「一筋縄では行かない」の意味は?
「あの人は一筋縄では行かない」というフレーズを聞いたことはありませんか? 「一筋縄では行かない」は、日常生活でもビジネスの場面でも広く使われる言葉です。まずは、「一筋縄では行かない」の意味を解説していきます。
読み⽅と意味
「一筋縄では行かない」の読み方は、「ひとすじなわではいかない」。意味は、「普通のやり方では、うまく処理できないこと」です。難しい仕事に取り組む場合や、対応する相手が手強い場合といった、それまでのやり方や普通の対応ではうまくいかないシーンで使われます。
語源・由来
「一筋縄」とは、1本の縄のこと。昔の日本では、通常のやり方、当たり前のやり方をあらわす際に、「一筋縄」という言葉を使っていたそう。つまり、「一筋縄では行かない」という言い回しにすることで、「通常のやり方や、当たり前のやり方では通用しない」という意味になるのです。
ビジネスシーンでの注意点
「一筋縄では行かない」は、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。ただし、人に対して使用する際には、注意が必要になります。なぜなら「一筋縄では行かない人」という表現は、場合によっては「厄介な人」という意味で捉えられてしまうことがあるからです。
例えば、「新人のAさんの教育は一筋縄では行かない」といった場合。これは「Aさんに仕事を教えるのは、普通のやり方ではうまくいかない」という意味になります。
もしこの言葉をAさんが聞いてしまった場合、「自分は物覚えが悪くて、迷惑をかけているんだ…」と思われてしまう可能性が。もちろん「一筋縄では行かない」は、一目置かれるような人に対して、ポジティブな意味合いでも使われます。しかし、この一文のようにネガティブな印象を与える可能性がある場合は、十分配慮して使うようにしましょう。
使い⽅を例⽂でチェック
では、「一筋縄では行かない」を使った例文を紹介します。「一筋縄では行かない」は、物事に対してはもちろん、人に対しても使える言葉です。例文を踏まえ、使用できる場面のイメージをふくらませてみてください。
1:「新規プロジェクトを成功させるのは、一筋縄では行かない」
「一筋縄では行かない」は仕事に対しても使える言葉です。この例文では、予算が限られていたり、スケジュールがタイトだったりなどの理由で、無事に終わらせるのが難しいプロジェクトに対して、普通のやり方ではできないと言っています。
2:「努力の末、一筋縄では行かないといわれていたA社との契約を勝ち取った」
契約の条件が厳しい企業や、そもそも信頼を得るまで長期間を要する企業は、なかなか手強い相手です。そうした「一筋縄では行かない企業」の契約がとれた際に、この例文を使うと、いかに大変だったかが周囲の人により伝わるでしょう。
3:「モテる人に振り向いてもらうには、一筋縄では行かないのが常だ」
モテる人と恋仲になるには、アプローチ法を工夫する必要があることも。例文のように、「一筋縄では行かない」は恋愛シーンでも使える表現です。
「一筋縄では行かない人」の特徴は? その性格や行動
例文でも紹介したように、「一筋縄では行かない人」は、普通よりも手強い場合に使える表現です。ここでは、「一筋縄では行かない人」に見られる主な特徴をいくつかピックアップして紹介します。
1:気難しく頑固
「一筋縄では行かない人」の性格の特徴の一つは、気難しいところ。例えば、日によって機嫌が変わったり、ふとしたことがきっかけで急に不機嫌になったりすることも。また、頑固で、相手の考えをすぐに受け入れない面もあります。
2:ひねくれている
「一筋縄では行かない人」は、ひねくれているという印象を与えることも多いよう。相手の言葉を素直に受け取らず、すぐに人を疑ったり、ときには難癖をつけてくることも。警戒心が強く、攻撃的な一面を持ち合わせている場合もあります。