鍋がこげ付く原因
煮物やカレーなどを作る際に使用している鍋は、少し目を離すとこげ付いてしまうことがあります。そもそもこげ付いてしまうのは、どのような原因からなのでしょうか?
鍋がこげ付く主な原因を二つ紹介します。
長時間強火で使用する
鍋は強い火力のまま長時間使用すると、こげ付きやすくなります。
調理方法に「強火」と書いてあっても、使用している鍋の素材やコンロによって、熱の伝わり方は異なるため、こげ付きの原因となってしまうことがあるのです。
鍋を使用する際は、まずしっかり予熱をし、鍋やフライパンの底からはみ出さない火力で調理しましょう。
普段から中火を心がけ、火にかけている間も定期的にかき混ぜることが大切です。
なお、長く愛用している鍋は表面のコーティングが剥がれていたり、素材そのものの劣化が進んでいたりする可能性があります。
また、鍋の中で熱ムラができると、高温になっている場所でこげ付きます。こげ付きが悪化している場合は、新しい鍋に買い替えるタイミングかもしれません。
具材に対して油が少ない
もう一つの原因は「油の量」です。油の量が少ないと食材が鍋にくっついて炭化し、こげが付いてしまいます。
油の入れ過ぎは健康によくありませんが、食材を炒める際には適量の油が必要です。
鍋を使ったあとは、内側に食材のカスや油を残さないようにしっかり洗い流しましょう。鍋の外側に付いた汁もこげの原因になるため、きれいに拭き取ることが重要です。
また、水滴が残ったまま火にかけることもこげ付きの原因になります。きちんと乾燥させてから使うようにしましょう。
鍋のこげ落としに便利な道具や洗剤
蓄積されたこげ付きは簡単に落とすことができません。力を入れてゴシゴシ洗うと、鍋そのものが傷ついてしまうので、適切な方法でお手入れすることが大切です。
鍋のこげ落としに適した、道具や洗剤を紹介します。
こげ専用のたわし
近年は、こげを落とすための専用たわしが数多く販売されています。食器洗い用のスポンジとは異なり、研磨粒子を含んだステンレス製やナイロン製で、こげ付きだけでなく汚れも落としてくれます。
使い方は、鍋とたわしをぬらして、適度な力でこするだけと簡単で、鍋を傷つけることもありません。
また、ナイロンたわしもこげ付きを落とすのに効果的です。使いやすいサイズに切り分け、水と食器用洗剤を少量付けてこすれば、こげがきれいに落ちます。
ただし、内側にコーティングが施されている鍋やアルミ・銅を使った鍋は、研磨たわしによって傷を付けてしまう恐れがあります。
研磨力がおだやかな重曹でも、ナイロンたわしと併用することで傷が付いてしまいます。クレンザーなどを使用する場合にも、やわらかいスポンジを使用しましょう。
重曹、中性洗剤
重曹や食器洗い用の中性洗剤でも、こげを落とすことができます。
重曹は人体にも存在する炭酸水素ナトリウムで、食品添加物にも使用されている物質です。鍋の内側のこげ落としにも気軽に使用できます。
こげ落としの方法は、鍋に水と重曹を入れ、弱火で10分間火にかけ、スポンジでこするだけです。
こげは酸性の汚れなので、弱アルカリ性の重曹を使うと落としやすくなります。また、沸騰させた重曹水はアルカリ濃度が高くなり、油汚れも落とせるので便利です。
お酢、クエン酸
アルミ鍋の黒ずみや食べ物のこげつきが気になる場合は、重曹よりお酢やクエン酸が効果的です。
お酢を使う場合は、こげが隠れる位置まで、水2:お酢1の割合で入れて火にかけ、沸騰させます。中〜弱火で10分ほど沸かして冷ましてから、スポンジで軽く擦り落としましょう。こげつきが強い場合は、中性洗剤もお酢と一緒に加えると効果的です。お酢はべたつきと匂いが残りが気になる可能性があるため、しっかり洗うようにしましょう。
クエン酸を使う場合は、水1カップに対しクエン酸小さじ1を目安に入れ、中〜弱火で10分ほど煮詰めてたあと冷ましてから、スポンジで軽く擦り落とします。クエン酸は肌荒れしてしまう可能性があるため、クエン酸を入れた水に触らずさっと水洗いしてからスポンジで洗うと良いでしょう。心配な場合は、ゴム手袋などを使用すると安心です。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは重曹と同じアルカリ性のため、重曹の代替品として使えます。アルミは重曹と同じく変色してしまう可能性があるため、アルミ以外の製品に使いましょう。
水2.5カップ(500ml)に対してセスキ炭酸ソーダを小さじ1の割合で入れ、10分ほど煮立たせて冷めてからスポンジで擦り落とします。ただし、こげつきが強い場合は重曹のほうが効果が高いため、黒ずみや軽いこげつきに使用すると良いでしょう。
また、セスキ炭酸ソーダを水で割ったセスキ炭酸ソーダ水は、コンロの油汚れやバスルーム、壁紙など様々な場所で使うことができます。自作したセスキ炭酸ソーダ水は1週間ほどで効果が落ちてしまうため、粉末状のセスキ炭酸ソーダを購入するか、スプレー液を購入するか使用頻度や使う場所によって決めると良いでしょう。
鍋のこげの基本の落とし方
鍋のこげの落とし方は、いくつか基本的なパターンがあります。また、鍋の素材によってもお手入れの仕方は異なります。
普段使っている鍋の素材に適した、こげの落とし方を確認しておきましょう。
お湯に浸す
鍋の中でも特に繊細な素材の土鍋や、フッ素樹脂加工の鍋は、こげをお湯でふやかすのがおすすめです。必要な道具や手順もシンプルで、すぐにお手入れができます。
必要な道具は以下の通りです。
・お湯
・やわらかいスポンジ
・木製のヘラ
お湯に浸すこげ落としの方法は、以下の手順で行います。
1. 鍋にお湯を入れ、10分ほど放置する
2. 温度を確認し、やわらかいスポンジでこする
3. スポンジで落ちなければ、木製のヘラでこする
(金属製のヘラは鍋が傷つくので使用しない)