「幾許」の意味や読み方とは?
「幾許」は「いくばく」と読みます。漢字は、「幾何」と表記することもあるので、一緒に覚えておきましょう。意味は3つあり、1つ目は「数量や程度が不明なことをあらわす」。量がはっきりしない時に、「幾許かのお金」などと使います。
2つ目の意味は「若干」。この場合は、「幾許か」という形で使います。3つ目は、「数量や程度が多くないことをあらわす」。「幾許も〜ない」という形で使います。使い方によって微妙に意味合いが異なりますので、それぞれしっかりと押さえておきましょう。
使い方を例文でチェック!
「幾許」は前述したように、「数量や程度が不明なことをあらわす」「若干」「数量や程度が多くないことをあらわす」の3つの意味を持つ言葉。ここでは、それぞれの意味ごとに例文を紹介します。「幾許」は、かしこまった印象を与える言葉ですので、ビジネスシーンやフォーマルな場面で使うとよいでしょう。
「幾許の利益を得たかについては、まだわかりません」
こちらの「幾許」は、数量がわからないことを表しています。つまり、「どれほどの利益を得たのかはわからない」ということを表現している一文です。現在ではまだどれくらいの利益を得られたのか、データとして出ていない、結果が出るまでに時間がかかる場合に使ってみましょう。
「幾許かの予算は残っていますので、それを広告費にあてましょう」
ここでは「幾許か」を使っているので、「若干」という意味になります。「若干の予算は残っているので、それを広告費として使いましょう」ということを伝えている一文です。このように「幾許か」をビジネスシーンで使えると、スマートな印象を与えることができます。
「遊びほうけてしまったおかげで、貯金が幾許もない」
「幾許も〜ない」という表現で、「数が多くないこと」を意味すると説明しました。この例文では、遊びにお金を費やしてしまったために、貯金が僅かしか残っていないということを嘆く様子がうかがえます。
「病におかされた叔父は、余命幾許もない」
「幾許」のよく使われるフレーズに、「余命幾許もない」があります。「余命」とは、「ある人が、その後どれくらいの期間生きられるかの期待値」のこと。つまり、「余命幾許もない」は、生きられる期間が僅かしかないことを表します。
類語や言い換え表現とは?
続いて、「幾許」の類語を見ていきましょう。「どれほど」「僅か」「数えるほど」などが言い換え表現として挙げられます。それぞれの言葉の意味と例文も紹介しますので、チェックしてみてください。
どれほど
「どれほど」は、「数量や程度がわからないこと」「限度がわからないほど多い量」を意味します。前者の意味が、「幾許」の1つ目の意味と同じ。ちなみに、漢字で表記すると「何れ程」。そのほか、「どのくらい」「いかほど」と言い換えることもできます。
例文:昨日の飲み会では途中で記憶をなくしてしまい、どれほどお酒を飲んだのかがわからない
僅か
「僅か(わずか)」は、「ほんの少し」という意味です。「幾許」は「若干」という意味もありますので、類語として使えるでしょう。「僅か」だけでも使えますし、「僅かしかない」という表現でも使えます。
例文:食料が僅かなので、買い物に行かなければいけない