長距離フライト中、休憩前に必要なとある作業
アメリカ、ヨーロッパやオセアニアなど、飛行時間が8時間を超える路線では、食事のサービスが終わり次第、CAたちも順番に休憩を取ることになっています。
乗客の人数、客室の状況、飛行時間などにもよりますが、休憩時間は2時間弱から長いときは5時間を超えることも。
多くの大型機には、簡易ベッドがいくつか設けられたクルーバンクと呼ばれるスペースがあり、CAたちは自分の番になるとその小さな部屋の中で静かに休憩を取ります。
そしてこの休憩時間に入る前、他の人よりひと手間余計にかかるのが「隠*形眼鏡 (Yǐn xíng yǎn jìng)」をつけている人たち。(*台湾では「隱」という字の方が一般的)
中国語で「隠形眼鏡 (Yǐn xíng yǎn jìng)」は「コンタクトレンズ」という意味
安全上の理由により機内では眼鏡をかけての乗務ができないため、視力が悪い人は「隠形眼鏡 (Yǐn xíng yǎn jìng)」をつけて仕事をします。
中国語で「隠形眼鏡 (Yǐn xíng yǎn jìng)」とは「コンタクトレンズ」という意味。“隠して見えない眼鏡” で「隠形眼鏡 (Yǐn xíng yǎn jìng)」。狙ったわけでもない普通な言葉にユーモアのセンスを感じてしまうのは私だけでしょうか。
そして機内ではこの「隠形眼鏡 (Yǐn xíng yǎn jìng)」の脱着が意外と大変。5〜10%前後という異様に低い湿度のせいで眼球にコンタクトが貼りついて取れなくなってしまったり、装着時にもたつき水分の蒸発が進んだせいで、コンタクトの外側にシワが寄ったり破れてしまったり (涙)。当時コンタクト着用者だった私もいくつかボツにしてしまった苦い思い出から、使い捨てを少し多めにもち歩くようにしました。
そして休憩時間が終わり、「いざ新しいコンタクトをつけにお手洗いに!」とクルーバンクのドアを開け裸眼で暗い客室に出た瞬間に限って、乗客からリクエストを受けたりするのです。
そんな事情を不便に感じたこともありCA生活6年目のある日、私はコンタクトを必要としない生活を求め、ある決断を下したのです。
【続】
▼ あわせて読みたい記事
ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official