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2023.11.27

「折敷」で食卓を粋に演出! お盆やお膳との違いも解説

 

「折敷」とは、料理を盛り付けたうつわの下に敷くもののことです。読み方や用途、お盆やお膳との違い、おしゃれな使い方を紹介します。

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「折敷」とは?

まずは、「折敷」の読み方や用途など、基本的なことから学んでいきましょう。

読み⽅と用途

「折敷」は「おしき」と読み、料理を盛り付けたうつわの下に敷くものです。語源は「折って、敷く」という説が有力で、古くは、植物の葉を折って食器のかわりに使っていたことに由来しているよう。「折敷」は、平安時代には既に庶民のあいだで広まっていたといわれています。

「食器の下に敷くもの」と聞いて、お盆と混同する人もいるかもしれません。後述しますが、「折敷」は、お盆とは全く異なるものです。また、昔の食文化を示す過去の遺物というわけでもありません。「折敷」は現代でも、さまざまなシーンで使われています。

基本的な折敷は、四角形で四方に立ち上がった縁のついた形状で、素材は木製や漆器など。この基本の「折敷」が使われる代表的な場が、茶事(ちゃじ)です。茶事というのは、茶の湯において、懐石(かいせき)、濃茶(こいちゃ)、薄茶(うすちゃ)で客をもてなす、正式な茶会のこと。大寄せ(多くの客を一同にもてなす)などの気軽な茶会は薄茶・菓子だけで終わりますが、茶事では「懐石」という食事も出されます。

茶事において懐石は、「折敷」で提供されます。客は、この「折敷」を亭主から受け取り、折敷の上で食事をします。お盆で運ばれてきたお料理を、お盆のまま食事するということはありません。これがお盆と「折敷」の大きな違いです。お盆はお料理(うつわ)を運ぶためのもので、「折敷」とは用途が異なります。

余談ですが、そもそも茶事で出される懐石というのは、温めた石を懐に入れて温まる程度、つまり、一時の空腹を凌ぐ程度の簡素な食事という意味。あくまでもお茶が主役で、懐石はお茶を美味しくいただくための脇役のような立場だということがわかります。最近ではこの「懐石(料理)」と「会席(料理)」が混同されて使われることもありますが、「懐石」という言葉の本来の意味を知っていると、その違いは明白です。

「折敷」はお盆やお膳とどう違う?

先ほど少し触れましたが、「折敷」が、お盆やお膳とどう違うかを、詳しく見ていきましょう。

折敷とは意味由来語源使い方お盆違い

お盆

食器や料理を置いたあとのお盆は、下げられます。お盆は、食器や料理を運ぶためのものだからです。これに対して、「折敷」は下げられず、そのままその上で食事する点で大きく異なります。この2つは場合によっては非常によく似た形状ですが、お盆は、食器や食事を運ぶ際に落とさないように、縁が高め(深め)に作られていることが多いのが特徴です。

お膳

お膳の見た目は、「折敷」やお盆とは明確な違いがあります。お膳には脚が付いており、小さなテーブルのような形。和室の畳の上での宴会などで、使われることがあります。

「折敷」が使われるシーンとは

お盆は普段の生活で身近で使われるものですが、「折敷」は知らないという人もいるでしょう。ここでは、どのようなシーンで「折敷」が使われるのかを具体的に紹介します。

「折敷」が使われるシーン
  1. 茶事の懐石(茶懐石)
  2. 神棚
  3. 普段の食卓

茶事の懐石(茶懐石)

「折敷」は、茶事における懐石の場で使われています。亭主が客に渡す「折敷」には、向こう中央に「向付け(むこうづけ)」、右手前に「汁」、左手前に「飯」の3品が置かれます。

茶事において「折敷」の縁は、お盆ではしない使い方をします。懐石のスタート時には、「折敷」の右縁に、取り上げやすいように箸が掛けられています。また、食事中は左縁が箸置きのような役目に。最後は、客全員で左の縁に掛けた箸を音が鳴るように折敷の中に落とし、襖の向こうに控える亭主に、食事の終了を知らせる合図として使います。

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