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LIFESTYLE ことわざ

2024.04.21

「箸にも棒にも掛からない」とはどんな意味? 使い方や注意点を紹介

「箸にも棒にも掛からない」とは、あまりにもひどい様子のことを表す言葉です。どのようなシーンで使うことができるのか、また、何を由来としているのかについて詳しく解説します。言い換え表現についてもいくつか見ていきましょう。

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「箸にも棒にも掛からない」とはひどい様子

「箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)」とは、あまりにもひどすぎる状態を指す言葉です。言葉にならないほどひどいので、手を付けられない様子を指すときに使うことができます。

また、語尾の「ない」を「ぬ」に替えて、「箸にも棒にも掛からぬ」と表現することも多いです。いずれにしても、あまりにもひどい様子を指しているので、ポジティブな表現としては使えません。

【箸にも棒にも掛からない】はしにもぼうにもかからない
ひどすぎてどうにも手がつけられない。
出典:小学館 デジタル大辞泉

サラリーマンが落ち込んでいる様子

“箸”でも“棒”でも持てないことが語源

「箸にも棒にも掛からない」の「掛かる」とは、「引っ掛かる」の意味です。つまり、箸で引っ掛けることも棒で引っ掛けることもできない状態を示します。

この場合、箸とは小さなものを代表し、反対に棒は大きなものを代表していると考えられるでしょう。箸のような小さなものでも引っ掛けることができないが、棒のように大きなものでも引っ掛けられないので、結局何にも引っ掛からないどうしようもないもの、役に立たないものという意味で使われます。

橋を持つ手

人に対してもモノに対しても使える言葉

「箸にも棒にも掛からない」という表現は、どうしようもないものであれば、人に対してもモノに対しても使うことができます。

例えば、新入社員が何もできないので困っているとしましょう。正しい言葉遣いができない、電話の応対もできない、遅刻せずに出社することすらできないときなどには、「あの新人は箸にも棒にも掛からない」といえるかもしれません。

また、書類を作成させてみたものの、あまりにもひどい内容で、読むことすら難しかったとしましょう。このようなときには「箸にも棒にも掛からない文章だ」と評価できるかもしれません。

使うときは相手の立場や気持ちを考えよう

「箸にも棒にも掛からない」とはあまりにもひどく、役に立たない状態を指す言葉です。褒めるニュアンスが入っていないので、本当にひどい状態、役に立たない状態であっても、他人に使うときは注意が必要です。

相手に問題があるときでも、相手の立場や気持ちを考えれば、あまり傷つけるような表現は使わないほうがよいでしょう。心の中で「この新人は箸にも棒にも掛からない」と思っても、マナーや常識、仕事の方法などを一つひとつ教え、「これから学べばよいから」とフォローすることがより良い未来に繋がるかもしれません。

「箸にも棒にも掛からない」の意味を例文で解説

「箸にも棒にも掛からない」を使った例文をいくつか紹介します。ニュアンスを感じ取って、普段の会話に活用できるか考えてみましょう。

・一人暮らしは長いはずなのに、料理はもちろんのこと、洗濯も掃除も何一つ満足にできない。箸にも棒にも掛からないとは、彼のことだ。
・よくこんな箸にも棒にも掛からない企画書を出せるね!文章を一度、読み直してみたら?
・箸にも棒にも掛からない音楽が流れていた。きっと数秒後には忘れているのだろう。

企画書のミス

言い換え表現は「煮ても焼いても食えない」

どうやってもうまく扱うことができないものを指して、「煮ても焼いても食えない」と表現することがあります。

つかみどころがない性格の人にも使うので、「箸にも棒にも掛からない」と比べるとネガティブなニュアンスは少ないかもしれません。また、性格が素直でないときや経験が豊富なために太刀打ちできないときにも「煮ても焼いても食えない」と表現することがあります。

・彼は煮ても焼いても食えない男だ。一筋縄では行かない。
・煮ても焼いても食えない計画書だ。もう少し何とか現実的に書けないのだろうか。

なお、「煮ても焼いても食えない」の「食えない」は「食べられない」の意味ですが、慣用句的に使うので言い換えることはありません。「煮ても焼いても食えない」ではなく、「煮ても焼いても食べられない」は、文字通り、煮ても焼いても食べられない食べ物を指します。古く硬くなった食べ物や、あまりにも美味しくないものなどは、「煮ても焼いても食べられない」ときがあるでしょう。

「手が付けられない」も言い換え表現の一つ

ひどすぎて対処しようがないときに「手が付けられない」という表現を用いることがあります。「箸にも棒にも掛からない」と同じく、人とモノのどちらにも使える表現です。いくつか例文を紹介するので、使い方のニュアンスを感じ取って下さい。

・一度腹を立てると、彼は手が付けられなくなってしまう。
・少しの調整で良いならと文章校正の仕事を引き受けたが、あまりのひどさに手が付けられない。

「見込みがない」も言い換えの一つ

あまりにもひどい状態で、将来的にも好転することがないと思えるときには「見込みがない」と表現できます。ただし、「箸にも棒にも掛からない」や「手が付けられない」と同じく褒めているニュアンスやポジティブな意味合いはないので、使うときには相手を傷つけないように注意するようにしましょう。

・ここまでひどい絵は見たことがない。画家としては見込みがないといえるだろう。
・思うように点数が上がらないので、合格する見込みがない。

対義語は「有能だ」

「箸にも棒にも掛からない」の対義語としては、「有能だ」という言葉を使うことができるでしょう。ただし、「有能だ」という言葉はあまりモノには使わない傾向にあります。モノの能力を褒めるときなどには「性能が優れている」などを使えるかもしれません。「有能だ」のいくつかの例文をご紹介します。

・彼はスポーツも勉強も何でもできる有能な人だ。
・彼女は学者としても素晴らしいが、実務の面でも有能だ。

使うシーンには気をつけて

「箸にも棒にも掛からない」とはあまりにもひどく、褒めるべき点が何もない様子を示す言葉です。そのため、人を傷つけてしまう可能性があり、使用するときには相手への配慮が必要です。

 

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