やんごとなき
「やんごとなき」とは、ただ事ではない状況、非常に重要度が高いことなどを示す言葉です。「退っ引きならない」という言葉は、避けることができない事情があるときなら大抵の場合で使うことができますが、「やんごとなき」は重要な事情のために避けられないときに使います。例えば以下のように使えるでしょう。
・【やんごとなき】事情があるので、今日の会議は欠席いたします。
なお「やんごとなき」という言葉は、重要度が高いという意味以外にも、身分が高いという意味で使うことがあります。例えば以下のように使うことが可能です。
・あの方は【やんごとなき】血筋の方なので、感覚が我々庶民とは違うようだ。
「退っ引きならない」の使い方を例文でご紹介
どうしても避けることができない状況にあるときは、「退っ引きならないことがあって…」と説明することができます。例えば取引先と約束したにもかかわらず、どうしても優先せざるを得ない別の事情が生じ、約束を守れなくなったときには、「退っ引きならない状況になりまして、約束の日時を改めていただけますでしょうか。申し訳ございません」と謝ることができるでしょう。
なお、「退っ引きならない」という言葉自体は特に誰に使っても失礼になる言葉ではないものの、言葉の響きが軽いので、ビジネスシーンにはふさわしくないという考え方もあります。相手に対して失礼になりそうなときは、別の言葉で表現するほうがよいでしょう。
「退っ引きならない」という言葉は、次のように名詞につなげると使いやすくなります。
・退っ引きならない事情、用事
・退っ引きならない理由
・退っ引きならない関係
それぞれについて例文を紹介し、使い方を解説します。
<退っ引きならない事情、用事
どうしても避けられない事情が生じたときは、「退っ引きならない事情」や「退っ引きならない用事」と表現できます。約束をしていたのに守れないときや、遅刻をしたときなどに使うことができるでしょう。
【例文】
・【退っ引きならない事情】があり、遅刻をしてしまいました。誠に申し訳ございません。
退っ引きならない理由
誰もが納得せざるを得ないほど重要な理由があるときには、「退っ引きならない理由」という言葉を使うことができます。普段は認められることではなくても、それなら仕方がないと思われるような理由において使用されます。
【例文】
・いつも早めに来ている彼が遅れているのだから、何か【退っ引きならない理由】があるのだろう。
退っ引きならない関係
お互いが引くことができないほど深い関係にあるときは、「退っ引きならない関係」と表現することができます。因縁が深い様子、何かといつも一緒に行動をする様子、切っても切れない様子などにある関係を指して使うことが一般的です。
【例文】
・彼女の人生において、彼はどうやら【退っ引きならない関係】にあるらしい。
「退っ引きならない」を使う状況か考えよう
「退っ引きならない」とは、引くことができないほど緊迫した状態、あるいは関係が深い様子を指し示す言葉です。遅刻を謝るときなどに用いることができますが、語感が軽いので、場合によってはビジネスのときにはふさわしくないと判断されることがあります。
状況を見て、あまりふさわしくないと思われるときは、「緊急の用事があり遅れました」のように別の言葉で表現するようにしましょう。
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