトがやっと軌道に乗りました。長らくのサポートを心より感謝いたします。
・おかげさまで、創業30周年を迎えることができました。
・おかげさまで、わが社も来年、上場を果たすことができそうです。
3. 挨拶の返事として使う
「おかげさまで」は、挨拶の返事としても使います。「お元気ですか?」「最近、調子どうですか?」と聞かれた場合、「おかげさまで」と軽い返事として使えます。
また、とくに体調を気遣ってもらった場合など、「おかげさまで、回復してきています」と、現在の自分の体調や状況を付け足して答えてもいいでしょう。 挨拶の返事として使う場合の例文をいくつかご紹介しましょう。
【例文】
・「最近の調子はいかがですか?」
「おかげさまで、日に日に元気になってきました」
・「ずいぶんとお元気になられて。良かったですね」
「おかげさまで。その節は本当にお世話になりました」
「おかでさまで」を使うときの4つのポイント
「おかげさまで」を使うときは、次の4つのポイントに注意が必要です。
1. 敬語なので目上の人に使ってもOK
2. 文頭に使う
3. ネガティブな内容には使わない
4.「おかげで」とは異なる
普段から使っている馴染み深い言葉のため、今一度確認してみてください。
1. 敬語なので目上の人に使ってもOK
「おかげさまで」は敬語のため、目上の人や上司に対しても使えます。仕事でお世話になった上司や取引先の人に、「おかげさまで、無事契約を締結することができました」とお礼を伝えるような場面でふさわしい言葉です。
ビジネスでは、同僚同士、また取引先同士、お互いのサポートが欠かせません。常に「おかげさまで」の気持ちを持ち、周りの人や上司への感謝を忘れないようにしましょう。
2. 文頭に使う
「おかげさまで」は、文頭に使います。「おかげさまで」と似た言葉に「おかげで」がありますが、「おかげで」は文中に使う一方、「おかげさまで」が使えるのは文頭だけです。
たとえば、「〇〇先生のおかげで、志望校に合格できた」と言えますが、「〇〇先生のおかげさまで、志望校に合格できた」は不自然でしょう。
3. ネガティブな内容には使わない
「おかげさまで」は、ネガティブな内容には使いません。基本的に、感謝の気持ちを伝える言葉です。ただし、あえてネガティブな内容を続けて皮肉や嫌味を伝える場合があります。
たとえば、「おかげさまで、昨日は徹夜でした」というような表現です。仲の良い友達同士であれば、コミュニケーションのひとつとして笑い話ですみますが、ビジネスシーンでは使わないように気をつけましょう。