氾濫(はんらん)
「氾濫」は川の水の勢いが増してあふれること、洪水になること、あまり好ましくないものが出回ることなどの意味があります。読み方は「はんらん」です。
【例文】
・ネット社会となって、これだけ情報が【氾濫】するようになると、情報の取捨選択が重要になってきます。
・川沿いの道をジョギングしようとしていたら、先月起きた川の【氾濫】の修復工事で、行き止まりになっていました。
猖獗(しょうけつ)
「猖獗」は悪い物事がはびこって勢いを増すこと、猛威をふるうことという意味です。「しょうけつ」と読みます。「猖」と「獗」はともに猛りくるうという意味のある漢字で、同じ意味の漢字を2つ続けることで意味がさらに強調されています。
【例文】
・中世のヨーロッパでペストが大流行して【猖獗】をきわめたことが、その後の歴史にも大きな影響を与えることになった。
・鳥インフルエンザが【猖獗】をきわめ、飼育しているニワトリをすべて殺処分しなければならなくなったときには、目の前が真っ暗になりました。
「跋扈」という言葉を使った四字熟語3つ
「跋扈」という言葉は四字熟語で使われることもあります。主な四字熟語は「跳梁跋扈」「飛揚跋扈」「飛揚跋扈」の3つです。どれも見た目も音の響きもインパクトの強い言葉といえるでしょう。
「跋扈」という語句が共通していることもあり、それぞれの意味も近いところにあります。
ここではこの3つの四字熟語の意味と例文を紹介しましょう。
跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)
「跳梁跋扈」は「跋扈」と同じ意味です。「跳梁」と「跋扈」という似た意味の言葉を重ねることによって、言葉の意味をより強調する効果があるといえるでしょう。読み方は「ちょうりょうばっこ」です。
【例文】
・SNS上には人の悪口をおもしろがって拡散していくような無数の悪意が【跳梁跋扈】しています。
・人の弱みにつけこんでサギを働くような悪党が【跳梁跋扈】している世の中では、人のことをなかなか信用できません。
飛揚跋扈(ひようばっこ)
「飛揚跋扈」とは思うがままにのさばり振る舞うことという意味です。「飛揚」は猛禽類が空に舞い上がるという意味があります。また、臣下が権力を握り、君主をしのぐたとえという意味もあります。読み方は「ひようばっこ」です。
【例文】
・先日閣僚に任命された大臣のAは派閥のボスをしのぐ権力を握って、【飛揚跋扈】している。
・取引先の生産メーカーでは、社長が病気であるのをいいことにして、専務がやりたい放題をやって【飛揚跋扈】しています。
横行跋扈(おうこうばっこ)
「横行跋扈」は大きな顔をしてのさばり、悪事などの横暴なふるまいをすることです。「おうこうばっこ」と読みます。横行は、枠をはみ出すという意味があります。
【例文】
・大きな災害があったあの地域では、暴徒と化した人々が倒壊した建物からたくさんの貴重品を盗みだして【横行跋扈】している。
・ネットの世界ではサイバー攻撃を仕掛けて、身代金を要求するサイバー犯罪者が【横行跋扈】している。
まとめ
「跋扈」はほしいままにふるまうこと、のさばりはびこることという意味の言葉です。「ばっこ」と読みます。語源は中国の故事で、同じ意味と同じ語源を持った「跳梁跋扈」という言葉が使われることもあります。一緒に覚えておくといいでしょう。
「跋扈」は普段の会話で登場することはさほど多くありませんが、歴史や小説、報道などで登場することがあるため、知っておきたい言葉です。「跋扈」の意味を理解して、正しい使い方をしてください。
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