「自分にしかできない演技を返せるようになっていきたい」
声優としての今後の目標について質問すると「最近、特に克服したい、もっと頑張りたいと思っていることがあるんです!」と話し始めた七海さん。
「アフレコって、テスト録りをして、それに対してお芝居のディレクションを受けて、その後すぐにそのディレクションを反映させて本番録りをするんですけど…ディレクションに対してもっともっといい演技を返せるようになりたいなって。声の演技ってすごく繊細なんですけど、声だけだからこそ、ときに大胆な面も必要で。自分が思っているよりも変化をつけないと、演技が変わっていかないんですよね」
と声優としての演技の難しさをまた違う視点から教えてくださいました。
「ディレクションを受けて本番で対応して、「OKです!」って言われるときはすごく嬉しい。でもそれに甘んじることなく、求められる以上の何かをプラスできるようになりたい。まだまだ声優としては新人で、アフレコ現場には先輩方しかいらっしゃらないような状態で、いつも勉強することばかり。どうすれば新人の自分が皆さんに立ち向かっていけるんだろうって思ってしまうことも多いけど…でも、だからこそ、萎縮することなく、ディレクションに対して自分にしかできない演技を返していかなければ、と。それが今後の課題です」
真っ直ぐ、強い眼差しで今の目標を語ったあと、ふわっと雰囲気をやわらげて笑いながらこう一言。
「なんかね、面白いねっていわれたいんですよ(笑)」
一瞬、ただの冗談のようにも聞こえた軽い〝付け加え〟。でしたが、ここに込められているのは「期待以上のものを返す」という熱い気持ち。そして、その強い向上心とチャレンジ精神こそが、表現者・七海ひろきの最大の魅力。
▲【WEB Domaniだけの限定カットを公開!】この撮影でもまた新しい表情、ポージングをたくさん見せてくださった七海さん。まさに〝期待以上〟でした!
「なかなか殻を破れずにいる自分にもがいている、そんな感覚です。でも、自分がやりたいことが全部完璧にできて、全部楽しくて、全部うまくいく…なんて本当に難しいことだと思うから、もがいて当然なのかなって。もがきながら、ちょっとずつ前に進んでいるはず…と自分で自分を信じているのも私らしいのかなって思っています(笑)」
と素直な想いを明かしてくれた七海さん。最後に、声優として一番大切にしていることを聞くと…
「やっぱり〝キャラクター〟ですね。たくさんの方が命を削るような想いでアニメ作品をつくっていらっしゃるのを肌で感じて、自分は芝居で最大限のものを発揮しなければいけないと強く感じています。また、アニメが存在すれば、そこにはキャラクターを愛してくださる人も必ずいる。そこで私ができる最大限って、いかに声でキャラクターを魅力的にできるかだと思うんです。アニメって、舞台でいうところの〝再演〟が滅多にないから、そのキャラクターを演じるのは基本的にはただ一人。だからその役をいただけたことへの責任をしっかり果たしていきたいです」
そして最後に、また笑いながらこう続けてくれました。
「ほら、人気漫画に対してよく仮想キャスティングとかするじゃないですか! それを超えられるようになりたいですよね」
と思わずうなずかざるをえなかった〝オタク心〟も露わにしてくださった七海さん。大好きな世界に飛び込んで、もがきながらも、どんどん自分らしく輝いている——その笑顔は眩しいばかり。どんどん磨かれていく表現力で、次はどんなキャラクターを演じられるのか、今後の声優としての活躍が本当に楽しみです!
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声優
七海ひろき
ななみ・ひろき/2003年に宝塚歌劇団に入団。宙組を経て星組に組替え。スタイリッシュで色気のある男役スターとして絶大な人気を誇る。2019年に退団し、声優、俳優、アーティストとして幅広く活躍中。声優としての主な出演作に『かげきしょうじょ!!』里美 星役、『ヴィジュアルプリズン』イヴ・ルイーズ役など。
【WEB Domani・Oggi分 衣装クレジット】シャツ/参考商品(オンワード樫山〈JOSEPH〉) デニム¥25,300(GUEST LIST〈アッパーハイツ〉) イヤカフ¥15,950(ロードス〈ベベット〉)
撮影/三宮幹史(TRIVAL) スタイリスト/角田かおる ヘア/ハラタタケヒコ(Artsy Life) 構成/旧井菜月、福本絵里香