(取材データ)みちるさん(仮名)、44歳。アパレルショップ経営。高校2年生の息子、中3と小6の娘は離婚した元夫と同居し、みちるさんが毎週会いに行く独特な家庭を築いている。離婚後も恋人が途切れたことはなく、現在は22歳の男性と同棲、近々再婚予定。
「ママだけど子供たちと一緒に暮らさない」という選択
ここ最近、この連載に登場するバツイチ女性たちで、お子さんと一緒に暮らしていない方が多いことにお気づきでしょうか。
子どもは実家に預けて離れて暮らす「新しい生活様式」を生きるシングルマザー
「離婚したら子どもは母親が育てるもの」。そんな過去の固定観念から自由になったバツイチ女性が増えているのかなあと感じます。
それについての賛否はあるでしょうが、今回はそんな自由な家族の形を実践している、みちるさんの登場です。
みちるさんは高2の息子と中3と小6の娘のママですが、お子さんは元夫とそのまま暮らし、みちるさんが家を出るという形で離婚。
しかも離婚の際も子どもたちには「離婚する」とは告げずに、「ママ、ひとり暮らし始めようと思うけど、みんなはどうする?ついてくる?」と聞くという、斬新なスタイル。現在も、コロナ禍の前は週1くらいで子供たちと暮らす元夫の家に通う、「通い別居家族」。
父親のほうが子どもを育てているのは、この連載では初めてのパターン。
でもコレ、よく考えたら、海外セレブのニュースではよく見るヤツなんですよね。
女優のグウィネス・パルトロウも、離婚したコールドプレイのクリス・マーティンが離婚後も家に泊まりに来ていたし、ジェニファー・ガーナーとベン・アフレックも別れたあとも家族旅行したりしてるみたいだし。
そう考えると、みちるさんの元夫婦関係は、新しいというよりも、限りなく欧米っぽいフリースタイルなのかも。
出会ったときはお互い別の人がいて…
みちるさんが5歳年上の元夫のAさんと出会ったのは22歳のとき。
お互い、アパレル関係のとある技術の修行をするためにバイトしていたショップで出会い、当時はお互いに別の相手がいたものの、顔を合わせるうちに意気投合して、付き合うことに。
みちるさん:私は出身地に遠距離恋愛している相手がいて、彼の方も長年付き合ってる相手がいたんです。最初は、タイプじゃないし何とも思っていたのに、バイト終わりに毎日一緒に飲んでるうちに突然「あれ?この人かっこいいかも」と思ったときがあって。
違和感に気づいていたのに結婚してしまった
結婚願望のなかったみちるさんですが、同棲してすぐに「結婚しよう」と言われ、若さの勢いもあって結婚を決断。―するのですが、結婚したらAさんのモラハラが始まります。
さかい:結婚前の同棲中に兆候はなかったんですか?
みちるさん:それが、実は付き合ってからすぐに「なんかおかしい」とひっかかる感覚があって。当時はモラハラという言葉もなくて、結婚してから色々調べて思い当たったのですが、結婚式前から、彼といると私らしくいられない感じがしていました。
さかい:ええ〜〜〜〜〜〜…。たとえばどんなところに違和感があったんですか?
みちるさん:具体的には思い出せないんですけど、とにかく、何を言ってもすぐに否定されるんです。そのうちに、「え?何が言いたいの?結論から言って」とか言われるようになって、感情が出せなくなってしまった。
それってすごく辛そうですが、なぜかそのときみちるさんは「結婚をやめる」という選択ができなくて、結婚式の招待状を投函するときにも、「どうしよう。やめたい」と思いながら、そのまま結婚してしまったそう。
モラハラ夫と結婚後、みちるさんがどんな結婚生活を経て今の自由な元夫婦スタイルに行き着いたのか(そして気になる22歳年下彼氏との出会いも!)は、次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。