そもそも「お屠蘇(とそ)」って何?
お屠蘇とは、酒やみりんに5〜10種類の生薬を浸け込んだ薬草酒で、一年間の邪気を払い、長寿を願ってお正月にいただく祝い酒のこと。屠蘇の「屠」は邪気を払う、「蘇」は魂を目覚め蘇らせると解釈されているようです。最近では、飲む機会が減ってきているお屠蘇ですが、親戚が集まる席では飲む機会があるかもしれません。そこで今回は、お屠蘇のルールについて、薬膳料理研究家の曽谷由佳さんに伺いました。
年長者に注いでもらい最年少者から順番に飲むとされている
「お屠蘇には『邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみがえ)らせる』という意味があり、薬膳的にも屠蘇散に含まれる生薬は寒い時期の養生に適しています。飲むときには、家長があいさつをし、屠蘇を神に捧げます。お屠蘇は、年長者に注いでもらい、最年少者から順番に飲むとされています。そこには、1年の無病息災と延命長寿を願い、若者の活発な生気にあやかる願掛けの意味があるようです」(曽谷さん)

薬膳料理研究家
曽谷由佳
「ふわり薬膳」主宰。医食同源・薬食同源と一見難しいと思われがちな薬膳を分かりやすく伝え、日々の食生活に気軽に取り入れる「ふわり薬膳」を考案。特別な食材は使わず台所にあるものやスーパーなどで手軽に購入できる食材を使ったオリジナルのおうち薬膳レシピが大好評。講座はリアルとオンライン双方にて、告知後、すぐに満員御礼になるほど大人気。行列のできる予約待ちの講座として定評がある。国内はもとより海外の受講生も多数。食を通じて、未来を好転させる開運薬膳メソッドを提供中。
ふわり薬膳教室
イラスト/村澤綾香 監修/西出ひろ子 構成/木戸恵子