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2018.06.14

【エコノミークラス】の機内食が切れたとき、CAがこっそりしてること。

こんにちは! WEB Domani ライターの有田千幸です。先日、【飛行機の席】について自論をベラベラ展開していたら、編集長に「記事化せよ」との指令を受けたので、ホントに記事にしました。そしたら、次は【機内食】についても知りたい!とのお達しを受けたので、そちらもこの度記事化いたします! え? なんでかって? それはわたしが以前飛行機の上でお仕事していたからですよ。

Text:
有田 千幸

「本当は肉が食べたかった」、楽しい悲しい機内食事情。

国際線ともなると、予約の時からそわそわ気になる座席や機種やエンターテイメント。良い席に座りたいし、キレイな機体に乗りたいし、自分専用のモニターや電源も欲しい! ええ、よーくわかります。高〜いお金を払って乗るんですもの、期待以上の満足が欲しいですよね。

そして、人間の三大欲求のひとつ「食欲」を満たす機内食の時間は満足度を大きく左右する要素のひとつ。

「みなさま、これより乗務員がお食事のサービスを開始いたします」

離陸してしばらくすると、もわ〜と機内に充満し始めるあたたかい食べ物のにおい。CAさんがキッチンで腕をふるっている証拠。(← 注:ふるっていません)

そして、食事を載せたミールカートがゴロゴロキャビンに出てきた瞬間からワクワク気になる今日のメニュー。チキンか、ビーフか、はたまた、ポークか、魚か!

「よし、チキンにしよう」と心に決めた瞬間、#機内アルアル、「申し訳ございません。本日チキンが大変人気でして…。お魚でもよろしいでしょうか?」

(c) photo AC

「がーーーーーーーん (涙)!」 ※ 画像はイメージです

いや、別にそこまで全力でチキンが食べたかったわけじゃないけど、選べないって言われると、「なんで他の人は選べて、わたしは選べないの〜!」って思っちゃいますよね。「もっと考えて配れよっ」て。

でもね、でもね、元CA 有田千幸、ほんの少しだけ昔の気持ちをシェアさせてください。CAだってね、そりゃ〜 最後尾にお座りのお客様にまで食べたいものを食べさせてあげられるよう、バランスを考えながらお食事を配っているワケですよ。不人気の魚の呼び方をちょっと工夫して「魚のご飯」→「和風サーモンムニエルとふっくらご飯」とかにしてみたり、カップルなら「チキンとお魚、お一つずつで両方試してみませんか?」とか提案してみたり。

でも残念ながらそうもいかないこともある! そんな時に、CAは裏でこんな風に奔走しています。

「キャプテン、あなたのご飯お客さんにあげて良い?」

各航空会社にもよると思いますが、乗客の数=機内食の数、機内食が多めに搭載されいるなんてことは稀なんです。

わたしの以前の勤務先である台湾は、「早安 (おはよう)」の代わりに「早餐吃了沒!? (あなた、朝ごはん食べた!?)」と聞かれるほど「食べる」ということが非常に重要視されているカルチャー。お客様が食べたいものが食べれないなんてもう一大事!だから機内でもあらゆるところを探し回るのです。

機内のとあるところ その1:「クルーミール」のカート


(c) photo AC

CA分の機内食ももちろん搭載されています。そのため、食事のチョイスのバランスがうまく取れない時には、まずこのCA分から提供。基本、CA用の機内食はお客さんと同じメニューなので、お客さんからするとその違いはわかりません。

機内のとあるところ その2:「ビジネスクラス」のキッチン


(c) photo AC

これも本当に航空会社によると思いますが、以前のわたしの勤務先では、ビジネスクラス分の食事に余裕があれば、いくつかメインコースのみお借りするということをしていました。ただ、明らかに食器も違うし、料理も違う、「こちらビジネスクラスのお肉でして… (コソコソ)」だなんてお客さまに説明すると、恐縮そうにされる方が多かったですね。

機内のとあるところ その3:「カップ麺」が入ったコンテナ


(c) photo AC

はい、これも航空会社によります。そしてお客さんにもよります。機内食がなくなったからといって、カップ麺をオプションとして提供されても「え、冗談でしょ」ってなる方ももちろんいらっしゃるのですが、「あたたかいスープと麺が大好き!」という方も実は多く、そんな路線ではオプションとしてカップ麺を提供したことも。大切なのは「お客さまが選べるというシチュエーションをつくってあげること」だと思うのです。

機内のとあるところ その4:「パイロットのご飯」が潜むカート

(c) photo AC

もちろん、パイロットもフライト中に食事を摂ります。取り分け特別な食事を摂る訳ではないのですが、多くの命を預かっているパイロット、ひとつだけ食事で気を付けなければならないことがあります。それは、機長と副操縦士が、それぞれ異なる食事を選ぶということ。フライト中の健康管理は何より大切、彼らの代わりはいませんからね。そのため、安心安全が大前提の機内食ですが、食中毒などの “万が一” に備え、違うものを食べるという風にしているのです。

ということで、このルールに支障をきたさなければ、もちろん本人たちに確認後、機長のビーフや副操縦士のポークをエコノミークラスのお客さんに提供する、ということはあり得るのです。(※ しつこいようですが、航空会社によります!)

日本人は世界一スペシャルミール (特別機内食) を頼まない民族?

様々な理由で、機内で通常提供されるメニュー以外のものを希望されるお客さんのために、特別機内食というものも存在します。

ベジタリアンミールをはじめ、お子様ランチ、フルーツミール (果物のみの食事)、ノーポークミール (豚肉を使用していない食事)、ローカロリーミール (低カロリーの食事)、モスレムミール (イスラム教徒用の食事) など、その数20種類以上! 

(c) photo AC

ちなみに、わたしがよく搭乗していた台湾ー日本線で一番注文が多かったスペシャルミールは、中華式ベジタリアンミールとノービーフミール (牛肉を使用していない食事)。台湾の人って、朝だけお肉を食べない (早餐吃素)!なんていう方が多いんです。そのため、急なベジタリアンの要望にもすぐに対応できるよう、CA用に搭載された朝ご飯機内食はほぼベジタリアンミールだったり。

航空会社、路線、または乗客により、要望がまったく異なる「機内食」。もし次飛行機に乗った時、食べたいものが食べられなかった、そんな状況に遭遇してしまったら、是非こう言ってあげてください! 「どちらでも大丈夫ですよ (ニコ)!」 それだけで、CAたちは救われるのです。

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前回の記事:元CAが教える【エコノミークラス】で一番快適な席はココ!
【飛行機の席】日本人の多くが選ぶ席はココなんです!

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ビジュアルエディター

有田 千幸

1983年生まれ。外資系航空会社CA、建築設計事務所秘書・プレスを経て、34歳にして脱OL。元会社員ならではの実用目線で、読んでくださる皆さまのお役に立てる情報をお届けしたいと思います! chiyuki_arita

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