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2024.04.21

小中学生の知の祭典「算数オリンピック」とは? 目的や種目、問題について紹介

 

小中学生の知の祭典「算数オリンピック」とは一体どんなものなのでしょうか?今回はこのコンテストの目的や種目、問題例などを詳しくご紹介していきます!

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算数オリンピックとは?

「算数オリンピック」とは、子供のための日本発祥の算数コンテストのこと。国境や言語、人種にとらわれることなく世界の子どもたちが、算数という万国共通の言語で思考力や独創性を競い合う大会です。算数オリンピックとは別に、「数学オリンピック」という大会もありますが、これとは全く別の大会になります。

算数オリンピック

算数を世界の共通語に!

「算数」を世界の共通語ととらえて、世界の子どもたちが「算数」をゲーム感覚で楽しむことで、未来に貢献する新しい才能を発見し育成することが目的。「算数オリンピック」は、日本人のフィールズ賞受賞者であり代数幾何学の分野で大きな功績を残した、世界的な数学者・広中平祐さんが提唱、算数オリンピック大会名誉会長を務めています。また、大会会長は数学者で大道芸人・タレントとしても知られるハンガリー出身のピーター・フランクルさん。

世界中の子どもたちが競い合い、そして語り合うことが目的!

「算数オリンピック」は、世界中の子どもたちが自身の算数の能力を競い合って、さらに語り合うのが目的。そのため、算数の学習進度や受験を目安にした問題にはなっていません。純粋に算数の力を切磋琢磨することが重要だからです。1992年に第一回大会が開催、以降30年間を経て、2024年もトライアル地方大会が2024年6月16日(日)、ファイナル決勝大会が7月21日(日)に開催されます。

世界に広がる「算数オリンピック」

「算数オリンピック」は中国やイラン、ベトナムといった海外の国々でも開催されるように。例えば、2006年8月の大会は、中国から150名の参加者を募った「日中記念大会」となりました。中国中央放送(cctv)にも大きく取り上げられるなど、海外からの注目も集めることに。

今後、アジア諸国や欧米諸国の同様の団体や協会とのつながりを強化、世界中からの参加者を募っていくそうです。日本生まれの「算数オリンピック」は、数学オリンピックのような世界規模の大会になるかもしれません。

算数オリンピック

気になる「大会種目」は?

「算数オリンピック」は、学年別に5つの種目に分かれています。小学6年生までを対象とする「算数オリンピック」と小学5年生以下を対象とする「ジュニア算数オリンピック」に分かれています。 また、2009年からは、小学1年生から3年生までを対象とする「キッズBEE大会」も創設。中学生向けの「広中杯」「ジュニア広中杯」もあります。

種目名(対象学年)、出題問題の目安は次のとおり。

・算数オリンピック(小学6年生以下対象)、小学5年生修了を目安。

・ジュニア算数オリンピック(小学5年生以下対象)、小学4年生修了を目安。

・キッズBEE大会(小学1~3年生対象)、四則演算および長方形の面積は履修済み扱い。

・広中杯(中学3年生以下対象)、中学3年生1学期修了を目安としているものの、平面幾何(相似)に関しては、この限りではありません。

ジュニア広中杯(中学1・2年生対象)、中学1年生修了を目安としているものの、平面幾何(相似)に関しては、この限りではありません。

参加できる種目が学年によって異なるので、参加資格に要注意。また、問題は文部科学省の指導要領に準拠する出題範囲とは限りません。平面幾何などはまさにそうですね。小学5年生以下は「算数オリンピック大会」か「ジュニア算数オリンピック大会」のどちらか1つを選択します。

また、中学1・2年生は「広中杯」か「ジュニア広中杯」のどちらか1つの大会に参加できます。中学3年生が参加できるのは「広中杯」のみ。

小学校の低学年から、自分のペースに合わせて種目を選んで参加すると、ワクワクしながら算数の勉強に取り組めるかも。目標を持って、楽しくクリアするごとに、励みになりそう!

算数オリンピックファイナルの過去問題

過去には以下のような問題が出題されました。

図の7個の〇の中に、20以下の異なる素数を1個ずつ入れて、どの直線上の3個の素数の和もまたすべて素数になるようにします。そのような入れ方を1つ答えなさい。ただし、50までの素数は以下の通りです。(算数オリンピック過去問ページより引用)
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47

算数オリンピック過去問

画像出典:算数オリンピック委員会

回答は算数オリンピック過去問ページで確認を。

なぜ、算数を学ぶ必要があるの?

「算数オリンピック」のホームページには、過去の大会の様子がわかる特設サイトが! 特に専門家によるYouTube動画は必見です。東京学芸大学教授の西村圭一さんの『「数活」で挑戦 ボーランドマス』や、明星大学客員教授の細水保宏さんのお話『明日の思考力「数活」とは?』などのお話は、興味深い内容。問題の解法は複数あること、またグループで取り組むことで多様な考え方に触れる機会ができるなど、算数を学ぶ上で大事なことを知ることができました。

「数活」など、初めて聞く用語かもしれませんが、専門家が子どもにもわかるように、算数の面白さ、世の中で算数がわかると役に立つことなどを、具体的な事例をもとに解説。親子で見ると、算数を学ぶモチベーションが上がりそうですよ! 

算数オリンピック

算数オリンピックはどんな風に開催される?

例えば、2023年の「算数オリンピック」は6月に全国の約250会場で地区ごとの予選となる「トライアル(地方)大会」があり、その後、7月に予選通過者による「ファイナル(決勝)大会」が東京・大阪・福岡で開催されました。

「ファイナル(決勝)大会」でメダリストとなったメンバーは、8月にオリンピック記念青少年総合センターで表彰式へ。各種目の参加費は、いずれもトライアル地方大会への参加費1人5,250円(税込)。ファイナル決勝大会、表彰式の参加費は無料(ただし交通費は自己負担、表彰式のみ委員会が一部補助)です。

「算数オリンピック」に関するお問い合わせは、下記へ。

●算数オリンピック委員会
東京都新宿区西新宿7-6-5グローリア初穂生沼ビル804
電話:03-3371-2655 (代)
電話受付:月~金曜日 10:00~17:00
FAX:03-5332-9041

算数オリンピック

問題を自力で解いた喜び、成功体験が子どもの成長に! 

なかなか解けない難しい問題に向き合って解けた時の喜びや、自分で考え抜いて答えを導き出す「成功体験」を積めることが「算数オリンピック」の魅力かもしれません。「考えること」の面白さを体感すれば、自分から進んで問題を解くように。すなわち学習力にもつながっていきます。自ら学ぼうとする姿勢は、変化が早く複雑な現代社会においては極めて重要です。

多くの問題を解けば解くほど、子ども自身の思考力や発想が豊かになって、どんどん算数が好きで得意になる好循環が生まれます。算数に苦手意識を持つ子どもも多いですが、「自分は算数が得意だ」と感じられることは、子どもにとって大きな自信にもなりそうですね。

参考:算数オリンピック 

トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com

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