「百鬼夜行」の意味や読み方とは?
「百鬼夜行」は「ひゃっきやぎょう」または「ひゃっきやこう」と読みます。意味を辞書で調べてみましょう。
1 いろいろの化け物が夜中に列をなして出歩くこと。2 得体の知れない人々が奇怪な振る舞いをすること。(<小学館デジタル大辞泉>より)
妖怪や鬼などの化け物がぞろぞろと歩き回ることを「百鬼夜行」といいます。その字面からは夜の闇の中をたくさんの妖怪たちが練り歩く様子が思い浮かぶようですね。「百鬼夜行」は、妖怪たちを指すのが一般的ですが、2番目の意味のように、人々が奇怪な行動をする様子にも例えられます。
近年では、漫画『鬼滅の刃』など、鬼や妖怪という日本のあやかしが登場する作品がブームになっていますね。「百鬼夜行」もまた、漫画やアニメ、小説の題材にもなっていて、人気漫画『呪術廻戦百鬼夜行』や、『百鬼夜行抄』、小説『百鬼夜行シリーズ』などが有名です。
妖怪たちが練り歩く「百鬼夜行絵巻」とは?
「百鬼夜行」といえば、その妖怪たちの姿が描かれた『百鬼夜行絵巻』が有名です。『百鬼夜行絵巻』とは、室町時代に描かれた絵巻のこと。赤鬼や青鬼のほか、おかめのような化け物やお歯黒女、琴や琵琶、笙などの楽器や、扇、鍋、釜などの器物や調度品が化け物の姿となって行進するさまが描かれています。
『百鬼夜行絵巻』は、室町時代〜大正時代まで数多く制作されており、多数の作品が現存しています。その中でも京都大徳寺真珠庵の一巻が最古のものとされ、重要文化財になっています。
現代ではフィクションとして捉えられている「百鬼夜行」ですが、平安時代の説話集『江談抄』の中では、ある人が「百鬼夜行」に行き会ったことが伝えられており、「百鬼夜行日」が定められ、夜間の外出が禁じられていたこともあるそう。現代のように街灯もない時代には、闇夜の中に何か不思議な存在を感じ取ったのかもしれませんね。
使い方を例文でチェック!
「百鬼夜行」は、どのようなシーンで使われる言葉なのでしょうか? 例文でチェックしていきましょう。
1:お墓の近くの道路は夜になると薄暗く、百鬼夜行が起きそうなところだね
実際に妖怪たちが練り歩く姿を目にすることは、現実的に考えられないため、日常会話で「百鬼夜行」を使うときは、たいてい例えとして使用されます。
お墓の近くや廃墟、夜になると人通りの少なくなる道などは歩いていて気味が悪いと感じるもの。そんなお化けが出そうな怖い場所ということを伝えたいときに「百鬼夜行」を使うと良いでしょう。