発売中のOggi10月号に初出演、声優・鈴村健一さんの未掲載インタビューを公開します!
仕事に家事に育児に、毎日頑張っている女性のみなさんに、日々の疲れを忘れるようなご褒美を…! そんな想いでスタートした、WEB Domaniによる大人の男性声優へのインタビュー連載『女は耳から恋をする』。今回の耳恋は、女性誌『Oggi』とのコラボ企画。現在発売中のOggi10月号に掲載している撮りおろしポートレートやインタビューですが、未収録のものを含んだ、より詳しい内容を、こちらのWEB Domaniで紹介しています。
▲Vol.01に引き続き、誌面に掲載しきれなかったアザーカットも掲載! 今回の撮影では「AD-LIVE」にちなみ、くじで引いた小道具を使って即興でポージングするという無理難題に挑んでくれた鈴村さん。その“ポージングの瞬発力”にもぜひ注目を。
『AD-LIVE』(アドリブ)ってどんなイベント?
ここで改めて、『AD-LIVE』というイベントについて説明を。即興劇『AD-LIVE』とは、事前に決められている大まかな世界観と舞台上で起こるいくつかの出来事をのぞき、出演者のキャラクター(役)も、セリフも、すべてアドリブによって紡がれる即興劇。キャストは肩からさげる“アドリブバッグ”の中から好きなタイミングで“アドリブワード(一般公募で集められたら様々な言葉)”を引き、それをセリフに入れこみつつ、物語をエンディングへと進めていかなくてはなりません。幕が上がるまで、いや、幕が上がってからもなお、ラストシーンがどうなるか分からない。そんな“奇跡”ともいえる舞台を毎年作り上げているのは、総合プロデューサーの鈴村さんを始めとする、人気声優の面々。瞬時にセリフを紡ぐ頭の回転の速さ、どんな状況でもそのキャラクターになりきる演技力、そして想像力、時にはアクシデントを笑いに変えるユーモア。「声」ひとつで全てを表現する――。声優という職業のそのスキルの高さを目の当たりにできる、それが即興劇『AD-LIVE』なんです。
『期待に応えて予想を裏切る』、それがエンタメには絶対必要!
2008年に鈴村さん自身が企画し、年々規模を拡大、今では多くのファンを抱える人気即興劇『AD-LIVE』。自らが育て上げた一大コンテンツについての想いをまずは伺いました。
「今の気持ちで言うと、“腰痛大爆発”ですね! それぐらいいつ爆発してもおかしくないぐらいのものを抱えて毎年挑んでいるんですけど。ただ、毎回いい感じに爆発してくれているので助かっています(笑)」
と、話し始めた鈴村さん。そう、実は、今回のインタビューは『AD-LIVE』の舞台上さながらに、“アドリブワード“を引きながら行われたんです。引かれたワードについては、赤字で表記していくので、ぜひ鈴村さんの「アドリブ力」と共にお楽しみを!
「10年以上も続けられているのは、本当にありがたいです。始まりは、僕と今もいるスタッフのひとりと、2人で始めたような、小さな企画だったんです。当時、WEBテレビ番組をやっていたんですが、番組内でドラマCDを作ろうという話になり、その宣伝施策として計画したイベントが“即興劇”でした。普通、宣伝イベントってフリートークをしたり、ゲームなどのバラエティをしたりすることが多いのですが、もっと新しいことにチャレンジしたい、来てくれたお客さんをビックリさせたい! という想いで始めたのがこの『AD-LIVE』なんです。内容についての事前告知もなく当日を迎えたものだから、幕が上がったらいきなり舞台セットが置いてあるのをみて、お客さんがみんなザワザワしていましたね。そこから90分間、一切トークを挟まずに、即興で芝居だけを見せたんです。終わったら最後に大拍手が起きて、そこで初めて、実はすべて即興でした、ってネタばらし。そしたらより一層の拍手が巻き起こって…。それが全ての原点なんです。その時は岩田光央さんと櫻井孝宏くんのふたりに出演してもらったんですけど、これをもっと大きくして、色んな人に出てもらいたい!と、年々トライし続けていたら、気づけば10年以上続いていました。思い返すと、いろんな想いがありますね。関わってくれた方々への感謝とか、あのとき、これはビックコンテンツになる、と確信した自分を褒めたい気持ちとか(笑)」
▲実は、『AD-LIVE』は20歳の時に思いついた企画だったそう。「その時はまだ売れてもないし、誰も僕の企画なんか耳を傾けてくれないくらいの貧乏人が、『いつかやってやるぜ』って温め続けていた企画が、15年後やっと実現した、それが『AD-LIVE』なんですよ」。
若き日の夢を叶え、さらに大きく育て続けている鈴村さん。そんな彼がいつも心がけているのは、「観客の期待を超えつづけること」。
「企画を考える時に頭にあるのは、観客を驚かせたい、という想い。これは僕の中でのエンタメの基本。『期待に応えて予想を裏切る』というのが、エンターテイメントには絶対必要な要素だと思っているんです。そしてもう一つ大事にしているのが、お客さんが参加できるかどうか。『AD-LIVE』で言えば、“アドリブワード”ですね」
舞台上で演者が持つアドリブバッグに入れられる“アドリブワード”。物語を紡ぐ上で重要な役割を持つこのワードは、公演前の一般公募により集められたもの。自分が考えたワードが物語の流れを変えたり、大事なシーンを盛り上げたり…。観ているだけでは味わえないワクワクも詰まっているのが、『AD-LIVE』の魅力のひとつ。「お客さんもステージの1人、演出家の1人だと言ってもいいかもしれないですね」
▲そこで、ふと「アドリブワード」を引いた鈴村さんが手にしたのは、「歯が抜けた」。最近歯医者に行こうと思っていて…と即座に自身の近況に話を転じた鈴村さんは、一拍おいた後に、「アドリブワードを使ってインタビューすると言うことは、こう、なりますよ?」と楽しげにインタビュアーに念押し(笑)。このカオスっぷりこそ、『AD-LIVE』の醍醐味ですから、大歓迎です!
即興劇だからこそ活きる設定。今年の『AD-LIVE』は初の二幕構成!
10年以上続いている長寿イベントとはいえ、毎年「テーマ」や「構造」を必ず変えるのも、鈴村さんのこだわり。
「『AD-LIVE』は同じフォーマットやテーマ、構造を何年も使える企画なんですよ。なんせ全部アドリブだから、やる度に中身が変わるので。だから、そのテーマや構造自体は変えなくていいのでは、という意見があったりもします。出演常連である森久保(祥太郎)くんには、『スズは本当に毎回色々変えてくるよね』とよく言われます。それは、少し呆れた気持ちもありつつ、僕らしいと言ってくれているようで、なんだかんだで応援してくれているんだと思っています。そんな出演者からの期待にも応えたい、だからこそ、全てアドリブというフォーマットは変えないけれども、テーマや構造自体は毎回変えるというのを心がけています。これを考えるのが毎年すごく大変なんですけどね(笑)。ただ、やり続けるのは意味があると思っているんです」
…と、ここでまたアドリブバッグに手を伸ばす鈴村さん。
「でないと、お客さんが毎回同じものを観てしまうことになりますし…そんなことになると『こむら返り』しますよね。同じ運動をずっと続けているとこむら返りをするわけですよ。だからバランス良くいろんな運動をしたほうがいい。それと同じで、『AD-LIVE』も、バランス感覚を大事にしたいなって思っているんです」
そんな鈴村さんこだわりの「テーマ」ですが、今年は『if~建前と本音~』。第一幕では〝建前〟、第二幕では〝本音〟を演じるという、シリーズ初の二幕構成。
「『AD-LIVE』は即興劇なので、同じ設定でもう一回同じものを演じるとなると、絶対に違うことが起きるんです。それが何故変わったのか?に明確な理由を持たせたいと考え、『建前と本音』というテーマをつくったんです。誰もが一度は想像するであろう、“あの時こうしておけばよかった”という『if』の世界を、舞台上でやってしまおう、というわけですね。観てくれている人も共感性が高いテーマだと思います。さらに、一幕と二幕を連続で観られるというも今回のミソ。一幕は建前を演じてもらうんですが、それを見た上で、二幕を観ると隠れていた本音が分かるように、うまくリンクするように作ってあるんです。一幕で観たものがベースになって、二幕でビックリする展開というのが生まれるように構成されています。これはもう、『AD-LIVE』だからこそできる仕掛けなので、是非観ていただきたいです」
▲「今年の『AD-LIVE』、観ないと…損やで!『そやな』!」
そんなテーマ「if~本音と建前~」にひっかけ、こんな質問も。鈴村さん自身が“あの時こうしていたら”と思うことはありますか?
「そうですね…僕は今、声優の仕事をやっていて、この仕事が大好きなので辞めたいとは言わないですけど、ただ、やっていなかったらよかったかも、と思う瞬間もあります。というのも、声優って、東京にいないと仕事が出来ないんですよ。だけど今は世の中の状況が変わって、リモートワークが出来て、それによって郊外に移住する人も増えていますよね。実は、ずっとキャンピングカーが欲しくて…。定住しない暮らしにすごく憧れがあるんですよ。それも少し前までは奇異な目で見られたような生き方だったかもしれないけれど、多様化が認められてきた今なら、そんなこともない。昔からずっとこの暮らし方をしたいと思っていて。やっと時代が僕の願望に追いついたのに、それが叶わない。その足かせが声優の仕事なんですよね(笑)。だからもし別の職業だったら、今頃とんでもない風来坊になっていたかもしれないです(笑)。叶うなら、その世界線の自分に会ってみたいなと思います」
「自分をここにつなぎ止めているのは、声優という仕事」。残念そうな言葉とは裏腹にとても楽しそうに話してくれた鈴村さん。最後に、『AD-LIVE』の魅力を“一言で”教えてください、とのお願いには、ここぞとばかりにアドリブワードを引いて答えてくれました。
「『AD-LIVE』の魅力を一言でいうと、『おかえり』。フォーマットは常にブレないので、リピーターの方々には文字通り『おかえり』という気持ちです。そして初めて観た方も不思議なものでどこか懐かしいような、あったかい空気を感じてもらえると思います。演劇っていうとハードル高く捉える方も少なからずいて、結果、観たことがないという人も多いと思うんです。そういう方には特におすすめ。半分イベントで、半分演劇、というような、絶妙にフランクなコンテンツなんですよね。家の玄関を開けるような気楽さでステージを観ることが出来る…。まさに『おかえり』という気持ちで観られるのがこの『AD-LIVE』です!」
そのアドリブ力で、見事に、そして説得力たっぷりに『AD-LIVE』の魅力を伝えてくれた鈴村さん。そんな鈴村さんの熱い想いが詰まった、即興劇『AD-LIVE 2021』は、ライブ・ビューイング含め、各プラットフォームでライブ配信されています! 見逃し配信もあるので、お目当ての公演が今からでもチェックできますよ。あなたも奇跡の舞台の目撃者になりましょう!
★鈴村健一さんスペシャルインタビューVol.03は9月17日にアップ予定!こちらも引き続きチェックしてくださいね!
奇跡の即興劇「AD-LIVE」をライブ・ビューイング&ライブ配信でも楽しもう!
事前に決められている大まかな世界観と舞台上で起こるいくつかの出来事をのぞき、出演者のキャラクター(役)も、セリフも、すべてアドリブによって紡がれる——声優・鈴村健一が総合プロデューサーをつとめる唯一無二の舞台劇「AD-LIVE」。今年のテーマは「if~建前と本音~」。日本のホテル王だった叶夢之助が創設した謎多き会社・夢之助本舗を舞台に、1幕では〝建前〟、2幕では〝本音〟を演じる本シリーズ初となる2幕構成での上演も注目ポイント。豪華人気声優・総勢13名が出演する2021年の「AD-LIVE」は、全公演をライブ・ビューイング&ライブ配信! 映画館の大スクリーンやあなた好みの環境で「AD-LIVE」の世界を堪能して。
■ 「AD-LIVE 2021」
2021年9月4日(土)・5日(日)
東京都 J:COMホール八王子
<出演>
9月4日:木村 昴、杉田智和 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
9月5日:諏訪部順一、吉野裕行 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
2021年9月25日(土)・26日(日)
埼玉県 三郷市文化会館
<出演>
9月25日:畠中 祐、八代 拓 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
9月26日:榎木淳弥、森久保祥太郎 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
2021年10月9日(土)・10日(日)
大阪府 メルパルク大阪
<出演>
10月9日:下野紘、前野智昭 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
10月10日:蒼井翔太、安元洋貴 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
『AD-LIVE』公式HPはこちら
『AD-LIVE 2021』 ライブ・ビューイング&ライブ配信の詳細はこちら
©️AD-LIVE Project
ジャケット¥88,000・パンツ¥46,200・チーフ¥7,150(ウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレ〈1PIU1UGUALE3〉) ニット¥30,800(Sian PR〈CULLNI〉) カットソー¥12,100(ガラアーベント〈GalaabenD〉) その他/スタイリスト私物
声優
鈴村健一
すずむら・けんいち/9月12日生まれ。テレビアニメ『マクロス7』モーリー役で声優デビュー。『銀魂』沖田総悟役、『おそ松さん』イヤミ役、『銀河英雄伝説 Die Neue These』ヤン・ウェンリー役、『バクテン‼︎』陸奥洋二郎役、『MARS RED』スワ役など数多くの人気作に出演。
イラストレーター
奥田直子
広告代理店、エディトリアルデザイン事務所、ステーショナリーメーカー勤務を経て、2018年に独立。男の子のイラストを得意としている。代表作は「イケメン付箋©︎日本ホールマーク」。デザイナーとしても活躍している。著書に女子栄養大学栄養クリニックとコラボした『教えて!栄養素男子』(日本図書センター)がある。Twitterアカウント:@naokokudawork
撮影/三宮幹史(TRIVAL) スタイリスト/村田友哉(SMB International.) ヘア&メイク/坂本沙織(アートメイク・トキ) 撮影協力/EASE、PROPS NOW 構成/旧井菜月、福本絵里香