謙遜の気持ちを示す使い方
特にビジネスシーンでは、謙遜する際のクッションとなる言葉として「門外漢」を使うことがあります。例えば、目上の人に対して意見を述べる場面や、知識がなくて申し訳ないと伝える場面などです。
あるいは、実際には知識があるものの、謙遜の意思を示すためにあえてへりくだった言い方をすることがあります。
【例文】
・【門外漢】なのに恐縮ですが、こちらの案のほうが適当ではないでしょうか。
・【門外漢】ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。
門外漢の類語と対義語
門外漢には以下のような類語があります。
・素人
・専門外
・畑違い
また、以下のような対義語もあります。
・専門家
・熟練者
・玄人(くろうと)
「門外漢」の類語を知っておくと、「門外漢」では意味が伝わりにくい場面でも表現を言い換えることができて便利です。なお、特にビジネスシーンにおいては比較・対比の文章を作るケースが多いため、対義語についても確認しておくと安心でしょう。
ここでは、「門外漢」の類語と対義語について、例文をあげながらそれぞれ解説します。
「門外漢」の類語は「素人」「専門外」「畑違い」
「素人」の意味は、ある物事に必要な知識や経験がない人です。「門外漢」よりも直接的な表現といえるでしょう。「専門外」は専門ではないことを表し、こちらも「門外漢」よりストレートな印象を与えます。
「畑違い」はその分野や領域を専門としていないという意味で、専門としていることは他にあると暗示するニュアンスがあります。
【例文】
・生産管理については【素人】です。
・その領域に関しては【専門外】です。
・その分野のことは【畑違い】なので全くわからない。
「門外漢」の対義語は「専門家」「玄人」「熟練者」
「専門家」や「玄人」は、ある学問や事柄に精通している人を指す言葉です。「〇〇は門外漢だが、△△については専門家です」のように「門外漢」と一緒に使えば、対比する文章を一文で作れます。
「熟練者」は「スペシャリスト」とも言い換えられ、特定の分野を専門としていて慣れている人という意味で使えます。
【例文】
・【専門家】が丁寧に説明してくれたので理解できました。
・サッカー選手はサッカーについては【玄人】ですが、野球に関しては完全に門外漢といえます。
・彼はこの会社における営業の【スペシャリスト】です。
「門外漢」は日常でもビジネスも使える言葉
「門外漢」はもんがいかんと読み、ある分野を専門としていない人を指す表現です。門は学問をする場所を指し、門の外にいる人という意味が転じて専門ではないという意味が生まれました。男性という意味の「漢」を含みますが、女性に対しても問題なく使えます。
類語には「素人」や「畑違い」などがあり、対義語には「専門家」や「玄人」などが挙げられます。場面に応じた表現が使えるように、それぞれの意味を理解しておくことが大切です。「門外漢」は日常会話でもビジネスシーンでも使えるため、意味や使い方を正しく覚えておきましょう。
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