「下手の横好き」の意味や由来とは?
「下手の横好き」という言葉を知っていますか? 今回は言葉の意味や由来、類語・対義語などを解説します。いざ会話の中で使われた時のために、正しい意味を覚えておきましょう。
意味
「下手の横好き」は、「へたのよこずき」と読みます。意味は以下の通りです。
下手なくせに、その物事をむやみに好み、熱心なこと。
(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
人は大抵、ある物事が下手だと、才能がないと諦めたり、続けるのを苦に感じるものです。しかし、下手にもかかわらず夢中になっていたり、好きで続けている人のことを「下手の横好き」といいます。
由来
「下手の横好き」の由来は定かではありませんが、「下手の横好き」の、「横」には、縦横のような「左右の方向」を表す以外に、「道理に外れた」「正しくないこと」という意味があります。本来、人は下手なことならつまらなくなりやめてしまうはずが、それを未だに続けていることは道理から外れているという意味で生まれた言葉なのかもしれません。
使い方を例文でチェック!
「下手の横好き」は、基本的に自分自身や身内を謙遜する時に使う言葉です。そのため、他人に対して使うと失礼にあたる場合も。具体的な使い方を例文でみていきましょう。
学生時代からゴルフは続けておりますが、長いだけで「下手の横好き」です
「下手の横好き」は、ビジネスシーンでも時折使われる言葉です。例えば、上司からゴルフの腕前を褒められ「いえ、ただの下手の横好きで…」と言って謙遜する時に使用します。人から褒められても、自分ではあまり自信のない事柄に対して使うことが多いようです。
兄の野球の腕前は、いつまで経っても下手の横好きのままだ
「下手の横好き」は、他人に対して使うと人を小馬鹿にしたような意味になります。「下手なのにどうしていつまでも続けるのだろう」というニュアンスを含んでしまうのです。自分自身や身内に対して使うことはできますが、職場の人に対して使うと失礼にあたるため気をつけましょう。
家族に下手の横好きと言われても、気にせずに続けて行こう
上達しないのにいつまでも続けていると、家族から呆れられたり、嫌味を言われることもあるでしょう。しかし、「他人にどう言われようと好きなものは好き」と揺らがない姿は、「下手の横好き」な人の良いところともいえます。
私の歌なんて、プロの歌手に比べたら下手の横好きです
「下手の横好き」は下手にもかかわらず夢中になっていたり、好きで続けている人のことを指す言葉ですが、謙遜の意味でもよく使われます。「プロに比べたら」と比較対象を入れることで、謙遜しすぎず遜った印象を与えます。比較対象をプロにするのはやりすぎだと感じる時には「私なんて部長に比べたら下手の横好きですよ」など、褒めてくれた相手のをあげても良いですね。
「下手の横好き」の類語や言い換え表現は?
「下手の横好き」の類語には、「旦那芸」「下手の物好き」「下手の悪好き」などが挙げられます。それぞれの意味をチェックしてみましょう。
旦那芸
「旦那芸(だんなげい)」の意味は以下の通りです。
商家の主人などがなぐさみに習いおぼえた芸事。
(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
つまり、金持ちや商家の主人などが本業の傍らにやっている芸事や趣味のこと。三味線を習ったり、茶道に親しんだりと芸事に親しめるのは、それなりの経済力があるためです。「下手の横好き」は、単に好きで物事を続けていることを指しますが、「旦那芸」は、お金持ちや金銭面で余裕のある人に限定されます。