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LIFESTYLE 飲み物

2022.02.19

今、飲みたい1本はオーヴェルニュ地方のワイン

 

フランス・オーヴェルニュ地方は、火山群の壮大な山々と水の産地で知られるフランスの古き良き、美しい田舎町。そこに今、地元の固有品種ガメイ・サン・ロマンでワインをつくる、フランスでも大注目の生産者がいます。

Text:
鳥海 美奈子
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フランスの静かな田舎町にあるワイナリー

フランス南東部にあるオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方。ここにはマッシフ・サントラル(中央山塊)と呼ばれる、火山群が織りなす独特な景観が広がっています。

赤茶けた火成岩の壮大な山々、あちこちに点在する光をたたえた湖や谷、そして牧草地。そんな火山群の恩恵により、この地方はフランス有数のミネラルウォーターの供給地となりました。ボルヴィックやヴィシーといった有名メーカーもここにありますし、温泉保養地としても有名です。

▲ ぶどう畑の周囲にも、山や川などの美しい景色が広がる。

さらには50年以上にわたりミシュラン3つ星を維持し続けるフランス料理界の伝説的レストラン「トロワグロ」もここに位置しているのです。

そんなフランスの美しさと静けさをたたえた田舎町にも、ワイナリーがあります。

▲ 「セロル」と書かれたワイナリーの看板。

ガメイ・サン・ロマンの赤ワイン

コート・ロワネーズというあまり聞きなれないワイン産地ですが、それもそのはず。1994 年にフランスのワイン法で新たに認められた地域なのです。

ここにあるドメーヌ・セロルは17世紀までその歴史を遡ることのできる家系で、現当主のステファン・セロルが、自らとこの地のアイデンティティを映すものとして大切に慈しみ、誇りをもって栽培しているのが、この地域の伝統的品種ガメイ・サン・ロマンです。

▲ ステファンは妻キャリーヌとともにワイン造りに励む。

ガメイ・サン・ロマンは、ここで昔から栽培されてきた固有の赤ワイン用ぶどう品種。ガメイというとボジョレーをイメージする人も多いと思うけれど、飲むとまったく印象が違うことに驚きます。

イチゴやベリー系のイメージの強いボジョレーのガメイと比べると、これはもう少し洗練された大人の味。銘柄「エクラ・ド・グラニット」を飲むと、もちろん赤い果実の要素はありますが、それに加えて海苔などを食べた時に感じるヨードのニュアンスが支配的です。

▲ 冬の寒い時期に、身体にしみ込む赤ワイン。

ガメイ・サン・ロマンは小粒なため凝縮感もありますが、口当たりのタッチは柔らかく、とてもスムーズ。ぶどう畑があるのは標高350〜550m、そこで自然のサイクルを最大限尊重しようと有機栽培ビオディナミを取り入れているからこその味わいなのです。

さらには誠実にワインと向きあうステファンの人間性も、そこには表れているといえるでしょう。

▲ 有機栽培の畑に撒く調合剤も手作り。

小さなワイン産地ながら、いまフランスのワイン界では大注目の生産者として専門誌などでもたびたび取り上げられているのも、納得です。

このワインなら、お醤油を使った煮込み料理など和食にも寄り添ってくれますし、豚肉料理などともぴったり。

ステファンはトロワグロとも親交が深く、レストランのオリジナルキュヴェも手掛けています。

3つ星レストランで扱う高品質なワインを、自宅で楽しめる愉悦をぜひ。

▲ ガメイ・サン・ロマンを使った多くの銘柄がある。

Domaine Serol ドメーヌ・セロル「エクラ・ド・グラニット2000」¥3,080 (税込・希望小売価格)
問 アドレ 045・593・5547
輸入元系列の酒販店KISSYOにて購入可能

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ライター

鳥海 美奈子

共著にガン終末期の夫婦の形を描いた『去り逝くひとへの最期の手紙』(集英社)。2004年からフランス・ブルゴーニュ地方やパリに滞在、ワイン記事を執筆。著書にフランス料理とワインのマリアージュを題材にした『フランス郷土料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)がある。雑誌『サライ』(小学館)のWEBで「日本ワイン生産者の肖像」連載中。ワインホームパーティも大好き。

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