定期的に”レスとレスじゃない期間”を繰り返す私たち夫婦
麻子さん(仮名)は、44歳。結婚18年目の夫とふたりの子どもと暮らしています。夫婦関係は麻子さんいわく「可もなく不可もなし」とのこと。
「私たち夫婦は、レスとレスじゃない期間を、年単位で繰り返しているんです。今はちょうど“レス期”ですね。もう半年以上も、夫とそういうことをしていませんから。
何度もレスになっているので『またか』という感じですが、私は夫の気分次第でレスになったり、そうじゃなくなったりする関係に疲れています」
レスを解消する努力をしても空回り。すべては「夫の気分次第」
「レス期に入ると、なんとかしてレスを解消しようと努力していた時期もありました。でも私がどう努力をしても、すべて空振りで。おしゃれな下着を買っても、ちょっといいホテルに泊まる家族旅行を企画しても、ダメなときはダメ。
反対にレスが解消するときは夫がそういう気持ちになったときで、そうなると今度は私の体調や気分はお構いなしで求められるって感じなんです。夫婦の営みが、すべて夫の気分次第でコントロールされていることに、私は密かに大きなストレスを抱いてきました」
レス期には夫に女性の影がある
「実は…、レス期には必ずと言っていいほど、夫から女性の影を感じます。だからきっと浮気をしているんだろうなって思うんです。
だけどそれを問い詰めるだけの勇気もなくて、いつも『どうしようかな』って思っているうちに、夫がその女性と縁を切ってくるのか、夫婦のレス問題が解消するという繰り返し。夜の営みが不安定な周期なだけでもストレスなのに、レス期に毎回、夫の浮気を疑って生活しているので精神的に本当に疲れるんですよ」
夫の女性問題を突き詰めたところで、離婚するまでの勇気がないためにいつも“見て見ないふり”をしていると話す麻子さん。しかし最近では「こんなのが一生繰り返されると思うと、かなりうんざりしている」のだそうです。
「女遊びが激しい男の人って、いくつになっても治らないって聞くじゃないですか。もしかしてウチの夫もそのパターン?って気がしているんです。これからどんどん私は女として枯れていくんだろうに、歳をとってからも夫の浮気問題に悩まされながら家で夫を待つなんて、ちょっとしんどいなと。
でも、じゃあ離婚するのかって自問自答しても、離婚するほどの勇気はありません。こういう夫を選んだのは自分だしって諦めていますが、我慢の限界も近そうだなとも思うんです。ホンネでは、もうちょっと精神的に安定した生活を送りたいです」
夫婦間の営みは、夫が浮気をしている場合には、明らかに少なくなるケースが少なくないでしょう。一方、浮気を突き詰めたところでその先への覚悟がない場合には、麻子さんのように波風を立てずにひとりで悩む妻も。こういった問題は夫婦で話し合いをしたところで劇的な解決が見込みにくいことから、慢性的に妻を悩ませる原因にもなりやすいのです。
夫婦の生活を守ることも大切ですが、それよりも自分の心が壊れないよう、我慢をしすぎないことが大切です。心や体が悲鳴をあげる前に、しっかりと夫に不満をぶつけることも、結果的に自分のみならず家庭を守る術になるかもしれません。
取材・文/並木まき