「海豹」の子育ての仕方
「海豹」は主に水中で生活しますが、水中では赤ちゃんが溺れてしまうため、出産と育児は陸上で行うのが特徴です。「海豹」の子育て期間は短く、およそ3週間で終わります。
ゴマフアザラシの場合は約10kgの赤ちゃんが産まれますが、脂肪分が多く含まれた母乳を飲むことで、3週間が経つ頃には体重が倍以上にまで成長します。なお、生後から3週間後には母親がいなくなり、子どもの「海豹」は自力で餌を見つけて生きていかなければいけません。
「海豹」のような難読漢字3選
ひらがなやカタカナでは身近に感じられる動物の名前も、漢字になった途端に読めなくなるケースは多いものです。例えば、「海豹」のような難読漢字として以下の3つが挙げられます。
1.海象
2.蝙蝠
3.驢馬
いずれも水族館や動物園などで見られる動物です。読み方がわからなかった人は、ぜひこの機会に正しく読めるようになりましょう。ここでは、それぞれの読み方や特徴などをご紹介します。
海象(せいうち)
【セイウチ(sivuch)】
鰭脚 (ききゃく)目セイウチ科の哺乳類。北極海にすみ、体長約3.8メートル、体重約3トンに達する。2本の牙 (きば) が雌雄ともにあり、雄では1メートルにも達する。貝を主食とする。
<補説>「海象」「海馬」とも書く。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「海にいる象」と書く「海象」は、「海豹」と同様に海で暮らす哺乳類の動物です。正しい読み方は「セイウチ」で、「海馬」と書かれることもあります。北極海の沿岸などに群れを作り、主に貝を食べて生活するのが特徴です。
セイウチという名前の語源はロシア語と考えられており、トドやアシカを意味する「sivuch」の音が変化したという説があります。また、漢字で「海象」や「海馬」と表記するのは、セイウチの呼び名である「カイゾウ」や「カイバ」が由来とされています。
蝙蝠(こうもり)
【蝙蝠:こうもり】
《「かわほり」の音変化》
1.翼手目の哺乳類の総称。前あしおよびその指が著しく発達し、これらと胴・後あし・尾との間にうすい飛膜が張って翼を形成する。視覚は鈍いが、声帯から超音波を発して、その反響を聞きながら障害物との距離をはかり、鳥のように飛び回る。夜行性。昼間は、後あしにある5本の指の鋭いかぎ状の爪で、木や岩などにぶら下がる。名は、蚊をよく捕食するところから、蚊屠(かほふ)りと呼ばれたのが語源。アブラコウモリ・キクガシラコウモリやオオコウモリなど約950種が世界に分布。かくいどり。かわほり。《季 夏》「―やひるも灯ともす楽屋口/荷風」
2.《鳥かけものか区別しにくいところから》態度のはっきりしない者。状況次第で有利な側についたりする者をののしっていう語。
3.「こうもり傘」の略。
蝙蝠も鳥のうち
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「蝙蝠」の読み方は「コウモリ」です。哺乳類の中でも自由に飛行できる唯一の種類であり、超音波を発するのが特徴です。コウモリという名前が定着する前は、「カハホリ」や「カハボリ」と呼ばれていました。
語源とされる説はさまざまで、蚊を食べることや蚊を好む習性から「蚊屠り(かほふり)・蚊を欲り(かをほり)」、「川を守るもの」を意味する「川守(かわもり)」など諸説あります。
驢馬(ろば)
【驢馬:ろば】
ウマ科の哺乳類。肩高約1.2メートル。体形は馬に似るが、たてがみは立っていて耳が長く、尾の先に房毛をもつ。乾燥地に生息。野生種アフリカノロバが古代エジプト時代から家畜化され、改良の途中でアジアノロバも関与したと考えられる。体は頑丈で粗食・労役に耐える。ドンキー。うさぎうま。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「驢馬」はウマ科に属する哺乳類で、読み方は「ロバ」です。耳が馬よりも長いことから「ウサギウマ」とも呼ばれています。
「驢馬」の名前の由来は漢語であり、本来は「驢」という一文字でロバを表していました。後ろに「馬」が付けられた理由は明らかになっていませんが、漢字を二文字にすることで文字として安定させたり、馬の一種であることを示したりするためだとされています。
まとめ
「海豹」は鰭脚類に属する海の生き物で、正しい読み方は「アザラシ」です。「痣のある獣」を意味する「痣之獣」の読み方から名付けられました。海の豹と書くのは、ヒョウのように体に斑点模様があるためです。
「海豹」は個体によってサイズや種類がさまざまに分かれるのが特徴です。基本的には水中で暮らしていますが、出産や子育ては陸上で行われます。水族館でも見られる海豹について、読み方や生態を覚えておきましょう。
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