観てくださった方が笑顔で劇場を出ていただけたらうれしい
――久々の主演舞台ということですが、舞台への意気込みを聞かせてください
「去年は2作舞台に立たせていただきました。自分の中では毎年1本は、絶対に舞台に立ちたいという気持ちがあります。その中でただ普通にやっているだけじゃなく、チャレンジと思っていて、去年はミュージカルという新しいことに挑戦させていただきました。そして今回はノンバーバルコメディということで、すごく自分自身も気合が入っています。この2年、コロナ禍で気分的に落ちることが多い中、こういう笑える作品をやらせていただけるのはすごくありがたいなと思いますし、本当に観に来ていただいた方々に笑顔になって帰っていただける舞台にできたらいいなと思っています。
――役作りする上で意識をすることはありますか
役者にとってセリフは大事というか、「言葉の力」というのがあると思います。今回の舞台はその「言葉」がなく動きだけで表現する。これは誰が観てもわかりやすい、明確な表現だと思いますし、視覚で笑わせるということに対しては普通の舞台よりはすごくエネルギーがいること。役作りというよりは、自分の表現の幅を広げて伝えないと多分伝わらないと思っているので、そこは意識していこうと思っています」
――ノンバーバルの舞台はご覧になったことはありますか
実は観たことがなくて、僕自身もノンバーバルの舞台として思い浮かべるのはチャップリンやMr.ビーンが演じているものというぐらいのイメージでした。海外作品のイメージがすごく強く、日本でノンバーバル舞台をやるというのは、すごく新しいことだと思います。海外作品っぽくやるというよりは、日本の文化や日本の笑いのツボみたいなのもあると思うので、そういったところを日本人なり、自分なりに消化して、日本でしかできないノンバーバルコメディができたら一番いいなと思っています。
――今回は座長ということですが、意気込みや心づもりがあれば聞かせてください
僕は座長ですけど、結局は石田(明)さんが船長だと思っているので、石田さんが舵を取ったところに向かって僕たちも漕いでいく。だから座長というよりは「乗組員の1人」という意識でやっています。僕が主演でやらせていただいた今までの舞台もそうなんですが、あまり自分が主演だと思ってやったことがあまりないというか…(笑)。
作品に対して責任がないとかではなく、「一緒に作っていくもの」だと思っているので、一緒になって巻き込んで楽しい作品を作れたらいいなと。特に今回はコメディですし、笑いを届けるものなので、ギスギスした雰囲気でやっても何も楽しいものは生まれないと思うし、より一層遊びの延長線上でできるのがベストかなと思っています。もちろん、クオリティは上げなきゃいけないのは大前提ですけど、遊び心を持ってこの舞台を作り上げていければ一番いいなと思います。
――舞台の見どころは?
この作品は日本の伝統文化である相撲部屋が舞台。僕が演じる雅ノ花がいる富士見部屋には守らなくてはいけないふたつのルールがあります。それが「私語」と「女性を土俵に上げない」ということ。このルールを破ってしまう面白さも見どころのひとつだと思いますし、それからアクションや物語の展開、個性豊かなキャラクターも…見どころは全部と言ったら全部です(笑)。
僕は末っ子のお調子者っていう役なので、結構場をかき乱したり、みんなをあちこち行かせて戸惑わせたりする場面も結構あるので、自分の中ではそれが見どころ・見せどころですし、兄弟それぞれにキャラクターがあって、オタクっぽい人だったり、ナルシストっぽい人がいたりとキャラ分けもあるので、そういう人たちのキャラ作りも、楽しみの一つだと思います。