無趣味だった私がコロナ禍を機にハンドメイドに夢中に
由香子さん(仮名)は45歳。結婚して15年の間、ずっと無趣味で仕事に家事、子育てにと忙しくしてきたそうです。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことと、子育てに手がかからなくなってきたことから、アクセサリー作りを始めたところ、すぐに夢中に。今ではフリマアプリで作品を販売して、ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなっていると言います。
「なのですが、夫は私の趣味をまったく理解してくれなくて。と言うより、理解しようとしません。コロナ禍でリモート勤務もあったので今までより自分の時間ができ、ずっと興味があったレジンアクセサリーを始めました。私が次々とパーツや材料などを買い揃えているのを夫は面白くないと思っているみたいで、『そんなお金と時間があるなら、家のことに回せよ』と口うるさく文句を言ってきます」
作品が順調に売れていて、それなりのお小遣いになっていることを説明しても「その分、本業で頑張ればいいだろ」とまったく理解を示さない夫。それどころか「アクセサリー作りにかけている分のお金を家計に回せ」と、めちゃくちゃな提案を展開してくるとか…。
もともと夫婦別財布なのにうるさく言われる意味がわからない
「夫は無趣味な人なので、私が趣味にお金を使っていることが理解できないのかもしれないなとは思います。でも毎日夫が家で楽しんでいる晩酌にかかる費用だって、相当なもの。私はお酒を飲まないので、夫のお酒代に比べればアクセサリー作りの材料費なんて、かわいいものじゃないかと思うんです。
しかも我が家はずっとフルタイムでの共働きなので、基本的には“夫婦別財布”。家計に入れるお金は決まっているので、それ以外のお金をどう使おうがそれぞれの自由というスタイルでやってきています。それなのに、口うるさく文句を言ってくる夫の意味がわかりません」
結局今は、夫に見つかりにくい場所にハンドメイドの材料を隠すようにし「もうほとんどやっていない」という体裁にしているという由香子さん。フリマアプリで販売していることも、夫に見つかりにくいようこっそりと続けているそうです。
「悪いことをしているわけでもないのに、なんでこんなにコソコソしなくちゃいけないんだろうって悲しくなりますね。これまで没頭できるものがなかった私が、時間を忘れるほど没頭できる趣味をやっと見つけたのに。夫には、応援してもらいたいですけど高望みなのでしょうか。こんなに心が狭い夫だとは思わなかったので、落胆するとともに驚いています」
妻の趣味に口を出す夫は、疎まれやすい傾向にありますよね。ひょっとすると自分に関心を向けてくれず、趣味に没頭している妻を面白くないと思っている可能性も。しかしだからと言って、趣味よりも夫を常に優先するのは現実には難しいでしょう。
夫にわかりやすいように、大げさなくらい夫に関心を向けているそぶりをするのはいかがでしょうか。趣味への口出しが“嫉妬”に起因するものなら、意外とすぐに落ち着くかもしれません。
取材・文/並木まき