2つの表現の使い分け
「春眠暁を覚えず」と「春はあけぼの」は、どちらも春の朝の素晴らしさを表す表現であるため、使い分けに悩む方もいらっしゃるでしょう。使い分けのポイントは「春眠暁を覚えず」にだけ、朝寝坊をするという意味が含まれる点です。
暖かい春の朝が心地よくてついつい寝過ごしてしまうニュアンスを表現するには、「春眠暁を覚えず」が適しています。
「春眠、暁を覚えず」の使い方と例文
「春眠暁を覚えず」は、うららかな春の朝を賞賛する言葉でありながら、ついつい寝坊してしまう様子を表現するシーンでよく使われます。
「春眠暁を覚えず」を使う際には「春の朝」と「寝過ごす」という、2つのポイントを意識しておきましょう。これからご紹介する使い方のコツと例文を確認すれば、正しいシーンで利用できるようになるはずです。
春の朝の素晴らしさを表現する時に使う
厳しい冬を乗り越えて、暖かく希望に満ち溢れた春を歓迎する人は多いでしょう。「春眠暁を覚えず」は、そんな心地の良い朝を表現する際に使われます。
「春はあけぼの」との違いでもご紹介したように、「春眠暁を覚えず」には「寝過ごす」という行為がセットになっています。「春の朝が気持ちよすぎて、ついつい布団からでられない……」というシーンで使ってみましょう。
「春眠、暁を覚えず」の例文
「春眠暁を覚えず」は、良く知られている言葉ではあるものの、普段の生活で使いこなすには少しハードルが高いと感じている方も多いかもしれません。例文を確認すれば、利用できるシーンのイメージが湧きやすくなるでしょう。
【例文】
・この頃は【春眠暁を覚えず】で、なかなか布団から出られないよ。
・最近少し暖かくなってきて、今朝は10時までぐっすりだった。まさに【春眠暁を覚えず】だ。
・【春眠暁を覚えず】な娘も今日は一人で起きられたようだ。
風情を感じられる「春眠、暁を覚えず」を使いこなそう!
「春眠暁を覚えず」は、自然の豊かさを再確認できる表現です。ただ単に寝坊した言い訳をするよりは、「春眠暁を覚えず」を使って趣深い表現にするのも良いかもしれませんね。
「春眠暁を覚えず」は、『春暁』という作品の冒頭部分に登場します。言葉の由来を知っておくと、理解が定着しやすくなるでしょう。
使いこなせる言葉の幅を広げてみるのも、ちょっと素敵な大人になれるコツかもしれません。小説やテレビなど、日常で出会う言葉にアンテナを張ってみるのもおすすめです。
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