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そもそも「通草」とは?
「通草」という植物、読むことができますか? あらかじめ読み方を知らないと、漢字からは推測できませんよね。しかし、この植物の名前は誰でも一度は聞いたことがあるものです。まずは「通草」の読み方から、由来、特徴、花言葉などを確認しましょう。
読み方
「通草」は「あけび」と読みます。その名前を耳にしたり、実や木を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
特徴
「通草」はアケビ科の蔓性の植物。果実は楕円形で熟すとパカッと縦に開くように裂け、赤紫色をしています。味は甘く、秋の味覚としておいしく食べることができます。また、木の部分は漢方として使われることも。つるの部分はかご細工にも用いられます。
由来
「あけび」という名前がついた由来は諸説あります。一つ目は、身が熟すとパックリ開くことから「開け実(あけみ)」と呼ばれ、それがなまって「あけび」になったという説。二つ目は、実が開いた状態が、人があくびをしている様子に似ていたことから「あくび」がなまった説。
最後は、実が赤いことから「赤実(あかみ)」がなまった説の三つです。いずれも「通草」の実から強い印象を受けていますね。
「通草」という漢字は当て字です。なぜ「通草」という漢字が当てられたのでしょう? 理由は、アケビのつるにあるとされています。「通草」のつるは中が空洞になっており、つるを切って片方から息を吹き込むと、反対側から空気が出てくるのです。そのため中が「通」じている「草」という意味で「通草」という漢字が当てられました。
花言葉
「通草」の花言葉は「才能」「唯一の恋」。「才能」の由来は、実は食べることができ、木は薬になり、つるは工芸品になるという、どの部分も無駄にならずに活用できる「通草」の特徴からついたとされています。一方「唯一の恋」は、春に花を付ける際、一般的な植物は雄花と雌花が一緒に咲きますが、「通草」は雌花と雄花が離れて咲くことが由来といわれています。
「通草」以外の難読植物
実は、植物には「通草」以外にも難読植物が存在します。「竜胆」、「糸瓜」こちらの二つも植物の名前です。読むことができますか? 次は、「通草」と同じように読みにくい植物を紹介します。
竜胆
「竜胆」は「りんどう」と読みます。名前の由来は中国。「竜胆」は古くから中国で漢方として使われていますが、その味は「竜の肝(胆)のように苦かった」のだとか。そのため、「竜胆」という名前がついたのだそうです。
「竜胆」の花は青く、釣鐘型の形をしています。フラワーショップでは、青い花がめずらしいため、男性向けの花束や差し色として重宝されているそう。最近は品種改良が進み、白やピンクの「竜胆」も見かけるようになりました。
2021年には、「竜胆」の生産量日本一を誇る岩手県の研究グループが、これまで日本で生産できなかった「赤い竜胆」の開発に成功し、新たな市場開拓が期待されています。