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LIFESTYLE子育て

2019.10.21

手芸や料理をこなす小学生男子、きっかけはお母さんのお手伝い【しまおまほのおしえてコドモNOW!】

エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出す。コドモ連載の第21回が始まります~。

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第21回:トモキくん(12歳)

わたしは一応大人なので炊事・洗濯は日頃していますが、正直言って家事は苦手。特に洗濯物を畳む作業や洗ったお皿を食器棚に戻すのが億劫で……。乾いた洗濯物は洋服の山を作り、洗い終わった皿は水切りかごに載せっぱなし。そうそう、子ども服のちょっとしたホツレや穴も……母にお願いしてしまいます。

今回インタビューしたトモキくんにそんなこと言ったら笑われてしまいそう。なぜって、トモキくんは手芸や料理をこなす小学生男子なんですから……!

きっかけは、お母さんのお手伝い。

まほ:「男子手芸部」を結成してるって聞いたんだけど。

トモキ:はい。幼稚園で一緒だったゴウくんとやっています。

まほ:どんなものを作ってるの?

トモキ:最近作ったのは中学に入ってから使う用のジャージ入れで……。

トモキくんが見せてくれたのはトラ柄の巾着袋。他にも自分で解体した既製品を元に展開図を作って縫ったリュックも。どれも丁寧な仕上がり。「手芸部」という響きにファンシーなデザインをイメージしましたが、見た目はいたってシンプル。

まほ:「男子による裁縫」って感じがいいね。

トモキ:構造を知って、作るのが楽しくて……。

まほ:じゃあ、トモキくんにとって手芸は、工作や図工とそんなに変わらない?

トモキ:(深くうなずく)

まほ:手芸部を始めたのは?

トモキ:小3くらいの時……かな。

雑誌の連載も持つトモキくんのお母さんはデザイナー。お母さんの作品作りのお手伝いをしているうちに創作活動の楽しさを知り、手芸や料理にも興味を持ち始めたのだそう。

まほ:学校でからかわれたりしない?

トモキ:うん……。図書室で恥ずかしい思いしながら料理本を借りたりしてる……。

トモキくんはこの日、オヤツのみたらし団子を作ってわたしたちをもてなしてくれました。生まれて初めて食べる手作りのみたらし団子が小学6年生の男の子が作ったものだなんて……。なんともいえない不思議な感慨。トモキくんのみたらし団子はとっても優しい薄味のタレと、可愛い白玉でできていました。なんだか彼の人柄が現れているよう。団子をお皿に盛り、タレをかけて出してくれるのも、コップにお茶を注いでくれるのも、トモキくん。これは“ボヘラプ”に匹敵する感動の渦ですよ……!

得意料理は、チャーハンです。

まほ:どんな料理を作ったりするの?

トモキ:うーん……チャーハンとか。

まほ:作る時のコツがあったら教えてもらえる?

トモキ:卵とご飯を最初に混ぜておく。

まほ:おーそうなんだ。そうするとパラパラになるってことかな?

トモキ:うん。ご飯がコーティングされて。

まほ:お〜。

トモキ:マヨネーズも入れるといいかも。

まほ:おお〜。……それは、お母さんと一緒に作ってるの?

トモキ:ううん、お父さんと一緒に作ることが多い。

母:わたしが出かけている時に、夫と、お兄ちゃんと料理していたりしますね。

まほ:へ〜。お兄ちゃんって、いくつ?

トモキ:コウイチ。

まほ:高1かあ。4つ違いなんだね。仲良し?

トモキ:うーん(首を傾げて)、前は仲良かったけど……今は大きくなって……。

まほ:オトナになっちゃった?

トモキ:うん。忙しそう。

まほ:そうかもねえ。あ、それで、チャーハンだけど……何チャーハン?

トモキ:レタスチャーハン。

まほ:いいねえ(笑)! じゃあさ、手順を教えてもらえる?

トモキ:まず、ご飯と卵を混ぜておいて……。

母:フフフ……。

トモキ:ラードと、葱油を、入れすぎないていどに……。

まほ:油、2種!

トモキ:あ、フライパンを熱くしておかないとパラパラにならない。

まほ:そうだね。

トモキ:中華料理屋さんは、火力が強いから、パラパラになる。

まほ:中華の決め手は火力と言うよね〜。

母:フフフ……。

まほ:最初に何を入れる?

トモキ:最初に、ご飯と卵を混ぜたものを入れて、さらに途中から卵を入れて……。

まほ:あ、卵は追加するんだ。ふんふん。

トモキ:カマボコと、静岡で買った肉のあぶらの……。

母:背脂、ね。

トモキ:そう、背脂。アレを入れると美味しくなる。

まほ:へ〜!

母:富士宮やきそばに入ってるのよね。

ここで言う背脂とは、いわゆる「肉かす」。これは、たまらんですね……。

トモキ:それと、玉ねぎと、ベーコン、干し椎茸を戻したやつ。

まほ:干し椎茸……生じゃダメ?

トモキ:うまみが……。

まほ:旨味! 小6で! 旨味……!

トモキ:干し椎茸は、電子レンジで戻したりして。日によって、具材は変わるけど。

まほ:ふんふん。

トモキ:味つけは……まず紹興酒と……。

まほ:シェー!(のけぞる)

トモキ:あと、醤油をちょっと。醤油を入れないと、ナシゴレンみたいな味になって、ボク的にはちょっと苦手な味になっちゃう。

まほ:へー、そうなんだ。

トモキ:それに、ウェイパァー。そして、最後にネギと、レタスを入れて、完成です。

まほ:あーいろいろ衝撃がはしったからレタスチャーハンだったことをすっかり忘れそうになってた。そうよね、レタスは最後だよね。

トモキ:ハイ、シャキシャキ感が大事なので。

まほ:シャキシャキ感!

言葉の端々に溢れる、大人顔負けの料理愛。

まほ:スープ類も作ったりする?

トモキ:時々、鶏の皮を買ってきて出汁とったりしてます。

まほ:へえ〜! わたし、トモキくんと同い年の時に出汁って言葉知ってたかなあ。“ダシ”といえばお祭りの山車だったよなあ。

トモキ:出汁をとり終わった皮は焼いて焼き鳥に……。

まほ:ほえ〜。揚げ物なんかもするの?

トモキ:お父さんと一緒の時に唐揚げとか。

まほ:お父さんもお料理するんだね。

トモキ:うん、します。揚げ物は、お父さんと協力しながら。

まほ:それはいいねー。唐揚げはどんな味付け?

トモキ:みりん、醤油、ごま油。

まほ:にんにくは入れない?

トモキ:入れない。最近は衣に卵も入れない。

まほ:ウチの唐揚げも卵入れないなあ。それにしても「最近は」っていうところに料理歴の長さを感じるね。

トモキ:たっぷり衣をつけてあげて……。

まほ:「つけてあげて」!

母:フフフ……。衣にこだわりがあるのよね。

トモキ:「カリッ!」が、いい。皮も「カリッ!」。

まほ:いいねえ。

トモキ:あと、カキフライも。

まほ:おおおお〜。

トモキ:普通に売ってるパン粉は粉にボリュームが出ないから……。

まほ:ふんふん。

トモキ:パンをちぎったのを、入れます。

まほ:すごい、すごいよ……。そうなってくると、スーパー行って食材買うのも楽しいでしょ。

トモキ:楽しい(ニッコリ)。

母:買い物はトモキが行ったりしていますね。「ママ、オリーブオイルそろそろ足りないから買ったよ」とか言って。

まほ:「見えない家事」もできる! 調理器具とかにも興味ある?

トモキ:最近ガス台を買い替えることになったから、一緒に行って……。

母:こだわったわよね。

トモキ:うん。使いやすさが大事だから。

まほ:だ、だ、だよね〜!

ニコニコと穏やかに笑いながら料理を語るトモキくん。その隣で嬉しそうに話を聞いているお母さんの笑顔も印象的でした。料理と手芸以外に好きなものは、ルービックキューブと金魚。金魚はその表情や仕草が『感情があるように見えて』好きなんだそうです。渋いね〜。

そうそう。先日息子にチャーハンを作る時、卵とご飯を先に混ぜてみました。「いつもとちがう〜。おいしい〜」って言ってもらえました。
トモキくん、ありがとう!

つづく

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文・絵:しまおまほ 編集:小川知子  デザイン:根本真路

エッセイスト、イラストレーター

しまおまほ

1978 年生まれ。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。

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