糸瓜
「糸瓜」は「へちま」と読みます。ウリ科の植物で、育てやすいことから、校庭で育てていたという小学校なども多いのではないでしょうか。
「糸瓜」の実は、食べることができるだけでなく、乾燥させてスポンジとして使用することもできます。脱プラスチックが進む現代のニーズにもぴったり。また、つるを切った際に滴る水分は「ヘチマ水」として、古くから化粧水や保湿剤として活用されてきました。
なぜ「糸瓜」と書いて「へちま」と呼ぶようになったのでしょう。もともとは読み方も漢字の通り「いとうり」だったようです。しかし、だんだん「い」が省略されて「とうり」と呼ばれるようになった時、面白い発想が生まれました。
「いろは歌」において「いろはにほへとちりぬるを」と歌っていくと、「とうり」の「と」は「へ」と「ち」の間にあります。ここからなんと「へ」と「ち」の間、つまり「へち間(へちま)」と呼ぶようになったのです。「糸瓜」の見た目は決して派手ではありませんが、おしゃれな名前を持つ植物でしたね。
漢方の効能
ここまで紹介してきた「通草」「竜胆」「糸瓜」は、それぞれ古くから漢方としても使用され、体にいい効果をもたらしてくれる植物です。具体的にどのような効果があるのか、確認していきましょう。
通草
漢方に使われる「通草」の木の部分は「木通(もくつう)」と呼ばれ、配糖体アケビンという有効成分を含みます。効果は、血行促進、利尿作用、鎮痛、抗炎症など。蕁麻疹や湿疹、頭痛や神経痛、冷え性から膀胱炎など、幅広い症状を改善します。
竜胆
「竜胆」は、根や茎を乾燥させたものを漢方として用い、その場合は「りゅうたん」と呼びます。効果は、健胃、整腸、解熱など。排尿痛や残尿感に効果的な漢方にも配合されています。
糸瓜
「糸瓜」の効果は、去痰、咳止め、解熱、整腸、利尿作用など。民間療法として、喘息、心臓病、頭痛や腹痛の改善のためにヘチマ水を飲むこともあるそう。正岡子規が亡くなる直前、痰を止めるために「糸瓜」の水を飲んだときの気持ちを詠んだ俳句は有名です。
最後に
名前は聞いたことがあるけれど、漢字が難しい「通草」について解説しました。当て字であっても、その漢字が使われているのにはきちんと理由がありましたね。今回は「通草」だけでなく「竜胆」「糸瓜」まで紹介しました。今回の雑学や豆知識で、会話の幅が少しでも広がれば幸いです。
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