石津ちひろ・長谷川義史「おばけのもり」
折り句による言葉遊びが楽しめるおばけ絵本です。折り句とは日本で古くから親しまれる、あいうえお作文のような言葉遊びです。
主人公のヒロシは、年に一度のお祭りに参加している途中、ひょんなことからおばけの世界に迷い込んでしまいます。おばけの世界に住むおばけたちは、おどろおどろしい見た目をしていながら、どこか親しみやすい一面も持っていて憎めません。
折り句がかもし出すほのぼのとした雰囲気が、よりおばけたちの愛らしさを強調します。おばけたちのユーモラスさだけでなく、日本語の面白さにも気付ける一冊です。
商品名:石津ちひろ(作)長谷川義史(絵)「おばけのもり」/小学館
あさくらまや「ブルブルさんとおばけのあかちゃん」
主人公は、人一倍怖がりでびっくりするたびに大きな悲鳴を上げる「ブルブルさん」です。そんなブルブルさんの前に現れたのは、赤ちゃんを預かってほしいというおばけのお母さんでした。ブルブルさんは、本物のおばけの姿にひときわ大きな悲鳴を上げます。その悲鳴は小さな塊となり、人間の悲鳴を食べて大きくなる、おばけの赤ちゃんのごはんとなるのでした。
おばけらしい迫力ある見た目をすでに持っているおばけの赤ちゃんに対し、ブルブルさんは、赤ちゃんのいるバスケットを覗き込んでは大きな悲鳴を上げてしまいます。
ブルブルさんと一緒に悲鳴を上げながら読み進めれば、読み聞かせが盛り上がること間違いなしです。ゆるくコミカルな絵のテイストと、物語の奥深さが人気の作品といえるでしょう。
商品名:あさくらまや「ブルブルさんとおばけのあかちゃん」/小学館
2歳の子どもと楽しみたいおすすめ絵本|読み聞かせのメリットと選び方も紹介 | Domani
小学生も楽しめるおばけ絵本
小学生の子どもには、物語として読み応えのあるおばけ絵本がおすすめです。ここでは、小学生の子どもと一緒に読みたい、おすすめのおばけ絵本を紹介します。
キム・フォップス オーカソン・エヴァ・エリクソン 「おじいちゃんがおばけになったわけ」
デンマーク人の作家とスウェーデン人の画家がタッグを組んだ、優しい世界観が魅力のおばけ絵本です。日本語以外にも、8カ国語に翻訳されています。
主人公は、おじいちゃんが死んだことにショックを受ける少年エリックです。ある日、悲しみに暮れるエリックの前に、亡くなったはずのおじいちゃんがおばけとなって現れます。現世に忘れ物があるとおばけになってしまうと知った2人は、協力しておじいちゃんの忘れ物探しに奔走するのでした。
おじいちゃんの忘れ物をめぐる物語は、おじいちゃんの人生を振り返る小さな旅でもあります。読み進めるうちに心が暖かくなり、ラストでは思わず涙が頬を伝うでしょう。
商品名:キム・フォップス オーカソン(作)エヴァ・エリクソン(絵)菱木晃子(訳)「おじいちゃんがおばけになったわけ」/あすなろ書房
国松エリカ「おばけのあんみつ」
おばけ絵本には珍しく、お殿様がいる時代が舞台になっています。主人公は、あんころ城に住むお菓子が大好きなお殿様です。あんころ城におばけが出ると知ったお殿様は、おばけを退治するために一肌脱ぐことになります。
おばけたちにお風呂とごちそうを準備し、おもてなししたお殿様は、ある突飛な方法でおばけたちを捕まえます。お殿様がどのような方法でおばけたちを捕まえるのか、そして捕まえたおばけたちをお殿様はどうするのかが見所です。
「おばけのあんみつ」には、表題作以外にも「おはぎのかっせん」「たぬきのおだんご」「たんぽぽきんとん」の3話も収録されています。
商品名:国松エリカ「おばけのあんみつ」/小学館
松田奈那子「おばけきょうだい はじめてのハロウィーン」
ハロウィーンが舞台のおばけ絵本です。主人公は、おばけの4兄弟「イチ」「ニイ」「サン」「ヨン」。兄弟は、仮装をしてハロウィーンを楽しむ子どもたちに触発され、自分たちも街へ出て、街の住人にお菓子をもらおうと計画を立てます。兄弟たちはおばけなので、人を脅かすのが大得意です。次々に住人たちの家を回り、初めてのハロウィーンを満喫します。
巻末には、絵描き歌やハロウィーンがテーマの工作、ペーパークラフトなどが掲載されています。絵を描いたりグッズを自作したりして、ハロウィーンを満喫することが可能です。
商品名:松田奈那子「おばけきょうだい はじめてのハロウィーン」/小学館
絵探しや迷路で楽しむおばけ絵本
読む以外の楽しみ方が可能なおばけ絵本もあります。ここでは、プラスアルファの楽しみ方ができるおばけ絵本を紹介します。
ジーン マルゾーロ・ウォルター・ウィック「ポケット版 I SPY 6 ミッケ! ゴーストハウス 」
お題に書かれたアイテムを探して楽しめる「ミッケ!」シリーズの絵本です。「ミッケ!」は、シリーズ累計800万部を誇るベストセラー。子どものときに遊んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。
「I SPY」シリーズ6作目の「ゴーストハウス」は、シリーズの中でも読者人気ナンバーワンを誇る大人気の一冊で、おばけの住む洋館が舞台です。今にもおばけが飛び出してきそうな世界観の美しいイラストの中から、指定されたアイテムを探します。
ポケット版は持ち運びに便利なB6判です。小さくなった分、探しものを見つける難易度もアップしているので、大人も子どもと一緒になって楽しめます。
商品名:ジーン マルゾーロ(文)ウォルター・ウィック(写真) 糸井重里(訳)「ポケット版 I SPY 6 ミッケ! ゴーストハウス」/小学館
WILLこども知育研究所・やまおかゆか「おでかけ版 恐怖!おばけやしきめいろブック」
恐怖に包まれた冒険物語を進めながら、迷路が楽しめるおばけ絵本です。おばけやしきの名に違わず、おばけや魔女が立て続けに登場します。子どもにとって迷路は、粘り強さを育てる効果のある遊びです。
間違った道を選んだり、行き止まりになったりする迷路は、一筋縄ではなかなかクリアできません。諦めず挑戦した先にたどり着けるゴールは、子どもに無理難題をクリアする心地よさを教えてくれます。
本作は迷路だけでなく、絵探しクイズや4コマ漫画も楽しめる、盛り沢山な内容となっています。外出時に持ち歩いても邪魔にならないハンディサイズなので、お出かけのお供にぴったりの一冊です。
商品名:WILLこども知育研究所(編)やまおかゆか(絵)「おでかけ版 恐怖!おばけやしきめいろブック」/金の星社
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