僕が演じた“清澄”は、昔の自分と似ているんです
写真をもっと見る――原作を読んだ感想を教えてください。
川西 僕も昔は、清澄と同じようにひとりでいる方が心地よくて、常にひとりでいたいと思っていたんです。さらに、僕自身、本当に音楽が大好きなので、俳優活動ができるのなら、音楽を映画で伝える作品に出演したいという夢がありました。この作品を通じて、過去の自分を表現しつつ、今の自分の夢を叶えられて、すごくありがたいですし、大切な作品になりました。
――今はJO1のメンバーとして、“ひとり”とは全く違う環境の中で過ごしていますよね。
川西 はい。ある意味、その“ひとり”の世界から引っ張り出してくれたのも、JO1のメンバーなんです。清澄も最初は仲間と過ごすことに対して面倒くさそうにしていたり、すこし嫌がっていたところがあるんですが、僕もまさにそうで(笑)。最初は控室で座っていた時に、隣に座っていたメンバーのお菓子のゴミが自分のエリアまで来た時に「ちょっとやめてよ」って思う時期もあったんですよ(笑)。でも、今となっては小さなことがほとんど気にならなくなってきました。さらに、以前は誰かに悩みを相談をするようなタイプではなかったんですが、今は、ちょっとしたことでもメンバーに打ち明けたり、一緒に考えるような関係性が築けたんです。そのおかげで、今はすごく気持ちがラクになりました。
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――撮影中は、川西さんがムードメイカーだったとスタッフさんからお聞きしました。
川西 そうなんですか⁉(笑) 僕はものすごく人見知りなんですが、“潮”を演じた桜田ひよりさんが、そんな僕を現場に馴染ませるように気を遣ってくれたんです。さらに、桜田さんが現場でちょっとドジをしたり、ボケたりしてくれたおかげで、僕がツッコみ、スタッフさんが笑ってくれるという構図がどんどん出来上がっていったんです。それに、井之脇 海さんや、柳 俊太郎さんも、すごくいい感じで僕のことをいじってくれたおかげで、終わるころにはすごく良い雰囲気になっていたと思います。僕にとって、初めての映画作品ではありましたが、みなさんとの絆が深まったことで、ものすごく思い入れのある作品となりました。
――劇中、清澄はDTMやキーボードなどで音楽制作をしていましたが、どんな練習をして臨んだのでしょうか。
川西 DTMは以前から触っていたんですが、キーボードはこれまで演奏したことがなかったので、撮影に入る3か月くらい前から先生について練習していきました。さらに、両手を交差して弾くシーンもあるので、何度も何度も自主練を重ねていったんです。もちろん、簡単なことではなかったんですが、今回、音楽監修をしてくれたYaffleさんにもいろんなアドバイスを頂いたことで、大きな自信につながりました。振り返ると、本当に贅沢な時間を過ごさせていただいたように感じます。
写真をもっと見るたまに「俳優の顔をしているね」って言われるんです
――監督とはどんなお話をされましたか?
川西 監督には、「演じている時間以外も、清澄という人間を感じてほしい」と言われたんです。なので、その時期はずっと清澄のことを考えていました。当時、JO1の活動としては『NEWSmile』のリリースタイミングだったんですが、朝、『めざまし8』に出演して歌って、そのまま撮影現場に来るような日もあったんです。今考えると、あの時は清澄のまま歌っていたのかもしれません(笑)。
――メンバーから「いつもと違うね」と言われることもありましたか?
川西 たまに「俳優の顔をしているね」って言われるんですけど、自分ではまったくわからなくて(笑)。本当にそうだったのかイジってきていただけかもしれませんが(笑)。でも、お芝居はやればやるほど楽しくなる感覚がありました。
写真をもっと見る――清澄は、気持ちが表に出づらいタイプだからこそ、難しい役なのではと思うのですが、いかがですか?
川西 そうですね。清澄は無口であまり気持ちを言葉にしないタイプだったので、目の動きや表情、話し方などを監督とお話しながら演じていきました。クライマックスのシーンでは、清澄がどうしたらよりいいかということを、監督と何度も話をして作っていったんです。
川西 そうですね。清澄は無口であまり気持ちを言葉にしないタイプだったので、目の動きや表情、話し方などを監督とお話しながら演じていきました。クライマックスのシーンでは、清澄がどうしたらよりいいかということを、監督と何度も話をして作っていったんです。
――クランクアップ時は泣きましたか?
川西 な、泣いてないです!(笑) でも、クランクアップの時に、先にクランクアップをしていた桜田さんが残っていてくれたんです。それがものすごく夜の深い時間だったので、すごく嬉しくて、めちゃめちゃいい人だなと思いました。その時に、「撮影が本当に終わったんだ」と思ったら、安心感で泣きそうになってしまって。でも、泣いてはいません!(笑)
写真をもっと見る――さて、今回は主題歌をソロとして担当しますが、いかがでしたか?
川西 この曲は、川西拓実で歌うというよりも、清澄の気持ちのまま、ものすごくこだわってレコーディングさせてもらいました。全部で10時間くらいかかったんです。この曲には、海や波の音が使われているので、癒しを感じてもらえたら嬉しいですね。
――JO1とは全く違うジャンルの曲になりますよね。
川西 全く違いますね。やっぱりひとりは大変だなと思いました。僕たちの曲よりも、だいぶ曲が長いし、スローテンポなので、すべてが新鮮でした。
写真をもっと見る音楽に“正解はない”
――川西さんはJO1でも3月から開催している展覧会のテーマソング『HAPPY UNBIRTHDAY』で作詞作曲を担当していますが、この映画で音楽についてより触れることで考え方も変化したのではないでしょうか。
川西 一番思ったのは、“正解はない”ということでした。自分が鳴らしたい音、伝えたいことをそのまま歌に、歌詞に、メロディにならしていいということを学んだんです。
――映画でも、バンドとしてのライブシーンがありますが、撮影はいかがでしたか?
川西 本当に素敵な時間でした。あのシーンのラストカットを撮影するときに、清澄として込み上げてくるものがたくさんあって、ここでも泣きそうになってしまって…。あのシーンはその気持ちがそのまま映像に映っているので、ぜひ注目してもらいたいですね。
写真をもっと見るインタビュー後半ではJO1メンバーの話もたっぷりしてくれています!公開をお楽しみに。
Information
映画『バジーノイズ』
マンションで管理人を務める清澄(川西拓実)は、DTMを使って音楽を創作し、ひとりで演奏に没頭する日々を過ごしていた。友達も恋人も必要ない、自分の内なる音を形にすることだけがすべてだった。そんな清澄の前に、同じビルに住む潮(桜田ひより)が現れる。自分の好きなことを見つけられずに、他人の承認を求めて生活していた潮だったが、清澄の部屋から漏れ聞こえた音楽に心を動かされ、この音楽をもっと多くの人に届けたいと願うようになる。清澄は自らの音楽を人に聴かせることに興味がなかったが、潮の行動がきっかけで人生が一変するー。むつき潤の原作コミックを、『silent』の監督である風間太樹が映画化した実写作品。
原作:むつき潤「バジーノイズ」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)監督:風間太樹
出演:川西拓実(JO1)、桜田ひより、井之脇 海、栁 俊太郎 ほか
2024年5月3日、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
▶︎公式URL
撮影/新田君彦 スタイリスト/斎藤良介 ヘアメイク/西尾さゆり 文/吉田可奈
※この記事は2024年4月29日にOggi. jpに掲載した記事内容と同一です。
JO1
川西拓実
1999年6月23日生まれ。兵庫県出身。2019年に韓国発のオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』に参加。2020年3月にJO1のメンバーとしてデビュー。2023年には『クールドジ男子』で地上波連続ドラマ初主演を務めた。
ジャケット ¥83,600、パンツ ¥52,800(共にターク/ジョワイユ)、〈シンヤコズカ〉のベスト ¥35,200、〈ジュスティーヌ クランケ〉のイヤーカフ ¥8,250(共にザ・ウォール ショールーム)、イヤークリップ ¥7,700(ナラティブ・プラトゥーン/ロール)、その他スタイリスト私物
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