お正月休み明けに「初詣」は遅すぎる!?
人混みを避けるため、「初詣は三が日をすぎてから」という方もいますよね。正月休みが明けた、仕事初めの日に社員全員でお参りをするという会社もあります。でも、元日から日が経つと、「初詣にしては遅すぎるかな?」と、不安にあることもありますよね。そこで今回は、何日までに初詣をすませるのがベストなのか、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。
初詣の由来は!?
「諸説あるかもしれませんが、日本には『年籠り(としごもり)』という風習がありまた。これは、一家の長である家長が、大晦日の夜から元旦(元日の朝)にかけて、氏神の社(現在の氏神様の神社)に籠り、新年を平安にすごせるよう、祈願していました。これが、大晦日の夜に詣でる『除夜詣』と元旦(元日の朝)に詣でる『元旦詣』となりました。そして、『元旦詣』が、現在の初詣の原形となります」(西出さん)
本来は元日の朝に参拝するもの
「このように見ると、初詣は元日の朝に参拝するものと言えます。とは言え、皆さん全員が元旦に参ることも難しいでしょう。となれば、三が日中に参れば良いとなったり、松の内の1月7日までや、小正月の1月15日や、二十日正月の1月20日までに参るなどと言われる地域もあります。これらは、歳神様がいらっしゃる間にお参りをするのが初詣という考え方からなっているようです」(西出さん)
現在では「分散参拝」や「リモート参拝」という方法も
「しかし、コロナ対策などから、これらの時期に集中しない様にと、神社やお寺側もさまざまな配慮をしています。例えば“幸先詣”とし、年明けではなく、年内のうちに初詣を済ませ幸先の良い新年を迎えましょうというものであったり、“分散参拝”や“リモート参拝”などもありますね。また、初詣は、その漢字から、その年に初めて神社などに詣ったとも言えます」(西出さん)
実際にその場にいけなくても心の中で感謝すればよし!
「コロナ対策などに関係なく、いつの時代でも皆さん、それぞれに事情があるでしょう。何日までに行けばいいなどの決まりはなく、それを決めつけることもできないと思います。心穏やかに詣れるときに、心から感謝の気持ちを持って参れば良いと思いますし、実際にその場に行くことができない場合は、自分がいる場所から感謝と自分の思いを心の中で唱えたら良いのではないでしょうか」(西出さん)
マナーコンサルタント
西出ひろ子
参議院議員秘書を経て政治経済ジャーナリストの秘書を経験。その後 マナー講師として独立渡英し海外で起業した経験もあるため、グローバルな視点からマナーをわかりやすく解説している。その実績や成果は、テレビや雑誌などでもマナー界のカリスマとして多数紹介されており、「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)や「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)などのドキュメンタリー番組でも紹介された。基本のマナーとそこに気くばりを加えたワンランク上のマナーを紹介した新刊、『さりげないのに品がある気くばり美人のきほん』が好評発売中!
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西出ひろ子マナーサロンHP
イラスト/村澤綾香 構成/木戸恵子