「1on1ミーティング」という言葉を職場など耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか? 近年、多様な働き方やリモートワークの普及に伴い、1on1ミーティングの重要性が注目されてきています。
ただ、「具体的に何をするためのミーティングなの?」や、「評価面談とは違うの?」などの疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そこで、この記事では、1on1ミーティングの基本から、その進め方、そして成功させるためのポイントまでを詳しく解説します。
1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングとは、どのようなものなのでしょうか? まずは、基本からみていきましょう。
1on1ミーティングの定義と目的
1on1ミーティングは、上司と部下が1対1で行う対話形式のミーティングです。部下の成長を促すことや、モチベーション向上、コミュニケーションの円滑化などが目的とされていますよ。
業務の進捗管理や、具体的な仕事についての指示やアドバイスは、会議等で行うことが一般的でしょう。それに対して、1on1ミーティングは、部下の今後のキャリア形成のサポートや、成長促進、モチベーションアップの機会をサポートするためのミーティングです。
1on1ミーティングと面談の違いは?
1on1ミーティングは、評価面談や成果確認を目的とした面談とは異なるものというのも、おさえておきたいポイントです。
例えば、売上目標の到達状況や、人事評価の結果などが面談の話題として思い浮かぶ方も多いかもしれません。ですが、1on1ミーティングとは目的が異なるため、こういった話題の場合は、別の機会を設定するのが基本ですよ。
特に重要な違いは、1on1は、上司と部下の双方向のコミュニケーションを重視しているという点です。例えば、部下が普段の業務中では話しづらいことや、価値観などを共有できる時間にもなりますよ。
なぜ1on1が注目されるのか?
1on1ミーティングは、生産性向上や組織力の向上のための手法の一つとして、注目されています。また、リモートワークや多様な働き方の普及によって、対面コミュニケーションの機会が減っている職場が増えてきたという背景も、注目を集める理由の一つといえるでしょう。
1on1ミーティングのメリット
ここからは、1on1ミーティングのメリットを、働く人たちの声をもとにいくつか見ていきましょう。
部下の成長とモチベーション向上
1on1ミーティングには、部下の成長をサポートすることや、モチベーション向上につながりやすいというメリットがあります。
なお、自分のキャリアの方向性や、成長のために何ができるかなどを相談することに、ハードルを感じる部下がいるということも理解しておくとよいでしょう。実際に、筆者の知人は、「上司に今後のキャリアで相談したいことがあるんだけど、忙しそうだしな…」と悩んでいるようです。
その点、あらかじめ、定期的に1on1ミーティングを設定しておくことで、気軽に話せるようになるという効果も期待できますよ。
信頼関係構築とコミュニケーション活性化
1on1ミーティングは、上司と部下の信頼関係を構築したり、コミュニケーションを活性化するチャンスにもなります。
ある会社の管理職の方からは、「日々の業務に追われてしまい、意識的に時間を取らないと、部下とじっくり話す機会がなかなかない」という声も。その会社では、こういった状況を変えるために、定期的に1on1ミーティングをする制度を導入しているといいます。
組織力と生産性の向上
1on1ミーティングを継続することは、組織全体の生産性向上にもつながります。生産性をアップさせることは、働き方改革の重要な要素になるという点も注目ポイントでしょう。
また、部下が行き詰っていることや、悩んでいることをすばやく察知する機会になるというメリットも。上司と部下間の目線のズレや、パフォーマンス低下などにも早期に気づけて、組織力という面でも、効果も期待できますよ。
1on1ミーティングの進め方と実践ガイド
次に、1on1ミーティングの進め方や実践のポイントも見ていきましょう。
準備段階での注意点
1on1ミーティングを成功させるためには、事前準備が重要です。まず、ミーティングの目的を部下に伝え、何を話すかのリストを作るようにしましょう。というのも、目的や話題を明確にしないで行うと、単なる雑談で終わってしまうこともあるからです。
例えば、最近の仕事で気になっていること、プライベートでの関心事、困っていること、挑戦してみたいことなど、話題をリストアップすることで、スムーズに進行できますよ。