「今週はどうなの?」と楽しそうに電話をしてくる義母
すでに離婚しているものの、結婚期間中は義母のデリカシーに欠ける振る舞いに散々、嫌な思いをさせられたという翠さん(仮名・40歳女性)。義母の言動でもっとも不愉快だったのが「性生活への干渉」だったと振り返ります。
「こちらは仕事をしているのに、義母は自分の好きな時間に電話をしてきて『そういえば、今週はアッチのほうはどうなの?』と“回数”についてチェックを入れてきたり『あなた、少し痩せないと○○(夫の名前)が、抱く気にならないんじゃないの』などと私の体型に文句を言ってきたりという感じでした。
もともとそういう話が大好きな性格だったんでしょうね。私が不快感をあらわにしてもびくともせず、楽しそうにケラケラと笑いながら、下品な話を続けるような人でしたから」
夫に相談するも一蹴され、孤独感と闘った日々
あまりにも義母の振る舞いにデリカシーがないことから、当時の夫に相談をしたものの、夫はまったく相手にしてくれず「ふーん」と言うだけだったそう。真剣に悩んでいることを知ってもらいたくて、何度も夫に相談をしたものの結局、一度もまともに取り合ってくれたことはなかったそうです。
「それが原因で離婚したわけではありませんけれど、離婚を考えるにあたって、大きな要因となったのは確かですね。夫とは結婚生活を3年半送りましたが、義母のそんな態度とは裏腹にというか、夫婦の営み自体は結婚して1年後くらいからみるみる減っていって、離婚するときにはすっかりレスになっていました。
義母にレスを伝えたこともありましたが、義母からは『全部あなたのせい』『あなたが積極的じゃないから、息子がソノ気になれないんだろう』『うかうかしていると、他所に女をつくられちゃうわよ?』などと言われウンザリしましたし、夫との関係が薄れるなかで義母から一方的に性生活への干渉を受けるのは、今思い出しても孤独を感じる日々でした」
結局、翠さんから夫に離婚を申し出る形で協議離婚へ。離婚が決まってからも義母は翠さんへの干渉を続け、最後まで『あなたが夫婦の関係をいい加減にしてきたから、離婚になったんでしょう』と文句を言い続けたそうです。
「当時は気持ちが弱っていたこともあり、義母が言うことにも一理あるのかなぁなんて考えたこともありました。でも離婚して、改めて当時を思い返して感じるのは、私は悪くなかったなって。当時の話を友人にすると『それは義母がオカシイ!』って味方してくれるので、心が救われています。
でも、こういう義母の本性って、結婚前にはなかなか見抜きにくいじゃないですか? 今度再婚するとしたら、夜の生活には介入してこない義母だといいなぁと思っていますが、当時があまりにもしんどかったので、まだまだ再婚をする気にはなれなそうですね」
デリカシーに欠ける義母がいると、妻は追い詰められる例が少なくありません。特に性生活の話は、なかなか第三者にしにくいテーマでもあるだけに、ここにズケズケと踏み込んでくる義母がいると、妻の心が弱ってしまっても無理はないでしょう。翠さんのように、離婚という形でつらい日々を抜け出すことができればベターですが、じっと耐えるしかない場合にはどんどん心を蝕まれることに。言いにくい話題ではありますが、信頼できる身近な人に助けを求め、心が折れる前に対処できればベストです。
取材・文/並木まき