こんにちは、editor_kaoです。
先日、あるサイトで、おしゃれな女性が80年代の「L. L. Bean」のボート・アンド・トートを愛用しているという記事を読みました。ご存知のとおり、丈夫なキャンバス地を使ったトートバッグ。永遠のカジュアル名品として、私も愛用していますし、雑誌などにも、幾度となく掲載したことがあります。
シンプルなので幅広い着こなしに合い、雑に使えるから(いい意味で!)、雨が降りそうな日や旅行などにも活躍。そういえば遥か昔、友人たちとカラオケに行った際に、騒いだ勢いで氷の入ったアイスペールがひっくり返り、中身が私のトートの中にぶちまけられたことがあったのですが、外に水がにじみ出ることなく、「さすが、もともとは氷の塊を運ぶために開発されたバッグだなぁ」と、妙に感心したこともありました。はい、余談です。
新品とヴィンテージ、どっちのトートバッグにする?
で、記事を読んでいて思い出したのですが、以前にヴィンテージのボート・アンド・トートというものがセレクトショップで販売され、話題になったことがあったのです。その影響で、新品のボート・アンド・トートも、使い続けて自分でヴィンテージ化させる人も。くたっとした味わいがこなれていて、定番だけど、人とはちょっと違うところがかっこよかったんですよね。
ちなみに私が使っているボート・アンド・トートは、新品のブラックのミディアム。最もオーソドックスなタイプではないでしょうか。でもこれ、同じものを一度買い直しているんです。初代は、とにかく便利で使いすぎて、気づいたらボロボロに。ただ当時は、例のヴィンテージトートのこともあり「このまま頑張って使い続けたら、逆にかっこよくなるのでは……」という思いが頭をよぎりました。そこで新しいトートも買い足しながら、ふたつを使い比べることに。でも結局は、私にはなじまないというか、ただボロいだけのトートにしかならなくて。私個人としては、パリッときれいなキャンバス地のトートのほうが、実際に持っていて、気持ちがよかったんです。
ヴィンテージを手にするときは意志をもって
これは、普段着ている洋服のテイストや、私のキャラクターが理由ではないでしょうか。もともと古着を着こなす人生を送っていませんし、経年劣化を味として取り入れられる土台が、私にはなかった。ヴィンテージって、下手に手を出すと危険で、似合わないと「味」も単なる「古さ」にしか見えません。ただヴィンテージがすべてNGというわけではなく、レザーバッグや時計は愛用中。でもカジュアルアイテムのヴィンテージは、ハードルが高い印象です。
トートバッグに関しても、新品とヴィンテージ、どちらにするかはその人しだい。同じものをずっと使い続けて、自分で育てるのも全然アリだと思うんです。でもどちらにしても、どんなおしゃれが自分らしいかを、考えてから選ぶべき。でないと本当に「ただ古いものを持っている人」になってしまうから。私がなぜ、トートはダメだったのに、ヴィンテージの時計は愛用できているかというと、ピカピカの新品が、身につけると手首から浮いている印象で、抵抗があったからなんです。つまりトートバッグとは正反対な理由なのですが、手首にしっくりきていますし、選んでよかったと思っています。こう考えると、ヴィンテージってなんだか、不思議な存在ですよね。
【今日のひと手間】
ミーハーなので、SNSで話題のcocaのカップ付きアメスリタンクを買ってみました! 個人的には一枚で着ることはなさそうですが、優しい着心地で、なかなかよしです。バストはきちんとホールドしながら、胸下の締め付けがないところが高ポイント! ボートネックやカーディガンのインに着て、肩の部分をちらりと見せてもかわいい!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ
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