今日から使える「行雲流水」の会話例文6つ
「行雲流水」は物事に執着せず、ありのままを受け入れる人間性について話す際によく用いられる言葉です。また、「行雲流水」は心得や座右の銘としても人気があるため、誰かを諭すような時に使われることも。まだ使ったことがないという人は早速今日から使えるよう、例文をもとに理解しておきましょう。「行雲流水」が使えるシーンを、ビジネスシーン編と日常編に分けて紹介します。
ビジネスシーン編
ビジネスシーンにおける「行雲流水」の使い方の特徴は、誰かにアドバイスをしたり、誰かを賞賛したりする場合に用いられることです。
例文
・彼女とても行雲流水な人だ。提供するサービスの形やあり方を、相手に合わせて変えることができる。
・仕事が行き詰る事はよくあること。そんな時は行雲流水で、肩の荷を下ろしてみるといいよ。
・行雲流水。こだわり過ぎずに進めば、きっと何かが見えてくるはずだよ。
日常編
日常生活でもビジネスシーンと同様に、人の性格を説明したり、格言として用いたりといった用法が多いです。また、自分の意見が無く周りに流されている人を「行雲流水な人」と表現するような、マイナスな意味での使い方もされているようです。
例文
・社会人になったら、周りと上手くやっていくためにも行雲流水を心掛けよう。
・彼はとても行雲流水なので、なかなか意見がまとまらず振り回されている。
・行雲流水な彼女は、莫大な富を得たにも関わらず、以前と変わらない暮らしをしているらしい。
「行雲流水」を生活に取り入れる2つの禅的心得
「行雲流水」としばしば関連付けて語られるのが、利己的な考えを捨て、穏やかに暮らすことを目指す禅の考え方です。禅の修行者は「雲水」と呼ばれ、その由来は流れる雲や水と同じく、1カ所にとどまらずに諸国を渡り歩く、行雲流水な禅僧の姿から来ています。次の2つの心得を知る事で、行雲流水な生き方に近づけるはずです。
利己的な考えを捨てる
禅の考えには、自分よりも他の人の立場になって物を考える「慈しみ」の心があります。人はひとりで生きているのではなく周りの人と繋がり合って生きているため、自分の考えや利益に固執してしまうと、身動きが取りづらくなってしまいます。「行雲流水」に通じる「慈しみ」の気持ちを持って、周りの人と調和することで、最終的には自分の心の豊かさを育むことができるのです。
足るを知る
「吾唯知足」は、京都の龍安寺にある石の手水鉢に刻まれた禅の言葉で、「あなたが必要なものは、もう既に持っている」という意味です。人はどうしても足りない部分に目が行きがちですが、まずはどれだけ自分が満ち足りた状態にあるのか、知る事から始めなくてはなりません。自分が持っているものに感謝する気持ちが持てれば、自然と物事のありのままを受け入れる余裕が生まれるはずです。
「行雲流水」を英語で表現すると?
「行雲流水」には物事に執着せず成り行きに任せるという意味がありますから、なすがままに、流れに身を任せる状態を英語で表すと良いでしょう。
「flow with the tide」
「flow with the tide」には「流れに合わせる」「成り行きに任せる」という意味があり、「行雲流水」の英語表現としてよく使われている言い回しです。
flowの意味
〈液体が〉よどみなく流れる(解説的語義)
〈水・川などが〉(…から/…へ)流れる≪from/to≫,(…に)注ぐ≪into≫,流入する(in),流出する(out);〈潮が〉満ちる(⇔ebb);〈電気が〉通る
(引用〈小学館 プログレッシブ英和中辞典〉より)
直訳すると「潮の流れとともに流れる」という意味ですが、流れに身を任せているイメージが浮かぶのではないでしょうか。
「Let it be」
成り行きに任せるという意味の英語表現では「Let it be」もあげられるでしょう。
レット‐イット‐ビー【let it be】
あるがままに。構わないでおいて。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
ビートルズの曲名として有名なフレーズですが「成り行きに任せる」「あるがままに」「なるがままに」という意味になります。
「行雲流水」を意識した余裕のある生活をしよう
「行雲流水」は逆らわずに、自然に任せることを意味します。座右の銘や心得として用いられたり、人の性格を表す時に使われたりします。紹介した例文をヒントに、ビジネスシーンや日常生活の中でも「行雲流水」をぜひ使ってみてください。また、禅には「行雲流水」に通じる考え方があるといわれます。「行雲流水」という言葉の持つ意味を理解し、自分の今の状況を見直すことで、周りを思いやる気持ちや余裕が生まれることでしょう。
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