赤ちゃんにはいつだっていいものを使ってあげたい!
木更さん:千幸ちゃん、元気そうだね。子育てどう? 慣れた?
千幸:木更さん! いや〜、毎日バタバタすぎて、スキンケアもメークもこれでいいのか!? って感じですよ (汗)。でも娘はよく笑ってくれるし、すくすく成長しているので、とりあえずよしってことで (笑)。
木更さん:うんうん、お母さんが楽しそうにしているのがいちばん。赤ちゃんの時期なんてあっという間だからさ。肌の時計はあとからでも巻き返せる!
千幸:ほんと、そう願っています! ところで木更さん、教えていただきたいことが。ベビー用のボディソープなんですけど、おすすめってありますか? どれ見ても大体「赤ちゃんにやさしい成分」とか書いてあるから正直どれを選んでいいのかよくわからなくて…。
気をつけるべきは、肌や髪から汚れを引きはがすための洗浄成分【界面活性剤】
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木更さん:人によっていろいろな判断があると思うんだけど、あくまで美容ライター25年の経験から導き出したものということでアドバイスさせてもらうね。私の場合、特に子どものボディシャンプーやヘアシャンプーを選ぶときに重視するのは、界面活性剤に何が使われているか。
千幸:オーガニックかどうか? ナチュラル系ブランドかどうか? じゃないんですね?
木更さん:そうだね。具体的にいうと私が選ぶのは、アミノ酸系の界面活性剤を使用しているもの。裏面の成分表をよ〜く見ると、水の次に、コカミドプロビルベタイン、 ラウロイルプロビルスベタイン、 ココアンホ酢酸とか書いてあるものね。ちなみに、うちで使っていたのは「ミノン」。
千幸:うちで使っているのは、「ピジョン」なんですけど、ど、どうなんでしょう…?
木更さん:これはタウリン系と呼ばれるもの。これも◎です! 成分表には、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ココイルメチルタウリンタウリンNaなどと書いてありますよ。
界面活性剤の中で、避けたい成分は?
木更さん:逆に選ばないのは、石油系合成界面活性剤と高級アルコール系と呼ばれるもの。たとえば、石油系合成界面活性剤だと、ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸TEAとか、高級アルコール系だと、ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸TEA、ラウレス-3硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸Na、ラウリル硫酸Naとか。
千幸:ひゃ〜! なんだか暗号みたい…。
木更さん:一見、長ったらしい名称だけど、よく見るとすべてに「硫酸」が入っているから一発でわかるはず。この「硫酸」チームは大人の髪にもできれば避けたいものです。
千幸:界面活性剤にさえ気をつけていれば、何を選んでも大丈夫ですか?
木更さん:もちろん、界面活性剤がすべてというわけではないし、その他の水や油や保湿成分などがどーでもいいわけでもないんです。でも、シャンプーやボディソープといった落としものは、洗浄剤が一番のポイント。そして、なぜ界面活性剤にこだわるかといえば、それがアブラを溶かして肌から汚れを引きはがすときに、肌にもともとあるうるおいのもとともいえる皮脂までも溶かして取り除いてしまうおそれがあるから。それが、子どもに使うものであれば、特に注意したいところ。子どもは大人のようにスキンケアしませんから。
美容ライター・エディター
木更 容子
美容業界歴25年超の51歳。コスメ業界の歴史とトレンドに精通するご意見番で、Domaniでも長年にわたり記事を執筆。目からウロコなアドバイスで忙しいワーママの肌悩みを多く解決。プライベートでは12歳女の子のママ。
ビジュアル・エディター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経てエディターに転身した矢先に妊娠。2019年9月に女の子を出産したばかりの右から見ても左から見ても新米ワー/ママ。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガルではあるものの、 外国語より原稿力の必要性を痛感している今日この頃。chiyuki_arita_official