吉田明世さんが早口言葉絵本『はやくちよこれいと』を発売
Domaniレギュラーモデルとしてもおなじみ、絵本専門士・保育士の資格をもつアナウンサー吉田明世さんが、初の絵本『はやくちよこれいと』を12月21日に出版。声のプロが練習で使う『外郎売(ういろううり)』の長台詞を子ども向けにアレンジした絵本は、アナウンサーならでは! さらに、音声で吉田さんの読み聞かせをダウンロードできる仕掛けもあるそう。そんな、楽しみながら発声や滑舌の練習ができる絵本について、吉田さんにお話を聞きました。
アナウンサーである自分が子どもたちのためにできることは何かを考え絵本を出版
保育士や絵本専門士の資格をおもちなんですね
「保育士の資格は昔からいつか取りたいと思っていました。一緒に住んでいた祖母が保育園を運営していて、実家の隣に保育園があったんです。私もそこに通っていて、昔から保育士の先生たちのことを尊敬していました。でも、アナウンサーの仕事をしていると、資格を取るタイミングがなかなかなくて。転機が訪れたのは第一子妊娠中でした。実は、産休前に体調をくずして生放送の番組をお休みする期間があったんです。そのとき、時間ができたので、『今しかない 』と保育士の資格を取りました。その後、フリーになったこともあり、アナウンサーでありながら保育士の資格をもつ自分にできることを考えて、絵本の読み聞かせをやろうと思うように。より絵本について深く知りたいと思い絵本専門士の資格も取りました」(吉田さん 以下同)
絵本の読み聞かせイベントはいかがでしたか?
「ぜひ、挑戦したかったのですが、ちょうどコロナ禍に入りイベントが開催できない状況になってしまいました。絵本は権利の問題があるため、オンラインイベントの開催も難しくて。そんなとき、『自分の絵本があったら楽しいイベントを企画できるな』と思うように。その後、いろいろな縁があり、絵本の出版に至りました」
この絵本はご夫婦で一緒につくられたそうですね
「夫(カタスケ氏)は広告代理店でクリエイターの仕事をしていて、広告などを通して自分の作品を世に送り出しています。私もテレビやラジオを通して、ある意味、スタッフと一緒に作品をつくっていると感じています。でも、テレビ番組などは、毎日大量につくっては消費されていくのが特性でもあります。だからこそ、夫とは、『いつか、ずっと残って子どもたちの役に立つものをつくりたいね』という話をしていました。
私も夫も教育に関わりのある環境で育ったという背景もあります。私は祖母が保育園を運営していましたし、夫のほうも、祖父母が学校の先生で父親が小学校の校長経験者だったんです。そんな偶然も重なり、子どものための絵本をつくることになりました」
「早口言葉」がテーマというのもユニークです
「絵本をつくる上でまずテーマにしたいと思ったのが『言葉』でした。夫は仕事でキャッチコピーをつくることもありますし、私も日々、ラジオなどを通して言葉を発信しています。どちらも言葉の力を感じる仕事。今は、SNSを通してでだれでも言葉を発信できる時代ですよね。でも、言葉の重みを知らないまま発信している場合もあると感じます。だからこそ、子どもたちには『言葉はナイフのように人を傷つける可能性もあるし、人の背中を押す力もある』ということを伝えたかった。他にも言葉をテーマにした絵本の案があったのですが、アナウンサーとしての私のファースト絵本として、今回は早口言葉を選びました。
『歌舞伎十八番』の演目のひとつである『外郎売(ういろううり)』は、TBSに入社した時に受けた授業で丸暗記したもの。『ういろううり』という言葉は聞いたことがあっても、内容まで知っている方は意外と少ないので、それを大人も子どもも楽しめるようにアレンジしました」
ゆっくり、ひとつひとつの音を大切にしながら読んでほしい
読み聞かせのコツはありますか?
「『早口言葉』がテーマなので、『早く読まなければ!』と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。ゆっくり、ひとつひとつの音を丁寧に声に出しながら読んでもらいたいなと思います」
読み間違えても大丈夫。それを思いきり楽しんで!
Domani読者のみなさんに、この絵本をどのように活用してもらいたいですか?
「絵本は、最高のコミュニケーションツールだと思っています。同じ絵を近くで見るので、子どもとの間にスキンシップが生まれますし、お母さんや子どもの声を耳で感じ取ることができる。絵から感じ取れる情報も多いですよね。子どもの視点とお母さん、お父さんの視点は違うので、絵本を通して新しい発見があることも。
Domani読者の方は仕事をされているお母さんも多いと思います。仕事をがんばりつつ、家にいるときはめいっぱい子どもと向き合いたいと感じられているのではないでしょうか? そんなとき、この絵本を一緒に読んで、楽しんでもらえたらなと思います。この絵本は早口言葉を上手く言えるようになることが目的ではありません。まずは、お子さんが言い間違えちゃうことを思いきり楽しんでください。そして、何回も読んでいるうちに『いつの間にか読めるようになったね』『練習すれば言えるようになるんだね』と、子どもの成長を実感してほしいです」
子どもと関わりながら自分の夢ややりたいことを繋げていきたい
いろいろなことに挑戦されていますが、今後やりたいことはありますか?
「自分の中に、1)アナウンサー 、2)保育士・絵本専門士、3)ピラティスのインストラクターという3つの柱をもちたいと思っています。第二子出産後、ピラティスをはじめたのですが、そのすばらしさにハマってしまい、今、インストラクターの資格取得に向けて勉強中です。ピラティスには子ども向けの資格もあるので、こちらにもぜひ挑戦したいですね。
この3つの柱は全部違うジャンルなので、交わらないように感じますが、実際、アナウンサーと保育士・絵本専門士という資格を通して今回、絵本をつくることにつながりました。たとえば、将来ピラティスジムをつくることができたら、そこに絵本をたくさん置いて、親子で楽しめる空間をつくることもできますよね。ピラティスを楽しんだ後、子どもに読み聞かせをできる場所です。この3つの柱をもつことで、いろんな可能性が広がってくると思います。そんなふうに、これからも子どもと関わりながら、自分の夢ややりたいことにつなげていきたいです」
絵本づくりも続けていきたいですか?
「もちろん! 今回の企画のほかにあと2つ案があったのですが、そちらも、みなさんに楽しんでもらえると思います。なので、また機会があれば、ぜひ夫と一緒に他の絵本もつくってみたいです」
早口絵本『はやくちよこれいと』
遠い不思議の国からやってきた、チョコレートの魔人がもっている「はやくちよこれいと」を一粒食べれば、楽しくて難しいリズミカルな言葉遊びの始まり!声のプロが贈る、親子で楽しむ早口言葉の絵本。
『はやくちよこれいと』
作:吉田明世/カタスケ 絵:今津良樹
定価:1,540 円(税込)
発売日:2022 年12 月21 日(水)発売
出版:株式会社インプレス
撮影/黒石あみ 構成/木戸恵子
フリーアナウンサー
吉田明世
1988 年生まれ、東京都出身。2011年TBSにアナウンサーとして入社。2019年フリーアナウンサーとなり、人気番組で活躍。現在はDomaniモデルをはじめ、ラジオパーソナリティー・テレビ・イベント出演など、多彩に活躍。プライベートでは2児の母(長女4歳、長男1歳)。2020年に絵本専門士の資格を取得。保育士の資格ももつ。