「年の瀬」とはいつを指す?
毎年12月になると、あちこちで見かける「年の瀬」という言葉。年末のことを表しますが、具体的にいつのことを指すのか知っていますか?
「年の瀬」は日常だけでなくビジネスシーンやフォーマルな場でもよく使います。12月のいつから使うのか、どのように使うのかを把握しておきましょう。
「年の瀬」とは? 意味をおさらい
あらためて意味を調べてみました。
▷【年の瀬】読み方:としのせ
年の暮れ。年末。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
上記から、12月の終わり頃を指すというのがわかりますね。いつからいつまでのことを指すのか、定義や決まりはありませんが、12月初めのことを「年の瀬」と表すことはないようです。
「年の瀬」いつから使える?
「年の瀬」を使い始めるのは、12月に入ってから。徐々に増え始めて、12月中旬には多くの店や広告などで「年の瀬」という言葉が使われるようになります。「年の瀬」は年末を指しますが、実際に使えるのは、12月中旬以降と考えていいでしょう。
「年の瀬」いつまで使える?
年末である12月31日までは「年の瀬」を使いますが、年が明けても使うということはありません。広告なども年末で撤去しますので、使えるのは年末いっぱいと考えていいでしょう。
「年の瀬」の使い方を確認
ここからは、「年の瀬」の使い方を見ていきましょう。例文を挙げて紹介します。
「年の瀬」の例文を紹介
《例文》
・年の瀬が近づいてまいりましたが、皆様お元気でいらっしゃいますか?
・年の瀬を感じる頃になりましたね。寒さも一段と厳しくなってまいりました。
・年の瀬のお忙しい時期に失礼いたします。
・年の瀬に入り、時間の過ぎる速さに驚いております。
「年の瀬」は、あいさつでよく使われる言葉です。年末の仕事納めなどでは、メールや電話で上記のようなフレーズを使ってあいさつをしているという人もいるでしょう。
「年の瀬」は、相手やシーンを選ばずに使うことができます。取引先やお客様へのあいさつはもちろん、上司や同僚、友人知人にも「年の瀬」を用いるといいですね。また、口語と文章、どちらに使っても問題ありません。
「年の瀬」と似た言葉は?
「年の瀬」と似た言葉についても見ていきましょう。いろいろな表現がありますので、使い分けるのもいいですね。
「年末」
一年の終わり頃を意味する言葉で、12月中旬から大みそかまでの期間を指すとも言われています。「年の暮れ」とはほぼ同じ意味であり、話し言葉から書き言葉まで、あらゆる世代に幅広く使われている言葉です。
《例文》
・年末だと思うだけで気忙しく、落ち着かない
「歳末」
この言葉も、一年の終わりくらいを指します。読み方は「さいまつ」。季語としても使われる言葉です。
《例文》
・歳末セールでいろいろなものを買いたいので、今月は節約しよう
「歳暮」
「さいぼ」と読むこの言葉は、年の暮れや年末を意味します。加えて、年末にする贈り物という意味も持ち、その場合の読みは「せいぼ」。お歳暮(おせいぼ)は、この意味になると考えてください。なお、お歳暮については後述します。
《例文》
・歳暮の街は正月準備をする人でにぎわっていて、今年が終わることを実感した
「年の暮れ」
一年の終わり頃を表し、「年の瀬」と同じ意味を持ちます。また、年末のあいさつでも、よく使われる言葉です。
《例文》
・年の暮れに帰省する予定なので、早めに飛行機の予約をしておこう
「年の瀬」の行事や風物詩
12月に入ると一気に忙しさが増すように思いますが、この月は、たくさんの行事や風物詩もありますよね。どのようなものがあるか見ていきましょう。
お歳暮
1年お世話になった方々に対して、感謝の気持ちと「来年もよろしくお願いします」という意味を込めて贈る「お歳暮」。会社の上司や取引先、親戚などに贈りますが、今は実家の家族や友人、知人などにも贈る人が増えています。
お歳暮の時期が近づくと、デパートなどでは「お歳暮コーナー」を特設。多くの贈答用人気商品が予算別、種類別などに分けて並べられます。その様子を見て「年の瀬」を感じる人もいるようですね。
また、インターネットで商品選びと手続きができるようになり、自宅にいながらお歳暮を贈り終えることも可能になりました。
なお、「お歳暮」を贈る時期は地域によって異なりますが、12月20日前後までに贈り終えるのが一般的とされています。
冬至
「冬至」は、北半球において一年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなるとされる日です。現在の暦では12月22日頃を「冬至」とし、この日はゆず湯に入ったり、地方によってはカボチャを食べたりします。
クリスマス
12月25日と言えば「クリスマス」。キリストの誕生を祝う祭りの日です。多くの民族の間に見られた、太陽の再生を祝う「冬至の祭り」と融合したものと言われていますが、日本でも欠くことのできないイベントになりました。
前日のクリスマスイブやクリスマス当日は、家族や友人、職場の仲間などとパーティーや食事会をするのが恒例という人も多いでしょう。また、子供にとってはサンタクロースがプレゼントを運んでくれる、楽しみな日でもありますね。
クリスマスが近づくと、街を彩るイルミネーションも登場します。全国各地にあるイルミネーションスポットで、街散歩を楽しむのもおすすめです。
大みそか
1年の最終日となる12月31日のことです。「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれるお寺の鐘をついて鳴らす「除夜の鐘」や、無病息災や長寿、金運などを願いながら食べる「年越しそば」など、この日ならではの風習もありますが、基本的には自宅や実家、旅先でのんびりと過ごす人が多いのではないでしょうか?
紹介した以外にも、大掃除や忘年会、仕事納めなどもありますから、12月は慌ただしく過ぎるという人が多いかもしれません。
気がつけば「年の瀬」はもうすぐ。やり残しがないよう早いうちから準備をして、気持ちよく新年を迎えたいですね。
最後に
「年の瀬」という言葉の意味や使い方、いつからいつまで使えるのかなどを紹介しました。年末を意味する「年の瀬」が近づくと、どこか気忙しくなりますよね。仕事納めもあるため忙しい毎日が続くかもしれませんが、元気に新年を迎えるためにも、体調管理は十分注意してお過ごしくださいね。
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